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「somewhere」、心を澄まし感性で観ましょう

ソフィア・コッポラ監督
出演
ジョニー・マルコ:スティーブン・ドーフ、
娘クレオ:エル・ファニング
98分、2010年制作
アメリカ映画
東北新社配給

特にストーリーらしいストーリーはない。
ソフィア・コッボラ監督が感性で描いた心で観て楽しむ映画だ。

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映画スターの主人公ジョニー、
スター目当てで彼の周りを浮遊する人々、
そして一緒にいるだけでずっしりと心に染み込んでくる娘クレア。
三者の関係を「はんなま」に近い状態でドキュメンタリー風味で作品にしたような感じだ。
だから胸に響く人には至極の映画だが、
ストーリー重視の人には怪訝な感じを残す映画だろう。
はっきりいってこの映画は人を選ぶ。
作品から受けるイメージはまるっきり違うが、荻上直子監督作品に通じるところがある。
同時に映画スターとスター監督の違いはあるが、彼女の父フランシス・コッボラとの昔の思い出も含んでいるのだろう。
雰囲気だけいえば、
最近観た「ソフィアの夜明け」が似ている感じだ。

この映画で私のお気に入りは、娘クレオを演じているエル・ファニングの可愛らしさだ。
今年は彼女ぐらいの年齢の可愛らしい女の子が活躍した作品を3本観た。
キック・アスのクロエ・グレース
トゥルー・グリッドのヘイリー・スタインフェルド
この映画の、エル・ファニング
空虚な父親を引き立たせるなら彼女、エルがいちばん似合う。
彼女の、
娘と一緒だというのに部屋に女を引き入れる父親の非を責めようか責めまいかと一瞬悩んだ末に
何事も無かったように無邪気そうに許してしまう
その母性とも思える仕草にはグッときてしまう。
少女の中に女を見せたかったと思った瞬間に無邪気そうな娘に変身したのだ。
さて、感想ばかりダラダラ書き並べたが、ストーリーは奇怪なシーンから始まる。
スポーツカーがコースを1周、2周、3周。。。たしか、5周回ってようやく車から出てくる。
彼はホテル住まい。
夜は取り巻き達とパーティーだ。酔っ払って階段で転び腕を骨折、パーティーは自重、変わりに部屋に宅配ストリッバーを呼んで楽しもうとするが楽しくなく、眠ってしまう。
そんなおり、彼の前に母親が娘を預けにくる。
彼らが既に別れているのか、まだ夫婦なのか、説明はない。
預けられた娘クレオの習い事、フィギュアスケートの練習を見に行く。
クレオが三年も前から習っていたことを初めて知る。
一度は、自宅へ送り届けたが、翌日クレオが再びやってくる。
クレオとゲームで戯れる。
母親からサマーキャンプが始まるまでの期間面倒を見て、キャンプ場へ届けてくれるように任される。
引き受けさせられたジョニーはイタリアでの仕事にクレオを連れて行く。
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あてがわれたプール付きのスィートルームで楽しむ親子。
クレオを眠らせた後に女を連れ込むジョニー、翌朝三人で一緒に朝食を取る。
ロスに帰る頃にはすっかり名実ともに本当の親子だ。
ロスのホテルでの夕べ、一緒に弾き語りギターを聴く、聴きながらクレオはジョニーにもたれかかり、眠りにつく。
娘の「無私」の状態を受け止めるジョニー。
二人の関係で、ジョニーの精神バランスは微妙に崩れ始める。
ソフィアが訴えかけたいのは一体なんなのか?


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私が一番好きなシーンはギターを聴きながらジョニーにもたれかかって眠るシーンだ。
外人は人前で寝顔を見せるのを一番嫌がるという事を聞いたことがある。
クレオがジョニーとの共同生活を通して父親を心から自然に頼りにし始めたシーンだと直感的に感じた。


パーティーで共演女優とおぼしき女と会場を抜け出しエッチを始めようと、ジョニーの顔か胸元から下腹部、そして。。。。しばしの沈黙、女の怒った声。
ジョニーは寝てしまっていた、彼の放蕩ぶりを明らかに示すシーンだ。

一つ一つに何かのメッセージと何かの繋がりを持っていそうだ。
この手の映画は自分の心のツボにハマるかどうかだ、映画館で確かめて下さい。
by asat_abc | 2011-04-13 07:11 | 映画_新作
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