「我が至上の愛 アストレとセラトン」
今年劇場観賞一本目です。
これを最後に引退を表明している エリック・ロメール監督作品で、 彼が人生の最後に行き着いた至上の愛の形を描いた作品です。 老齢監督の作品なので変な力か入っておらず、 心と体をリラックスさせ、 途中でBGMの心地良さに眠っても良いと思うぐらいの気持ちでないと、 観ていられなくなってしまうと思います。 気分が急いているときは、ドンヨリと進むスピードにイラツクでしょうし、 気分が高揚している時は、とんだ喜劇に思えるでしょう。 万人に受ける作品ではないのです。 時は4世紀のローマ時代、 セラトンはアストレへの一途な愛を疑われ、 自分の前に姿をあらわさないでとまで言われ、 河に身を投げた。 一命を取り留めたものの彼女の言葉がのしかかり、 彼女の前に姿をみせれなかった。 そんな事とは知らないアストレは彼の事が忘れられない。 そんな彼等を気遣い、僧侶がセラトンに女装させ、 二人を引き合わす。 嫉妬深そうなセラトンの従姉妹と名乗る女性の存在もあり 二人の行く末は、どうなることやら。 セラトンの行動は 我々の時代では考えられないものです。 一度死のうとまでして助かった命、 先ずはアストレに生きている事を知らせ それでもまだ嫌っているのかどうかを 確認するのが普通だと思うのですが、 セラトンは頑なに彼女の言葉を信じて会おうとしません。 このへんが理解に苦しむ所なのですが、 この老監督は 相手を一途に思いやる事の尊さを説いていたのだと思うのです。 自分の気持ちを伝える前に 相手の気持ちを思い遣る献身的な心遣いこそ至上の愛なのだと。 まぁ万人受けする作品ではないので、 観ようとする方は覚悟して劇場へ向かってください。
by asat_abc
| 2009-01-21 23:13
| 映画_新作
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