「ヒューゴの不思議な発明」映画ラブ

3D作品を何作か観たが、
今までの中で一番奥行きや立体感が見事で、
その美しい映像を観るだけでも一見の価値が有るし、
物語の内容が
映画創世を支えたジョルジョ・メリエス氏を讃える内容の映画ラブの話だけに
映画ファン必見の作品です。


物語はあるひとりの少年ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)が
老紳士に一冊の手帳を取りあげられたことから展開していく。
少年はパリのモンパルナス駅に住み着いている孤児で、
父親は不慮の事故で亡くなり、
駅の時計係をしている飲んだっくれの叔父に引き取られて以来、
駅の裏部屋に住み着いている。
今ではその叔父も何処かへ行ったっきり帰ってこない。
老紳士は駅中でおもちゃ屋を商っている。
そんなある日、
老紳士は自分のおもちゃ屋へ紛れ込んで来た少年から手帳を取り上げる。
その手帳は少年と亡くなった父親を結ぶ大切はもので、
少年が父親と手直ししていたからくり人形の設計図が載っていたのだ。
少年は返してもらうために、老紳士の家まで押しかけ、
そこで老紳士夫婦に育てられている少女
イザベル(クロエ・グレイス・モレッツ)と知り合う。
駅周辺には多くの孤児がいて、彼等を取り締まる警察官がいる。
警官(ジュード・ロウ)は彼等を捕まえては孤児院へと収容していた。
少年は警察官の目をかいくぐりながら、
駅中で何とか生活を続ける毎日をおくっている。

こんな設定がわかりやすく説明される。
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ここからどの様な展開になるのか、
この段階で私は
実は少年と老紳士とは縁続きの関係で、
最後にそれがわかり、
可哀想な身寄りのない少年が
ハッピーエンドになるというありふれた展開を予測してしまったが、
まるっきり裏切られてしまった。
ここから老紳士ジョルジョ氏への賛辞が始まっていく、
なぜなら彼こそは映画創世の立役者の一人ジョルジョ・メリエス氏なのだから。
二人の接点となった、からくり人形は
映画制作を手掛けていたジョルジョ氏が作り出した物だった。
彼はもともとマジシャンで映画の魅力に取り付かれ映像制作の世界に入り込み、
ストーリーのある映画を自前の世界最初となる映画スタジオで作り出したのだ。
メリエス氏は元マジシャンのテクニックを活かし、
今でいうSFX的なテクニックを馳駆し、アクション映画を何本も制作し一世を風靡した。
だが、アクション映画の衰退とともに、
当時のちゃっちいSFXに一般大衆は見向きしなくなってしまった。
その余波でメリエス氏の映画制作会社は倒産、
この業界からすっかり身を退いてから何十年もたっていた。
ヒューゴ少年がかつて自分が作った、
からくり人形の設計図が載ってある本を持っていておどろいたのだ。


マーティン・スコセッシ監督はここから更には、映画ラブのストーリーを奏でていく。
映画が好きな人なら嵌ってしまうテイストだ。

老紳士役のベン・キングズレーの感情を抑え気味の演技が
世の中から弾き出された男の悲哀をあらわしている。
ヒューゴ少年役のエイサ・バターフィールドは
まだ世の中にすれていない少年をピュアに演じ、とても可愛らしい。
少年を助ける少女には
クロエ・グレース・モレッツ、すっかり売れっ子になった。
彼女、近くからみるともう思春期か?と思わせるが、
全身の姿を取ると、まだまだ少女なんだな、
と幼さに気付かされる。
それと浮浪少年達を孤児院送りにする少しイケずな警官にはジュード・ロウが出演している。



感動的作品であるとともに、映画ラブを深く感じ、満喫出来る映画だ。
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by asat_abc | 2012-04-19 06:31 | 映画_新作
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