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「宮廷画家ゴヤは見た」又もハビエルの怪演に!

ミロス・フォアマン監督
ハビエル・バルデム、ナタリー・ポートマン、
ステラン・スカルスガルド出演

私にとって今年の最優秀作品になりそうです。
ある方のブログを読んで面白そうと思っていたが、
だいたいそんな感想は、観たあとに騙されたと思うことが多い中、
これは観て良かった、と素直に感じることが出来る映画で、
私の心と知性の両方へ響くてきました。
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舞台はスペイン、時は18世紀後半、
教会は世の中の秩序を守ろうと、異端審問を強化することにした。
その先頭にたったのがロレンソ神父(ハビエル・バルデム)だった。
取り締まり方まで教え込むのだが、たとえば、
「性器を隠しておしっこするものは割礼しているから異教徒だ」
とか、そしてそれを真に受けて民衆を取り締まる牧師達。
そんな馬鹿げたマニュアルの中のひとつだったのでしょう、ね。
美少女のイネス(ナタリー)は、居酒屋で豚肉を食べなかったばかりに、
異端者扱いされ、拷問のすえ告白させられてしまうんですよね。
拷問の仕方が、また凄いんです。
全裸にして、あれこれ肉体的にいたぶる。
そして、神の信仰が篤ければこんないたぶりぐらい
耐えられるはずなどと、無理難題を言い、
結局は告白をさせられてしまうのです。
だから、嫌疑をかけられた時点でみんなアウト、
犯人にさせられてしまうんです、ね。
この辺は冤罪犯罪が出来上がる過程と一緒なのでしょうか、ね。

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さて、イネスは獄中で全裸状態で拉致されてしまうんです。
その彼女の元へ足繁く通うのは、皮肉にもロレンソ。
彼は綺麗な彼女に欲情してしまい、身ごもらせてしまうのです。

一方、ロレンソはイネスの父親にイネスが受けたのと同じような拷問を受け、
信仰心があればなんてたわごとを言ったにもかかわらず、
数分しか耐えることが出来ず、あっさり自分はサルですという署名に
簡単にサインしてしまい、国外へ逃げてしまうのです。
如何に信仰心のいい加減なものか。



ところが、15年後ナポレオン軍が、王政から人々の開放を唱え
スペインへ侵攻すると、なんとロレンソが全権委任者としてやってくるのです。
しかし、それも長く続かず、やがてナポレオン軍は各地で敗走、
スペインにはイギリス軍が入ってきて、とうとうロレンソも捕まっちゃうんですよね。
ここからが、私の心にグッと来た所で、
スペインの宗教の長に再び改宗すれば命は助けるという
オファーを受けるんですが、
当然の如くそれを受け入れるのかと思っていたら、
死を選んじゃうんですよね。
これは意外でした。

つまり、彼も世の中に翻弄されつつ、
色んな事を学び、その中で自分の信じるものを作っているのであって
ただ単に変節している訳ではないと言いたいのですよね。
こちらとしては
悪い奴なら徹底的にワルでいて欲しいのに、
それは思想の違いでそうなっているだけだと、
この監督フォアマンは言いたいのでしょうね。

こんな風にとてもとても考えさせられる
とても重く とても濃く テーマ性の高い 傑作でした。
by asat_abc | 2008-09-27 20:57 | 映画_新作
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