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「彼女が消えた浜辺」、最後にようやく納得

アスガー・ファルハディ監督
ゴルシフテ・ファラハニ、タラネ・アリシュスティ出演
116分、2009年制作
イラン映画
ロングライド配給

イランの心理サスペンス映画。
この映画を理解するためにはイランの男女交際に関する倫理観の素養が必要だ。
そうでなければ、終盤での主人公達7人のうろたえ方に違和感を覚えるだろう。
私も観た時は、主人公が何故これほど狼狽えるのか理解できなかった。

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セピデー等一行はカスピ海沿岸へ3泊のバカンスへ出かける。
そこで無理に誘って連れてきた未婚のエリがいなくなり彼女を巡っての事件が起きる。
エリを誘ったのは世話役のセピデー、参加者は彼女の夫と二組の家族、
そして離婚したての男で大人8人、それに子供三人だ。
楽しいバカンスになるはずだったが、子供が一人溺れてしまい、
それと同時にエリが失踪してしまう。
彼女の失踪は溺れる子供を助けようと彼女自身が溺れてしまったのか、
それとも一泊したら帰ると言っていたので、無断で帰ってしまったのか?
サスペンス仕立てで、彼女に関する事実が明るみになってくる。
この作品をもっと分かり易くするにはセピデーとエリの仲の良さを強調しておくか、
セピデーが強烈なお節介やきで、かつ、エリが優柔不断で巻き込まれてしまった描写があれば、、、、
あるにはあったが、、、、
宿が一泊しかとれていなかったけど無理やり旅行を決行したのは確かセピデーだった、
だけど可愛らしい上品そうな顔立ちが邪魔をして
アクの強さを出ていなかったと思う。


さて、映画は進む。
エリの身元がわからない事がわかる。
ようやくわかったと思ったら彼女には婚約者がいた。
エリの婚約者がセピデー等の前に姿を現した時の7人の動揺の仕方、
彼らはイランという国の倫理観を背負っているから、自国の人達が観たら共感できるのだろう。
特にセピデーの動揺の仕方は尋常じゃない、紹介された男も怯む。
それにもまして婚約者の怒りは激しい、
屈辱的な行為をされたということだろう。
今の日本、この辺の感覚はとても緩い、だから違和感が、とてもあった。


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結局エリはどうなったかといえば、オーソドックスに溺れてしまっていた。
泳いでいる子供を見ていてと頼まれたのに、
浜辺で遊ぶ子供達と一緒に凧上げに夢中になって、
気が付いた時には溺れかけていて、泳げないというのに、
責任感から何とか助けようとして、自分だけ直ぐ溺れてしまった、
なんと可哀想な女性だろうか。
by asat_abc | 2011-04-02 16:29 | 映画_新作
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