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Tiff「どうぶつの権利」「聖者の食事」

2012年度カウント対象外・評価対象外・TIFF参加ドキュメンタリー作品

今年も東京国際映画祭が始まっているが、その出品作、
「どうぶつの権利」は30分、
「聖者の食事」は一時間余りのドキュメンタリー映画。
はっきり言ってこの手の映画は体調の良い時でないと厳しい。
その上、事前知識無しだとよけいだ。

「どうぶつの権利」はイヌと牛とひよこの扱われ方をナレーション無しに淡々と描く。
わんちゃんは家族扱いを受け、病院にかかり、死ぬと棺にいれてもらい墓地で葬られる。
ひよこは卵から孵るとベルトコンベアーで点検され、
合格になったものは容器に詰め込まれ生育されていく。
牛は生まれたばかりの頃から育成を促され大きくなると出荷されていく。
それぞれの段階を交互にこの無声映画は写し撮っていく。

もう一本の「聖者の食事」は
インドの寺院でふるまわれる1日約10万食がボランティアの手で作られていく様を映し出す。
食を求めて群衆が寺院の大広間に一斉に集まり行儀良く座ると
そこにボランティアが食器を置き、ナンとカレーと水を配り
壮大な食事会が始まる。
食事が終わると今度は食器のあと片付け、洗い物とその様を追ってゆく。
すごいスケールだ。
この作品もナレーションなし。

騒然とした音が段々漣に変わり、眠気に襲われてしまった。

試写後、東京国際映画祭の事務局の人が出て、トークショーが始まった。
この人を何度か見た事があるが、
実に能弁に映画の面白さを訴えかけてくる。
さっき観たばかりのモノトーンで無味乾燥の映画が
天然色の貴重な宝物に感じてくる。

上映前に早く終わってくれと思うトークショーが多い中、
彼の話しこそ事前に聞いておきたい話しだった。
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by asat_abc | 2012-10-24 06:53 | 映画_新作

「ライク・サムワン・イン・ラブ」最近の加瀬亮は

不思議な映画だった。
外国人の監督が日本の役者を使って撮った映画だからだろうか?
主なキャストは三人、その1人が加瀬亮だ。
この映画を観る前にアウトレイジを観ていたせいか、
加瀬亮のヤクザっぽい役柄にはつい一言、言いたくなった。
「それでも僕はやっていない」とか「重力ピエロ」とか
「永遠の僕たち」のように繊細で内向的な役柄のイメージが
この二本のヤクザまがいの役で完全にぶっ飛んでしまった。
上手い役者さんだからどんな役だってそれなりにこなすし、
いろんな役にチャレンジしている最中なんだろうが、
はっきり言って似合わない。
この路線の役は見切りをつけて欲しい
余談だが、マチュー・アマルリックもギャング役はまったく似合わなかった。


デリヘル嬢を老境の男性(奥野匡)が呼ぶ。
彼が求めているのは裸の付き合いではなく、心の触れ合い。
大学生の若い女(高梨臨)はそんな事知ったことじゃない、
でも優しいのと役に立ちそうだから一緒にいる。
そこに、若い娘に求婚を迫るストーカーまがいの彼氏(加瀬亮)が
老人の事を彼女のおじいちゃんだと思い込んで割り込んでくる。
さて、この顛末は?

監督の趣向だろうか
中途半端に打ち切られてしまった映画のこのあとのことは
自分で考えてみてくださいとばかりに終わってしまう。



綺麗で素直そうに見えるけど
中身はわがままでお馬鹿さ炸裂のデリヘル嬢役の高梨臨にどぎまぎしてしまった。
監督からは演技指導はいらない、自分の言葉で語るようにとだけあったそうだ。
自分の言葉で語った結果の妙なリアリティは、
この娘、本当にお馬鹿ではとハラハラドキドキしっぱなし。
そうでもしなければリアリティある映像は撮れなかったんだろうなぁ、
と勝手に想像してしまった。

老人役の奥野匡は84歳、こちらの方は歳が歳だから違う意味でハラハラドキドキ。
信号待ちの運転中に居眠りしてしまう所では、
交通事故でこの映画から退場しちゃうんでは?と
いらぬ心配をしてしまった。
さぁ、このおじいちゃん、どんな結末をつけるんだろうか?

