「ザ・ウォード」と「ラビット・ホラー」雑感

「ザ・ウォード」はジョン・カーペンター監督作品だけに
観るかどうか、かなり迷った作品です。
なんでかと言えば、ただ単にホラーは苦手だからなのですが。
でもこの映画ホラーじゃ有りません、
正しくはサイコサスペンスです。
だから批評でもかなり良い評価を得ていたのでしょう。
時代背景は1970年代ぐらいなのでしょうか、
ひとりの女性が一軒家を放火した結果、
精神病院へ収容されてしまうところから始まります。
彼女の収容された特別病棟には数名の女性患者がいます。
いつも縫いぐるみを片手におどおどした少女、
高圧的な女性やみんなから蔑まれている女性などなど
彼女達の存在こそがある意味この映画のテーマなのです。
最初にホラー的な現象、つまり、不気味な仮面を被った老婆が現れたのは
みんながシャワーを浴びているシーン。
なぜ?、監督の意図は?
個人的にはファンの気持ちを掴んだ良い演出だと感謝しちゃいました、
必然性は欠けていると思いましたが。
老婆の出現する機会は徐々に高まり、怖さのボルテージは上昇一途、
ホラー嫌いには酷なシーンが続くのでが、
何か違和感があるのです。
主人公の女性に都合の良い設定なのです。
普段は警護が万全なはずの特別病棟だというのに、
彼女が逃げようとするときに限って誰もいないのですから。
良くあるご都合主義ではないはず、
なんせ名匠が作っているいるのですから。
そして謎解きを聞いて
全てが氷解しました。
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謎解きサスペンスがお好みの方にお勧めです。

さて、もう一本の「ラビット・ホール」とよく勘違いされる「ラビット・ホラー」の方は
ようやくブレイクし始めた、満島ひかり主演作品で、
これもサイコサスペンス映画でした。
時代は現代、
聞き取ることは出来るが、話すことが出来なくなった人魚姫のような女性、
それがひかりちゃんの役どころです。
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彼女には弟がいて、彼が瀕死のウサギを殺すところがオープニングです。
この事件が起こって以降謎のウサギが突然現れ
弟を異空間に誘おうとします。
ひかりちゃんは大好きな弟を何とか救おうとするのですが、
そのうち、話のつまがあわなくなってきます。
この辺が話の核心部分です。
脈絡が無くなるのは当然の事、
総ては彼女が作り出した妄想だったのですから。

ふたつの映画はホラーというより、サイコスリラーに分類される映画でした。
倫理観や道徳観を守ろうとする人間の精神を題材にしています。
人間は自分に都合の悪い事があるとどの様に反応するか。
誰にでも消してしまいたい過去はあるはず。
その事実を知っている人を無意識に遠ざけ、忘れようとしているはずです。
だけど精神を取り乱す程の過去ならば、自分と闘ってみなければ、
ということなのでしょうか。
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by asat_abc | 2011-10-28 06:40 | 映画_新作
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