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「唐山大地震」母の悲痛な叫び

フォン・シャオガン監督
シュイ・ファン、チャン・チンチュー、リー・チェン、チェン・ダオミン出演
2時間15分、2010年制作
中国映画、松竹配給


引き裂かれた絆、32年の時を経て再び重なりあう家族の思い、
試写が始まる前唐突に壇上から男の声が。
宣伝を担当している彼が言うには、この映画は催涙弾映画と呼ばれているなどと説明している。
そんな言葉を冷ややかに聞き流しているうちに、作品が上映され始めた。

1976年、北京近くの唐山市に住む、ダーチアンとユェンニー夫婦、
二人にはドンとダーという女男の6歳になる双子の子供がいて、4人はとても仲の良い家族だ。
一家の団欒、ダーが食べたトマトをドンは欲しいと母のユェンニーにねだるがもう無い、
明日買ってあげるとなだめすかす。
その夜、大地震が襲ってくる、偶然両親は外に居たが、子供達は部屋で寝ている。
母は必死に二人の元へ行こうとするが、既に5階建て程のビルは崩れかけている。
危ないと母を庇った父に何かがぶつかり倒れ息絶える。

夜が明け、被害の大きさが明らかになる。母は瓦礫の中に子供達がいないか探し回る、
すると救助している者達から子供がいると声があがる。
しかし、事態は深刻、二人とも瓦礫の下、それも両端にいて、
一方を持ち上げるには片方に力が掛かり、一人しか助ける事が出来ないのだ。
救助している者達からどちらを助けるか、直ぐ決めなければ瓦礫が崩れ落ちると決断を迫る声が。
二人とも助けてと何度も何度も頼むものの、最後には切羽詰まって力なく男の子をと。
朦朧とする意識の中で二人の子供達もその声を聞いていまう。
瓦礫から二人は出され、一方は片腕を失う。
もう一方は死体置き場で父親の横に置かれる。
雨と喧騒の中、
死体置き場に置かれた子供は息を吹き返えす。
収容所でドンは養女となって違う町で育てられる。
養父母には記憶を失った事にし、一切の過去を封じ込める。

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それから歳月が過ぎ、
母に育てられたダーは事業家として成功し嫁ももらい
母に新しい家を買ってあげようとするが,
母は今のままが良いと言うばかりで受け付けない。
彼女は震災後に移り住んだ手狭な家で失ったモノを噛み締めながら生活することが供養だと思っている。

一方ドンは医大に進みそこで知り合った先輩と恋に落ち妊娠するも、
相手が中絶を望むため別れることを決意、
大学もやめ、誰にも言わずシングルマザーとなり子供を育て、
やがて知り合った外国人の弁護士と結婚しカナダで生活する。

流れるように淡々と進んでいた家族のその後は
2008年の四川地震で重なりあう。

四川地震を知った双子の兄弟はいてもたってもいられず救援に駆けつける。
二人は唐山救援隊という名に引きつけられ、姉が名乗り出る。
母の家へ足を踏み入れたドンにユェンニーはそっとトマトを差し出す。
32年のブランクが無くなる瞬間だ。
ユェンニーは我が子ドンにひたすら謝り続ける。
自分の発した一言の重さを責め苛み、
地震後の彼女の心は砂漠となりどんな潤いも受け付けないでいたのだ。
ドンも自分が拘っていた言葉の意味を考え直し、ユェンニーを許す事が出来たのだ。

今年上半期一番の映画になると思う。紹介通りの催涙弾映画だ、是非観た方が良い。
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by asat_abc | 2011-02-26 23:45 | 映画_新作
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