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ネタバレバレでゴメンナサイ!「東京家族」

今年度206本目
妻夫木聡、蒼井優、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵

山田洋次、監督50周年記念作品、小津安二郎監督にオマージュを捧げる作品

瀬戸内海に浮かぶ小島から東京に住む三人の子供達の元へ老夫婦(橋爪功、吉行和子)が東京に住む三人の子供を訪ね上京して来る。長男(西村雅彦)は西東京で開業医、妻(夏川結衣)と男の子が二人。長女(中嶋朋子)は下町っぽい所でクララ美容院を経営、夫(林家昭蔵)と二人。二男(妻夫木聡)は舞台美術関係の仕事をしている。家族水入らずの再会も束の間、直ぐに生活リズムの違いから軋轢が生じてくる。救いは二男の婚約者紀子(蒼井優)、母親のとみこと直ぐに打ち解ける。だが、とみこは長男の家に戻ると突然倒れ、帰らぬ人になる。淡々とした展開から突然の禁じ手で観客の心を揺さぶってくる。瀕死の母親に対する二男のけなげで、魂から絞り出すような悲痛な叫びに心打たれる。そこから予告編でも流されている、病院の屋上での父親との掛け合いのシーンになる。ここは予想より淡泊、もっとじっくり観客の心を鷲掴みにしても良かったと思う。母親が亡くなっている病室で長女が母親の葬儀の準備の話しをし始めるシーンは超リアル、その気持ちはわからないではないが。。。更に田舎での葬儀が終わった後、形見分けを求める長女には怒りさえ覚える。
中嶋朋子さん、流石に芸達者だ。仕事にかこつけ東京へ帰って行く長男長女、残ったのは次男と婚約者紀子だ。ここで救ってくれるのは優ちゃんだ。父親が紀子の性格をしっかりと理解し息子を託すという、父親と義理の娘とのシーンは、娘を嫁がせる父親の複雑な気持ちと同じ程度、感動的なシーンだ。
ベースになっているのは小津監督の「東京物語」、二男の嫁が未亡人だとか、田舎に三男と次女がいるとか、微妙な設定が違うだけで、ほぼリメーク。
家族だと関係が濃過ぎてお互いに甘えが出てしまう。ちょっと離れた関係の方が節度有るつき合いが出来て良いのだろうか、それともちょっと冷たい家族関係を描きたかったのだろうか。それとも出来が良く親にとって良い子供より出来の悪い子供の方が情愛は深いということだろうか?
人の世とは悲しい社会のようだ。

水準以上で良い作品だが、もう一つ何かが足りない。 B+の88点。
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by asat_abc | 2012-12-19 06:33 | 映画_新作

「ドラゴンゲート」、ジェット・リー大活躍

今年度204本目
ツイ・ハーク監督
ジェット・リー、ジョウ・シュン、チェン・クン
実に賑やかなアクション・アドベンチャー、昔風に冒険活劇と言った方がわかりやすい作品。

中国は明の時代のお話し、役人と言えば汚職官僚が跋扈している時代にジェット・リー演じる義賊や彼を付け狙う腐敗官僚、更には盗賊軍団が加わって、砂漠に沈み60年に一度数時間だけ姿を現す幻の宮殿の財宝を巡り、その近くに位置する宿屋で大活劇がくりひろげられる。中国でも女性が大活躍する時代のようで女剣士が何人も出てくる。ジェット・リー演じる主人公を慕う宿屋の元女主人のリン、盗賊団の女ボス、情報屋の用心棒をするアマゾネスのような女剣士。そして宮廷から逃げ出して来た身ごもっている女、実はこの映画、彼女の逃走が発端となって始まっている。かなりキャラがたった女優軍だが、男もジェット・リー演じる義賊を始め、敵役の政府高官とその右腕ともいうべき男、地方官吏、更に盗賊団の野獣のような男、それに(敵の高官とソックリな)情報屋、主要メンバーだけで10人もいて賑やかで、何が何だかわからなくなってくる。集中しなきゃ、と思っていたら、隣ではお爺さんに連れられた小学校低学年の孫が内容についてこれずに何度も聞いて話し声が気になるし、前の席からはでっかいイビキが聞こえてくるし、席の周りでも賑やかこの上ない
状況だ。もう少しシンプルに、そしてご都合主義的などんでん返しを説明つけてくれないと、と不満が残った。


本来の3Dじゃなかった点と、ごちゃごちゃな展開を差し引いて平均的な80点
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by asat_abc | 2012-12-15 22:52 | 映画_新作

「グッドモーエビアン」、今年の200本目

今年度200本目
大泉洋、麻生久美子、三吉彩花、能年玲奈

キャッチフレーズはロックじゃなけりゃ家族じゃない!

