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2011年 06月 25日 ( 1 )

「白いリボン」、ミヒャエル・ハネケ監督作品

老人となった教師が回想する形で始まるこの映画、
複雑に入り組んでいる上一度落ち掛けただけに、
正しく理解、解釈できているか心配ですが。。

第一次世界大戦前、
物語の舞台となったその村はドイツの田舎町、
大地主の男爵家が村の雇用の半分を担っていた。
村を支配指導する立場の男爵、男爵の家令(秘書)、村のドクター達を中心に据えながら進む。
一見上っ面は社会秩序が守られているように見える村なのだが、内情は違う。
それが明らかになる事件が起き始める。

第一の犠牲者はドクターだ。
針金がドクターの家付近、脚の高さぐらいに仕掛けられ、
馬が倒れ、彼は落馬し大怪我を負う。

続いて男爵家で働いていた小作人の女が不慮の死をとげる。
それを恨んだ小作人の子供は男爵家を逆恨みし、花壇の花をズダズダにする。
この事件だけは、唯一犯人を明らかにしている。
次に、男爵家の子供が誘拐され、
木に括られボコボコにされる。
男爵は協会に集まった村人に
事件の犯人は名乗り出るよう促すが、誰も名乗り出ようとしない。

息子家が花壇の花をズダズダにした小作人は
息子のせいで男爵家で働く事が出来なくなる
その為幼い子供達の生計を維持出来なくなり
首を吊って自殺する。
権力への反逆が少しでも表沙汰になると、
この村では生活していけなくなる。

確かに上っ面は権力を持つものが支配しているが、
そこで生活している人々が
その構図に納得しているわけではないし、
納得してはならないとでも言うかのごとく
権力者達の不正行為が暴かれてゆく。
ドクターの背徳行為
これはかなりひどい、
隣の女との不倫ならまだしも、実の娘への行為は許されるものではない。
男爵の横暴と傲慢さ
これは知らず知らずの内に息子へも遺伝しているのだろうか。

家令の偏った倫理観、
父親としては至極もっとなものに見えたが
賢い娘には不条理なものなのだろうか。
少女の反発は強まっていき、父からの制裁も強まっていく。

一見すると、
支配者層と支配されるもの達の陰鬱な戦い、

あるいは、大人達と子供達の戦い
特に背徳的な大人達への子供達の怒りにも見えたが、
c0146834_2334495.jpg

事件は更に続く、
残酷な現実を反映するかのように陰湿な事件が起きる。
ドクターと不倫していた女の息子は
知恵遅れなのだが、その子が何者かに痛めつけられる。
ひしひしと戦争がこの村にもおおい被ろうとしていた。


「ピアニスト」や「ファニーゲーム」のミヒャエル・ハネケ監督
出演
クリスティアン・フリーデル、レオニー・ベネシュ、ウルリッヒ・トゥクール
144分、2009年制作
ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア映画
ツイン配給


コクがあって、
良く錬られていて
途中少し眠くなるけど
寝てしまうと次の展開にはついていけなくなって
でもずっと観ているとだんだん核心に迫る事が出来る。
かといってシロクロ画像のせいで誰が誰か判別出来なくなるほど複雑に入り組んでいて
最後にそうだったのかとわかったような
そんな気分になる映画でした。

自分なりの考えを文章に纏めてみると
観ていたときには気付かなかったことがたくさん見えて来ましたが、
制作者側の意図や目論見はもっともっとあるのでしょうね。
by asat_abc | 2011-06-25 16:01 | 映画_新作