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「シャンハイ」、渋い大人向け作品

好きずきは有るだろうが
この「シャンハイ」という映画の完成度はほぼ完璧ではないだろうか。
但し、これは私の感想で、世間様の評価はかなり厳しい。
時は1941年10月から12月にかけて。
日本が真珠湾攻撃を仕掛けようとしていた時期の上海が舞台だ。
自分的にはとても気に入ったので
今年邦画では4本目のパンフレット購入作品となった、
でもこの映画、邦画ではありません、悪しからず。
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ジョン・キューザック演じるポールはドイツから上海へ新聞記者としてやってきたが、
それは表の顔で、諜報員が真の姿だ。
上海には既に彼の親友、コナーが諜報員として活動していたが、
コナーはポールに会う前に何者かに殺される。
事の真相を探りだそうとしていると一人の日本人娼婦に行きつく。
彼女の名はスミコ、コナーはスミコと関係がある日本人将校、
タナカ大佐の情報を彼女から得ようとしていたが、二人はそこから恋愛関係に発展したのだ。
コナーの死の真相を追ってタナカ大佐に近づくポールは
やがて中国裏社会に生きるアンソニーと彼の妻アンナとも知り合うようになる。
主要なキャラクターは以上の五人。
主演を演じるポールは「1407号室」で知られるジョン・キューザック
タナカ大佐は今やハリウッドスターと言って良い?渡辺謙だ
スミコ、彼女の出番は少ないが、鍵を握る謎の女性、菊地凛子が演じる。
中国裏社会のドンを演じるのはチョウ・ユンファ、
暗黒街で生きる男の表の顔と裏の顔のコントラストが巧みだ。
その妻で妖艶な女性の裏側に革命活動家という真の顔を持つ女性を演じるは、コン・リー。
この映画ですっかり彼女のファンになってしまった。

舞台は国際都市となっていた上海、
当時は区域毎に住む人達を分けていた。
ポールの親友コナーはポールに会う直前に日本人街で殺された。
アヘンに蝕まれ娼婦に身を落としているスミコとの逢瀬を楽しんだ後、
ポールに会おうとしていたが、何者かに殺された。
撃ち殺ろすだけではなく、息の根をとめるため
首もとをかっきられていたのだから殺し方は残忍だ。
彼の死を追うポールの追跡が始まるが、
彼は並みの諜報部員だから、
ジェームズ・ボンドのような派手さや華麗さは一切ない。
どちらかといえば弱い主人公だ。
特技は人なつっこさで少しばかりモテるが、それぐらいだ。
コナーの死の真相に迫るほどに敵ボス、タナカ大佐が姿を現し始める。
この時代、日本軍がエラそうにしている。
その親玉格の大佐なのだから、タナカ大佐は日本軍から上海を任せられたボスキャラなのだ。
そのタナカ大佐に狙われながらも、
ポールは必死にコナーの愛人だったスミコにこだわる、コナーがこだわったものが何だったのかを知りたかったからだ。
そのスミコを確保していたのは、日本軍を敵対視する革命軍だ。
そこにはポールが惹きつけられている中国マフィアのボスの妻がいる。
複雑に込み合いながら、等身大の人間の愛憎が上海のスクリーンにあった。
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by asat_abc | 2011-09-23 16:11 | 映画_新作

「世界侵略、ロサンゼルス決戦」こんな映画も有りかな

けっこう面白く観れた作品。
この手の映画は始めは良いのだが、
後半急に腰砕けになってしまいありえねぇ〜、
って叫びたくなるほどひどくなるものが多い中
最後までそれなりに、あり得るかもね、
と自分を納得できる範疇のものだった。
主演にアーロン・エッカートを配したのも良かった、
最もこの種の映画に出そうじゃないし、
アクションも許せる範囲で現実味があり、超人的な活躍はなかったから。
突如として地球へ謎の流星群がやって来たとおもったら、
それは異星人の侵略だった。
我々地球人は事前準備が出来ていないからやられっぱなしだ。
直ぐにロサンゼルスに前線本部を設置し
侵略者への反撃時間を取り決め、
侵略されている地域へ民間人の救出に向かう海兵隊の一隊。
指揮官は初陣のエコー少尉だ。

アーロン・エッカートは彼を補佐するナンツ二等軍曹。
監督はまだ若いジョナサン・リーベスマン。
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この映画は1942年
実際にロサンゼルス上空に飛来した
未確認飛行物体との戦闘記録をベースにして作ったらしい。
カメラワークで手ぶれ感を出し如何にもドキュメンタリー的な感じを出したモキュメンタリー作品に仕上げている。
題材が題材だけに現実感がイマイチわかないためドキュメンタリーとは受け止めようがないが、
荒唐無稽な感じは排除出来たと思う。