中学三年生の娘ハツキ(三吉彩花)が自分の目を通してロック命のヤグ(大泉洋)とアキ(麻生久美子)の両親から生きていく上で大切なものを学ぶお話し。正確に言えばヤグは父親ではなく生まれた時にもう既にいた母親のパートナーだ。数年前に放浪の旅へ出たヤグが久々に名古屋の二人の住むアパートへ帰ってきた。ヤグ、実にテキトーな生活ぶりだ。だが、愛すべき人柄でもある。彼がいれば毎日が楽しく幸せな気分になれる、ハズだったが、思春期で社会との関わりに悩み始めるハツキにとっては何故か感情を逆なでる存在になってきていていた。そんな折り親友のトモちゃん(能年玲奈)と喧嘩、そのまま彼女は引っ越しすることに。その前に二人を和解させようと必死になるヤグ。彼には苦い過去が有ったのだ。
という訳なのだが、その話しはさらっと語られるだけで素通りだから、話が軽くてしょうがない。
肝心なサビの部分が省略されていると感じてしまったこの映画の採点は、かなり不満の75点。
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by asat_abc | 2012-12-11 21:35 | 映画_新作

「その夜の侍」、対峙するふたり

今年度203本目
堺雅人、山田孝之、綾野剛、新井浩文、坂井真紀

コガネ虫は溶接の光に誘いこまれて一瞬で即死する。その時放つ臭いは凄く臭い。5年前妻をひき逃げされた健チャン社長(堺雅人)は絞り出すようにいう。ひき逃げした木島(山田孝之)は、コガネ虫を一瞬で即死させるようなカリスマ性を放ちながら、無為に過ごす人達を強引に巻き込み利用しながら、毎日何となく生きている。圧倒的な暴力と威圧感で他をひれふさせる木島も人生を棄てた健チャン社長には通用しない。観るものをドキドキさせながら、健チャン社長が予告した、木島を殺害の日がやってくる。そして二人が、台風の嵐の夜対峙する。お互い、殺意を剥き出しにしながら。
笑いなど全然無縁なストーリーなのに、全編どこか間が抜けていて、失笑がこぼれてくる。

余韻冷めやらぬ今の段階での評価はB+の89点だが、半年後相対的に再評価し直した時、アップする作品だと思う。
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by asat_abc | 2012-12-08 18:39 | 映画_新作

ネタバレ「カラスの親指」、衝撃のラストとは

今年度199本目
阿部寛、村上ジョージ、石原さとみ、能年玲奈、小柳友
この映画を観ようと思っている方はネタバレです。これより先は読まないで下さい。


カラスとは詐欺師の事。阿部と村上はカラスの仲間。その二人の家に石原と能年の姉妹が転がり込んで来る。ついでに石原の恋人小柳も居候だ。阿部は過去に闇金業の奴らにしゃぶられ、その仕返しをしたばっかりに彼等に追われていた。せっかく5人の共同生活が始まったというのに、追っ手にもう見つかったようだ。過去への清算と闇金の奴らへの復讐と大きな仕事を兼ねて阿部等5人は大カラスの仕事に打って出る。何だか簡単に事が進みすぎて5人の中に裏切り者が出る?いや、何かヘマをしでかす?そう思わせておきながら、しっかり成功裡に仕事は終わる。阿部の元からは石原トリオの三人ばかりか村上までもが離れていく事に。安易だ、実に安易だ。こんな結末で良いのか?、と思っていたら実はこれ、全て村上のシナリオだったのだ。
実は村上、姉妹の実の父親で訳ありだった阿部と姉妹の中を取り持つと共に、今後の娘達の人生と阿部の人生の復権を掛けて、ついでに金もしっかり頂くというアルバトロス作戦を仕掛けるように誘導したのだ。余りにも簡単に事が進みすぎて,ふに落ちない点がこれですっかり解決。もう一つの、石原さとみの謎めいて何やらいわくありげな役どころは単にお馬鹿なだけだったようです。


最後の一捻り込みで標準的出来。80点。
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by asat_abc | 2012-12-05 06:24 | 映画_新作