「七つまでは神のうち」、良く出来た推理サスペンス
おどろおどろしいショートショートストーリーの始まりだ。
それらの話には脈絡が感じられず、まるで「世にも不思議な物語」のような話し出しだ。 三宅監督なんだから当然か? 第一話は 日南響子が演じる繭という心を閉ざしだ高校生の話から始まる。 彼女、気が弱い、何かに怯えているようだ。 父親に付き添われ行動していると、 身の周りに不審な車が現れる。 何気なく窓から車内を覗いてみると 目隠し、猿ぐつわされ、縛り上げられた少女が捕らえられている。 父親とその車を追っていくが、逆に追われるはめになり。。 ぶっときれて、次の話。 両親が留守をする事になった小学校高学年のいとこの男の子 その面倒を見にきた高校生ぐらいの眼鏡っこの薫、 あどけない藤本七海が演じる。 彼女は何かをその家の納戸から感じる。 そこにはたくさんの人形が置かれているが、不思議な印象を醸し出す市松人形が一体ある。 関わるまいと避けているのに、向こう側から挑発してくるような気がする。 留守にしていたおばさんから電話がきたのでその人形の事を聞いてみると、 そんな人形など置いていないと言うのだ。 その時何かが少女を襲い、そして少女は消えた。 また脈絡もなく次の話が直ぐ始まる。 信心深い真奈、彼女には小学校低学年の娘さくらがいる。 その娘が日曜に友達とハイキングへ行くというが、胸騒ぎを感じる。 お守りを持たせるが、悪い予感は当たってしまう。 娘はハイキングへ行ったっきり失踪してしまう。 家の前に持たせたはずのお守り落ちている。 そんな不気味さを放ちながら 次の話は、映画のロケシーン、ホラー的な映画のの撮影という設定で 一度観客を驚かせ、緊張感を抜いてくれる。 だが、この映画の本題に戻って行く。 飛鳥凜演じる女優の卵、麗奈がロケ現場の廃校に取り残されてからの話で、 一気にバラバラだった事件は繋がってゆく。 今までの4つの断片的な話はPSDという心因的な病気の為に誇張された話だった前置きしながら、 一本の筋書きへと映画を進めてゆく。 この廃校の地下室に繭と薫は捕らわれていた。 麗奈は二人を助け出す。バラバラだった4つのうち三人が顔を合わせた。 彼女達はこの小学校の同級生だったのだ。 彼女達を狙う見えない敵から逃げ出そうとした時、 麗奈と薫は残虐な方法であっさりとジ・エンド 残されたのは日南響子演じる気の弱い娘、繭だけになった。 三人のうちどの子を残しても良い設定に出来るだけに 日南響子が残ったのは、監督の好みか? それとも深い理由があるのか? 良くわからないが話は進む。 繭は予感めいた感じを抱き、ある洞穴へ向かう。 ここからがこの事件の解決編だ。 7つぐらいで失踪した、さくらの事件に三人は関与していたのだ。 三人はさくらをイジメいた。 もうイジメは止める、これからは仲直りしようという名目で ハイキング連れ出してやって来たのが この洞穴だ。 ここで再びさくらへのイジメが始まる。 そしてさくらが土砂に埋もれるという不慮の事故を誘発させてしまったのだ。 土砂に埋もれたさくらを見捨て 彼女達は何食わぬ顔でその場を立ち去った。 霧島れいか扮する真奈というさくらの母親は さくらの死を一度は七つまでは神のうちという 七才になるまで子供は神からの預かりもので神隠しにあっても我慢しなければならない という昔からのお告げで納得しようとしたものの、 納得しきれず、事件の真相を追い続け 彼女達三人の犯行に行き着いたのだ。 そして最後に残った繭に自分の娘さくらがされたように土砂の中に埋めてしまう。 そして「助けて」という繭の必死の叫びを後にして洞窟から出て行く。 おどろおどろしいショートストーリーのおしまいは余りに残酷。 こんな風に行方不明者は発生して行くのだ。
by asat_abc
| 2011-09-12 21:42
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