エコー少尉の一隊が数名の民間人を助けようとしている際にも
異星人達は街を破壊尽くしていて
助け出さなければならない人はもっといるだろう、とか
民間人救助、民間人救助としつこすぎる点は鼻に付いたが
海兵隊も人の子、圧倒的な敵の勢力を前にして
職場放棄するか、何らかの大義名分が必要だったのだ、と思えば納得も行く。
興味は圧倒的勢力の異星人達への反撃方法、
だいたいの作品はここで台無しになるのだか、何とか納得できる範囲内に収めてくれた、と思う。
敵だって見知らぬ惑星にやってきているのだから、
心臓部分を分散するだけの余裕はないだろう、
などと納得したのだが。
アクション好きなビジネスマンにお勧めの作品だと思います。
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by asat_abc | 2011-09-21 06:50 | 映画_新作

「七つまでは神のうち」、良く出来た推理サスペンス

おどろおどろしいショートショートストーリーの始まりだ。
それらの話には脈絡が感じられず、まるで「世にも不思議な物語」のような話し出しだ。
三宅監督なんだから当然か?

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第一話は
日南響子が演じる繭という心を閉ざしだ高校生の話から始まる。
彼女、気が弱い、何かに怯えているようだ。
父親に付き添われ行動していると、
身の周りに不審な車が現れる。
何気なく窓から車内を覗いてみると
目隠し、猿ぐつわされ、縛り上げられた少女が捕らえられている。
父親とその車を追っていくが、逆に追われるはめになり。。

ぶっときれて、次の話。
両親が留守をする事になった小学校高学年のいとこの男の子
その面倒を見にきた高校生ぐらいの眼鏡っこの薫、
あどけない藤本七海が演じる。
彼女は何かをその家の納戸から感じる。
そこにはたくさんの人形が置かれているが、不思議な印象を醸し出す市松人形が一体ある。
関わるまいと避けているのに、向こう側から挑発してくるような気がする。
留守にしていたおばさんから電話がきたのでその人形の事を聞いてみると、
そんな人形など置いていないと言うのだ。
その時何かが少女を襲い、そして少女は消えた。
また脈絡もなく次の話が直ぐ始まる。
信心深い真奈、彼女には小学校低学年の娘さくらがいる。
その娘が日曜に友達とハイキングへ行くというが、胸騒ぎを感じる。
お守りを持たせるが、悪い予感は当たってしまう。
娘はハイキングへ行ったっきり失踪してしまう。
家の前に持たせたはずのお守り落ちている。

そんな不気味さを放ちながら
次の話は、映画のロケシーン、ホラー的な映画のの撮影という設定で
一度観客を驚かせ、緊張感を抜いてくれる。
だが、この映画の本題に戻って行く。
飛鳥凜演じる女優の卵、麗奈がロケ現場の廃校に取り残されてからの話で、
一気にバラバラだった事件は繋がってゆく。
今までの4つの断片的な話はPSDという心因的な病気の為に誇張された話だった前置きしながら、
一本の筋書きへと映画を進めてゆく。
この廃校の地下室に繭と薫は捕らわれていた。
麗奈は二人を助け出す。バラバラだった4つのうち三人が顔を合わせた。
彼女達はこの小学校の同級生だったのだ。
彼女達を狙う見えない敵から逃げ出そうとした時、
麗奈と薫は残虐な方法であっさりとジ・エンド
残されたのは日南響子演じる気の弱い娘、繭だけになった。
三人のうちどの子を残しても良い設定に出来るだけに
日南響子が残ったのは、監督の好みか?
それとも深い理由があるのか?
良くわからないが話は進む。
繭は予感めいた感じを抱き、ある洞穴へ向かう。
ここからがこの事件の解決編だ。
7つぐらいで失踪した、さくらの事件に三人は関与していたのだ。
三人はさくらをイジメいた。
もうイジメは止める、これからは仲直りしようという名目で
ハイキング連れ出してやって来たのが
この洞穴だ。
ここで再びさくらへのイジメが始まる。
そしてさくらが土砂に埋もれるという不慮の事故を誘発させてしまったのだ。
土砂に埋もれたさくらを見捨て
彼女達は何食わぬ顔でその場を立ち去った。
霧島れいか扮する真奈というさくらの母親は
さくらの死を一度は七つまでは神のうちという
七才になるまで子供は神からの預かりもので神隠しにあっても我慢しなければならない
という昔からのお告げで納得しようとしたものの、
納得しきれず、事件の真相を追い続け
彼女達三人の犯行に行き着いたのだ。
そして最後に残った繭に自分の娘さくらがされたように土砂の中に埋めてしまう。
そして「助けて」という繭の必死の叫びを後にして洞窟から出て行く。