ある意味,
素人二人が作ったハラハラドキドキの映画だった。
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by asat_abc | 2012-10-22 06:22 | 映画_新作

シネマ歌舞伎「籠釣瓶花街酔覚」鑑賞記録

2012年鑑賞162本目:評価「Aクラス」
(標準が80%程度、10%程度が良いの基準)

人間歳とともに思考も志向も嗜好も代わってくる。
小さい時NHKで嫌いだったのは国会中継と歌舞伎の放送だった。
きっとあのつまらなさが蘇り、
眠ってしまうんだろうと覚悟しつつ観ることにしたが、
観て良かったと思った。
オレンジ・緑・黒のカラー、妙に長ったらしい間、独特のお囃子? 
まだまだ違和感を感じるものは多いし、
話している内容は良く聞き取れず、難しい所が有るものの、
起承転結のストーリーの骨格はしっかりしているし、
情感がしっかり味付けられ感情移入しやすかった。
見終わった後少し調べると、実話をベースに作ったお話しらしい。
佐野というから北関東の商人だったか?
吉原で八つ橋という花魁に一目惚れ、
あばた(痘痕)顔をカバーするほど散財しながら通い詰めて、
とんとん拍子に仲は深まり身請けもかなうかという時に、
八つ橋には色男がいて思いっきり万座の前で振られてしまう。
さて、この結果はどうなるやら?

話しはシンプルわかりやすい
が、
わかりやすすぎて直視出来ない程のベタな話しだが、
それを、
独特の間とわかりづらい日本語で
丁度よい塩梅に味付けしているように思えた。

これを期に本物の歌舞伎の方も観たいと思った。
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by asat_abc | 2012-10-15 06:53 | 映画_新作

「アウトレイジ ビヨンド」、たけし降臨

2012年鑑賞本数160本目、評価「標準」

せっかく月船さららが出ているというのに、
濡れ場など一切なく、背中の刺青が見れただけ。
(ちなみに、エンドロールの扱いもその他大勢のひとりで些か憤慨しています。)

だが気が着けばしっかり二時間が経過、その間に100人以上の人間が殺されていった。
名作というわけではないが味がある、
好み的には前作のように残酷シーンが多いくせにクスッと笑える方が好きだが、
かといって今回の作品も堅苦しくなりすぎることなく、
丁度良いぐらいに仕上がっていた。

前作の最後に死を匂わしていた大友(たけし)は生きていた。
彼を使ってヤクザの同士討ちを目論む刑事(小日向文世)、
彼に操られるかのように抗争しあうヤクザ達。
そんな展開が二時間繰り広げられる。
大友を裏切ったヤクザ役の加瀬亮は
まるで何かに取り付かれたように粋がるヤクザを演じる。
いつしかヤクザの親分役が似合い始めてきた三浦友和はどっしりおおように構える。
今回は特命係長とまるっきり違うシリアスな役柄の高橋克典は
ひたすらヒットマンとして撃ち殺す。

監督たけしは、人々の欲望をピストルの玉に込めて撃ちこんでいた。
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by asat_abc | 2012-10-11 20:37 | 映画_新作

「終の信託」、こうやって犯罪者はつくられる!

二時間半に及ぶ長丁場の映画、最初は医師である主人公折井綾乃(草刈民代)の身の上説明が30分ほど有り、
次にこの物語のキーマンである喘息患者江木秦三(役所広司)との交流、そして『終の信託』をされた事情が約一時間で語られる。
ここまでは二十分ぐらいの間隔で時計を確認していた。
最後の約一時間、
検事塚原(大沢たかお)と折井綾乃との壮烈なバトルは目が離せず、
時計を見ることもなく、一気の時間が流れた。

