人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「英国王のスピーチ」、手に汗握るこのスリル

今年洋画では6本目のパンフレット購入作品。
サスペンスでもないのに手に汗握るドキドキ感は流石アカデミー作品賞です。
「英国王のスピーチ」、手に汗握るこのスリル_c0146834_22534249.jpg


ジョージ6世のお兄さんエドワード8世が既婚女性の為に
王位を棄てた事は聞いた事がありましたが、
ジョージ6世が吃音だった事は知りませんでした。
ましてや、何度も何度も吃音のせいでスピーチを失敗し惨めな思いをしていた事を、
この映画を観て、初めて知り、一緒に落胆しちゃいました。
日本だって天皇が同じような失敗をしていたら、
いち日本人として自分の事のように
情けない気持ちになるんでしょうね。
国王や天皇には我々の象徴として
威風堂々としていて欲しいと思うのは
私だけではないはずですよね。

幼い頃から吃音持ちのヨーク公(コリン・ファース)は
イギリス王の次男として生まれた。
兄エドワードは何故か熟女、人妻が大好きで、
兄のスキャンダルを国民は面白がる反面、
王として戴く事に不安を感じている。
だからヨーク公はなおさらしっかりせねばと思うのだが、
思えば思うほど吃音はヒドくなり、
人前で原稿を読み上げるだけのスピーチもままならない。
ヨーク公の悩みを妻のエリザベス(ヘレン・ボヘム・カーター)は痛い程わかっており、
ヨーク公の治療の為に名医を探しまわる。
だが、名声を持つどんな医者もヨーク公の吃音を治す事が出来ない。
そんな時いっかいの言語聴覚士ライオネルの噂を聞きつけ
藁をも掴む気持ちで治療を受けさせる事にする。
ところがこの聴覚士さん、オーストラリア人の上に売れない役者の副業ときているから、
のちのち伝統の国イギリスでは大問題になる。
こんな風に書けば、まるで偽物を掴まされ、
とんでもない展開になるのかと思いきや、さにあらず。
外科的治療が必要な場合は確かに専門家の世界だろうが
心因性のものなら、素人だって大丈夫だ、よね。

ヨーク公を愛称のバーディと呼んだり、
二人を平等だと言い切ったり
今までのおべっかい使いの言語聴覚士達とはまるっきり違うものだから、
ヨーク公やエリザベスは戸惑っていまい、
怒り出してしまう程。
王族だからといって遠慮することもなく、
ずかずか土足で心の中に入りこんでゆく。
だが、これこそが、治療に必要な事立ったのだ。
でも結果を出さなければ、信頼は勝ち取れない。
ガンガン音楽の聴こえるヘッドホーンをかけさせ、
ヨーク公に文章を読み上げさせ、それを録音するライオネル。
あ〜ら、不思議!
スラスラ読み上げているではないか。
こんな実績を示しながら、
ヨーク公の心の闇に迫っていく。
するとヨーク公の過去に受けてきた痛手が露わになってくる。
幼い頃から両親の高圧的で威圧的な教育に
プレッシャーを受けていた上に
乳母にもイジメられていたのだ。
さらには兄にも、どもった真似をされていた。
そんな事が二人の治療という交流でわかってくる。
そしていよいよクライマックス、
第二次世界大戦でのドイツへの宣戦布告のスピーチへと流れ込んでゆく。
既に兄エドワードは退任し
ヨーク公は王位を譲り受けは、ジョージ6世となっている。
国民に宣戦布告のスピーチをするのはジョージ6世しかいない。

この場面、失敗しないかハラハラし通しだ。
アカデミー主演男優賞を受けたコリン・ファースの魅せどころだ。
まるでサスペンス映画を観るかのように手に汗握って見ていた。
結果は、是非観て確かめて欲しい、
歴史に残る一本だ
とだけ、記録しておきます。
by asat_abc | 2011-09-05 21:36 | 映画_新作
<< 「この愛のために撃て」、ヒット... 2011年鑑賞作品を振り返る >>