おどろおどろしいショートストーリーのおしまいは余りに残酷。
こんな風に行方不明者は発生して行くのだ。
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by asat_abc | 2011-09-12 21:42 | 映画_新作

「この愛のために撃て」、ヒットして欲しい映画!第二弾

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最初から最後までワクワクドキドキさせられる
とても面白い映画。
でも上映されているのは東京では有楽町スバル座と渋谷だけ。
こんな作品こそ上映劇場を増やして欲しいものだ。
是非観てください。そして、面白かったと思った人は口コミで流行らせましょう!
と言いたいところですが、もう公開が終わってしまいました。

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裏社会に生きるサルテは何者がに襲われ、
逃げる際に交通事故に巻き込まれ病院に収容される。
妻を誘拐され、誘拐犯からサルテを病院から連れ出したように指示されたサミュエル。
使ったことのないピストルを警官から奪い、
サルテを連れ、病院から何とか逃走、
犯人の指示に従い、交換場所にやってきます。
途中サルテが舐めた行動を取るので、
本当に拳銃をぶっ放してしまいます。
妻ナディアを救出するために必死なのです。
だがこの軽はずみな行動の為、
人質交換に邪魔が入り、交換できないまま次の機会を伺うこととなります。
妻サラを誘拐した犯人はサルテの弟、
人質交換の邪魔をしたのはサルテを追っていた一味、
一味の正体はまだ不明のままです。
二人は取り敢えずサルテの隠れ家にいったん避難しますが、
当然のこと、お互いに疑心暗鬼状態、
自分の立場がサルテと同様に
凶悪犯扱いされている報道をテレビで見たサミュエルは
病院で知り合った女刑事に連絡を取り、助けを求めます。
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そこにすごいタイミングで別の刑事グループがやって来ます、
流石エリート軍団、手際がよいと思っていたら、
サミュエルから連絡を受けてやって来た女刑事を殺してしまうのです。
えっ、想定していなかったストーリー展開で物語は風雲急を告げます。

絶体絶命のピンチを切り抜け平然とその場を後にするサルテ、
一方サミュエルは命からがら、何とかサルテが言い残して行った倉庫にたどり着く。
すると待ち受けていたのはサルテと死体が一個。死体はサルテの弟だった。
復讐に燃えるサルテと妻の奪回に命を懸ける二人の逆襲が始まる。

最初から最後まで緩みのないハイピッチアクションの連続。
特にサルテの隠れ家から逃げたあと、地下鉄構内をサミュエルが逃走するシーンは見ものだ。
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早くDVD化されて正当な評価を受けて欲しい作品だ。
この監督の前作をリメイクした作品がラッセル・クロウ主演の「スリーデイズ」だ。
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by asat_abc | 2011-09-06 07:00 | 映画_新作

「英国王のスピーチ」、手に汗握るこのスリル

今年洋画では6本目のパンフレット購入作品。
サスペンスでもないのに手に汗握るドキドキ感は流石アカデミー作品賞です。
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ジョージ6世のお兄さんエドワード8世が既婚女性の為に
王位を棄てた事は聞いた事がありましたが、
ジョージ6世が吃音だった事は知りませんでした。
ましてや、何度も何度も吃音のせいでスピーチを失敗し惨めな思いをしていた事を、
この映画を観て、初めて知り、一緒に落胆しちゃいました。
日本だって天皇が同じような失敗をしていたら、
いち日本人として自分の事のように
情けない気持ちになるんでしょうね。
国王や天皇には我々の象徴として
威風堂々としていて欲しいと思うのは
私だけではないはずですよね。

幼い頃から吃音持ちのヨーク公(コリン・ファース)は
イギリス王の次男として生まれた。
兄エドワードは何故か熟女、人妻が大好きで、
兄のスキャンダルを国民は面白がる反面、
王として戴く事に不安を感じている。
だからヨーク公はなおさらしっかりせねばと思うのだが、
思えば思うほど吃音はヒドくなり、
人前で原稿を読み上げるだけのスピーチもままならない。
ヨーク公の悩みを妻のエリザベス(ヘレン・ボヘム・カーター)は痛い程わかっており、
ヨーク公の治療の為に名医を探しまわる。
だが、名声を持つどんな医者もヨーク公の吃音を治す事が出来ない。
そんな時いっかいの言語聴覚士ライオネルの噂を聞きつけ
藁をも掴む気持ちで治療を受けさせる事にする。
ところがこの聴覚士さん、オーストラリア人の上に売れない役者の副業ときているから、
のちのち伝統の国イギリスでは大問題になる。
こんな風に書けば、まるで偽物を掴まされ、
とんでもない展開になるのかと思いきや、さにあらず。
外科的治療が必要な場合は確かに専門家の世界だろうが
心因性のものなら、素人だって大丈夫だ、よね。