検事の調書がまるっきりのフィクションなのか、それともある程度現実に則したものなのか事実はわからないが
昨今の週刊誌からの情報だと作り物ではなさそうだ。
だから、並みの人なら大概自白させられるのだろう、
大沢たかお演じる塚原検事は本当に嫌な奴だった。
初めから逮捕状を机に忍ばせ、事実だけを語ると称して余分な反論は遮る。
呼び出された者は参考人からいつしか被疑者、最後には犯人にされてしまう。

明らかな犯罪者ならばそれでもよかろうが、
テーマの『尊厳死』ともならば、白黒よりもグレーな部分が殆どで
色の濃淡で判断する事になる。

元になる事件は川崎の病院で実際にあったようだ。
患者が死んで三年経ってから告訴されてしまう。
患者の親族への説明も不十分で、『リビング・ウイル』の意思表示も無い患者を尊厳死させたと
私が読んだ記事には書いてあったが、本当か疑問だ。
懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の評決で殺人事件時化では最も軽い判決だったからだ。
この映画の場合、
明確なリビング・ウイルの意思表示があったし、
親族へのそれなりの説明もあったのだから、検事の誘導逮捕となるのか?

伝えたい事は『尊厳死』という深いテーマに在るのは良くわるが、
映画としては終盤の検事と折井医師との尊厳死に対する応酬が面白かった。

前半部分をあと30分短く出来たらそう時計を見ることが無かったと思うが、
それでは情感を残せないのだろうか。
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by asat_abc | 2012-10-09 06:22 | 映画_新作

「闇金ウシジマくん」、借金はコワい!

上映終了間近になる頃の「闇金ウシジマくん」を観る事が出来た。
上映している映画館は何故か見終わると電車で帰って来れなくなる時間になってしまう中、
一館だけ大丈夫だったが、それでも夜遅くになってしまう。
既に観る人はもう殆どいないだろうと思っていたが、
館内は五分の入り、それなりに入っていた。

原作は漫画、主演に山田孝之、大島優子や林遺都?などが出演している。
豊かなで何でも潤沢に与えられて育った若者たちには、
闇金融がとても怖く描かれているので安易に借金するとどうなるか、
説教ぽく無い人生訓になっていて面白いと思った。
高校時代に喧嘩に明け暮れるクローズゼロに、
山田孝之が共演していたが、
彼が卒業後に金融業者として会社を設立したらこんな風になっているんだろうなぁ、
そんな設定だ。
大島優子は親の借金返済の為に安易にデートカフェでアルバイトするニート役だ。
親の黒沢あすかが地に墜ちた母親役で
娘に3Pをせがんでくる、
あすかのファンとしては観ていて少し悲しくなるシーンだ。
因みに3Pのお代は7万円、
娘が五万で母親は二万円だそうだ。

林の役柄は
学歴コネナシ男が携帯ネットワークでイベントプロデューサーとして
ビックになるためにもがくチャラ男だ。

ウシジマくんが経営するカウカウファイナンスは
お金を貸すときも厳しいが、取立の時は尋常じゃない!
それでも貸して欲しがる人は多い。
現実社会をいかばかり投影しているのだろうか。
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by asat_abc | 2012-10-02 06:57 | 映画_新作

「ソハの地下水道」、なんと表現すれば

時代は第二次世界大戦末期、ポーランドでの出来事。
ユダヤ人が迫害されゲットーに収容されていた。
収容されている一部の人間が地下水道に逃れ込むのを
管理しているソハという人物が約1年以上にも渡り、援助するというお話し。
当然の事ながら見つかれば即ナチス側から銃殺されてしまうのだ。
最初は金の為という動機をにおわせていたソハも最後には彼らを救うためへと変わってゆく。

地下水道、つまり下水道だ、画面からにおいは伝わらないものの、
その臭さ伝わってきそうだ。
その匂いが嫌で収容所の方を選んだ者も描かれていたほどだ。

この話しは第二次世界大戦の時に
ユダヤ人を援助した人達を再評価した際に浮かび上がってきた実話のようです。
多少の脚色もあるのだろうが、賞賛に値する行動だ。

戦争の現実をいつも意識しておくために、
一年に一本はみておく映画に分類される作品です。
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by asat_abc | 2012-10-01 06:34 | 映画_新作