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2011年 07月 05日 ( 1 )

「冬の獣」、真面目だから面白い!

自主制作作品、東京フィルメックスで優秀賞に選ばれた作品だそうだ。
撮影場所は男のアパート、地下道、小ぶりで低めのビルの屋上、
そして最後の場面となる雑木林や畑。
登場人物はほぼ4人。
その中で思い込みの激しい恋愛劇が幕を開く。
正直最初戸惑ってしまった。
セリフらしいセリフもなく、少しだらだら感が続く、
だが何かただならぬものが伝わってくる。
この一風変わった感じの作品が変貌し始めるのは、
シゲヒサとユカコの倦怠期にでも入ったような30代と思われる同棲カップルに
女の影がチラつき始めた頃からだ。
2人でいるとき頻繁に男の携帯がなる。
だが、シゲさんは電話に出ようとしない、それが兆候の始まり。
シゲさんはいう。
「僕の友達が鍵を無くしたことわかって、合い鍵持ってる彼女を呼び出したんだ。彼女、めちゃ怒ったけど、一時間かけて来てくれたんだって」、続けてたたみかけるように、
「そんな風になるのイヤだから、鍵返す」
とユカコに合い鍵を返そうとする。
ここから、理屈にならない理屈の掛け合い漫才のような会話が笑える。

どうもこれは、設定とキーワードだけ決めて、後は会話も雰囲気も流れに任せるという監督のやり方らしい。
だから、役者自身の言葉なのだ。
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徐々にシゲヒサの身勝手な行動に
ユカコの心は乱れ、地下道で倒れる。
それを救ったのは
偶然居合わせた職場の同僚のノボルだ。
ノボルは、同僚のサエコの事が好きなのだが、
どうもサエコはシゲヒサと付き合っているらしい。
ある日ユカコが予告もなくシゲヒサのアパートへいくと、
そこにはサエコがいた。
呆れたユカコが見切りをつけ帰ろうとすると、必死に止める。
そこへ今度はノボルまで押し掛けてきて、
よつどもえのバトルが始まる。
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このバトルが傑作で笑えるのだ。
だが役者さん達は必死の真剣屁理屈大会だ。
真面目だからこそ、第三者は笑えるのだ。
一度観てみる価値はある作品だ。

監督は内田伸晃
出演
ユカコ:加藤めぐみ
ヒゲヒサ:佐藤博行
ノボル:高木公介
サエコ:前川桃子
92分、2010年制作
マコトヤ配給
by asat_abc | 2011-07-05 21:21 | 映画_新作