ヨーク公を愛称のバーディと呼んだり、
二人を平等だと言い切ったり
今までのおべっかい使いの言語聴覚士達とはまるっきり違うものだから、
ヨーク公やエリザベスは戸惑っていまい、
怒り出してしまう程。
王族だからといって遠慮することもなく、
ずかずか土足で心の中に入りこんでゆく。
だが、これこそが、治療に必要な事立ったのだ。
でも結果を出さなければ、信頼は勝ち取れない。
ガンガン音楽の聴こえるヘッドホーンをかけさせ、
ヨーク公に文章を読み上げさせ、それを録音するライオネル。
あ〜ら、不思議!
スラスラ読み上げているではないか。
こんな実績を示しながら、
ヨーク公の心の闇に迫っていく。
するとヨーク公の過去に受けてきた痛手が露わになってくる。
幼い頃から両親の高圧的で威圧的な教育に
プレッシャーを受けていた上に
乳母にもイジメられていたのだ。
さらには兄にも、どもった真似をされていた。
そんな事が二人の治療という交流でわかってくる。
そしていよいよクライマックス、
第二次世界大戦でのドイツへの宣戦布告のスピーチへと流れ込んでゆく。
既に兄エドワードは退任し
ヨーク公は王位を譲り受けは、ジョージ6世となっている。
国民に宣戦布告のスピーチをするのはジョージ6世しかいない。

この場面、失敗しないかハラハラし通しだ。
アカデミー主演男優賞を受けたコリン・ファースの魅せどころだ。
まるでサスペンス映画を観るかのように手に汗握って見ていた。
結果は、是非観て確かめて欲しい、
歴史に残る一本だ
とだけ、記録しておきます。
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by asat_abc | 2011-09-05 21:36 | 映画_新作

2011年鑑賞作品を振り返る

今年(8月末まで)に観た作品は112本、
試写会中心の頃とは一転、
劇場や名画座での鑑賞作品がほとんどだ。
昨年から気に入った作品は記憶を留めて置くため
パンフレットを購入する事にしている。

今年パンフレットを購入した邦画は
「川の底からこんにちは」、
石井裕也監督と女優満島ひかりの珠玉の傑作、
現代女性気質論だ。
ちなみに、画像の風景は 肥溜めまきのようすだ。
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「悪人」、
李相日監督が練りに練った作品にスイングした役者達の作品だった。
この作品で二人とも日本アカデミー賞を受賞
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「告白」
今の年代の松たか子がいたから作ったと中島監督に言わせしめた作品、納得だ。
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洋画では
「アメイジンググレイス」、
歴史物が好きなのでこの手の作品は大好きだ。
日本人で言うならば足尾鉱山の田中義一の物語か。
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「クレアモントホテル」、
可愛らしいおばあちゃんと若者の心温まる作品、成熟時代のヒューマンストーリーだ。
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「ミスター・ノーバディ」
実に難解だが今までにない、後世に評価を委ねる作品になるだろう。
残念ながら、この作品に感動したわけではないが、興味を惹かれた映画だった。
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「ブラックスワン」
文句無しにナタリーが世界のトップ女優であることを示した映画、
世界の名作に残る映画になるだろう。
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「この愛のために撃て」
何故こんな素晴らしい映画がヒットしないか不思議だ、
こんな作品こそ試写会の口コミを利用すべきと思うのだが。


「英国王のスピーチ」
ヒューマンドラマなのに凄くハラハラドキドキさせてくれる、
流石アカデミー賞作品だ。

以上9本が今年パンフレットを購入した
素晴らしいとおもった映画だ。


その外にも、パンフレットを買うべきかしばし考えた作品がある。

「戦火のナージャ」
「愛するひと」
「冷たい熱帯魚」
「SUPER」等だ。

逆に期待を裏切ってくれた作品は
「テンペスト」
「神々と男たち」
「アンチクライスト」
だろうか、その意味では今年はハズレが少ないかもしれない。
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by asat_abc | 2011-09-03 16:15 | 映画_新作