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ウッディアレンの 「人生万歳!」

監督:ウディ・アレン
出演者
主人公ボリス:ラリー・デビッド、
メロディー:エヴァン・レイチェル・ウッド、
メロディーの母マリエッタ:パトリシア・クラークソン
メロディーの恋人ランディ:ヘンリー・カヴィル
91分、2009年制作
アメリカ映画
アルバトロス・フィルム配給


主人公の物理学者であるボリスは昔ノーベル賞候補にのぼったほどの人物だったが、
今はしがないヤモメ暮らし、
数年前に自殺した際、今までの暮らしや妻との生活ともすべて決別し、
いまでは汚いアパートで一人暮らしをしている。
何が彼をそうさせたのか、
サラッと流されているが
永年人生というやつと付き合って来た人ならば、
その気持ちがわかるんではないでしょうか。
今では数人のけったいな友人達と
世の中について適当な批判を言い合いながら、
悠々自適に生活している。
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そんな彼の前に田舎から都会に憧れて家出して来た若いかわいぃ娘メロディーが現れる。
あれこれ邪険にするものの根が優しいボリスさん、
メロディーを部屋に住まわせてしまう。
だからといって年の差が石田純一と東尾理子どころか
新垣結衣ほどの差がある上、
石田純一というには程遠い角野卓三似のお顔では恋愛関係などにはなるまいと思っていたら
意に反して結婚にまで至ってしまう。
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彼には天才的に頭が良いという特技があった。
人を大きく上回る何か特技があれば、
新たな展望が拓かれるようだ、
ホンとかなぁ?
自分自身に自信を持てないメロディーにとって
ボリスは心の支えになっていたのだ。
だから、何か言った後、私の主人がそう言っていたんだもの、
などと心の中でつぶやく。

若い自分に自信が持てない、
でもかわいぃと自覚している女性の方々は
自分を磨くために数年間、中年の男性と過ごしてみるのは如何でしょうか
世の中は賢く思いやりのある女性が多くなり
優しく慈愛に満ちた母系社会なるのではないでしょうか(笑)

さて、この映画に更なる展開を開いてくれるのもメロディーの方、
それは彼女のお母さん、マリエッタ。
マリエッタはニューヨークまでメロディーを探しに来るのですが、
その動機の半分は自分の為で、
浮気している夫と決別する為でもあるのです。

彼女は突然メロディーの元を訪れます。
どうやって見つけたのなどと野暮なことを考えちゃぁいけません。
ある日突然二人の住む汚いアパートへ登場します。
そしていきなり卒倒してしまいます。
そりゃそうですよねぇ。かわいぃ娘が自分より年上の汚いオヤジと結婚して暮らしているなんて言われたら。
だが、このマリエッタお母さん、順応性が凄いのです。
ボリスの友達たちと仲良くなるや、
自分の才能に目覚めカメラマンの道を歩むばかりか
自由を極める為に自分の感性に任せた
奔放な生き方へ突き進んで行くのです。
ついこの前までは夫の支配下にあった貞淑な妻だったのに、
今や男性二人と同衾する女へと
自由に目覚めてしまうのです。
続いて奥さんを追ってきたマリエッタの旦那さん、
妻の豹変ぶりについていけませんが
意気消沈したバーで男性に慰められ、
自分の眠っていた感覚、同性愛に目覚めてしまいます。
こころの中に眠っていた本能が露わになっていき
つまらなかった日常が輝いた日々に変わってゆく人もあれば、
その逆の方向にいく場合もあります。
歳の差の結婚はやはり自然の摂理にはハズレています。
ボリスとメロディーの結婚生活に破局がきます。
メロディーの方が歳相応な自然な恋愛をしたからです。
ボリスとしては覚悟が出来ていたことですから
すんなり受け入れるのですが、
メロディーへの愛情という厄介な気持ちの整理がつかずに、
再びビルからの飛び降り自殺を図るのですが、
偶然ぶつかってしまった女性と運命の出会いをして、
めでたしめでたしです。

ウッディさん、
ちゃんとしめっくくりは明るくなるように
考えてくれていますが、本当の世の中はもっとシビアですよねぇ。
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コメディタッチで薄口仕上げの映画ですが、
色んなエッセンスが仕掛けられていて
噛むほどに味が出てくる映画でした。
by asat_abc | 2011-05-28 13:37 | 映画_新作
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