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「アンダルシア」、織田裕二の黒田康作シリーズ

織田裕二演じる黒田康作シリーズの劇場2作目、
前作は「アマルフィ 女神の報酬」ヒロインは天海祐希
今回は「アンダルシア 女神の報復」ヒロインは黒木メイサ
副題を比べて観ると、ヒロインの役割がわかる、これは映画を見てから気付いた。
どちらにしても、外交官がヨーロッパで活躍する物語だ。
前回はイタリア、
新年のローマでの打ち上げ花火の映像に合わせて
「イタリア全土で大規模テロ勃発」という大掛かりな仕掛け。

今回はスペイン
日本でいえば、関東とか中部というくくりに相当するアンダルシア地方
地中海に面したスペインの南端側で.歴史的建造物が壮大だ。
映画のキャッチコピーは「守るべきものは、誇りか、愛か」
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デッカいスクリーンで雄大な景色を観るだけでも価値がある。
スペインのアンダルシア地方に広がる
険しい崖沿いに古い家々が立ち並ぶ。
もう少しゆったりとその景色を見せてもらいたかった。
そのアンダルシア地方が出てきたのは
映画も終盤、不正行為を行う黒幕一味を逮捕する場面としてだ。

事件の発端はフランスとスペインの間のアンドラ公国で起こった。
ちなみにアンドラは実在の国で、日本とも国交があるけれど、
実態は大使館はフランスが代行しているとのこと。
さて、このアンドラ公国のホテルでの、ひとりの日本人の死から事件が始まる。
その部屋では黒木メイサ演じる新藤結花という女が
パソコンへアクセスしようとしているが、侵入できないでいる。
諦め、部屋のアリバイ工作を し始め、
あたかも外部からの空き巣かのようなイメージにすることにした。
彼女は殺人犯で悪い奴なのか?
アクセス出来なかったパソコンを真っ白い袋に入れて、
窓の外の雪に覆われた白銀の世界へ放り投げ、隠してしまった。
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この事件を担当したのは神足というインターポール捜査官、
演ずるは伊藤英明だ。
彼は不正を許せず、警察組織を一度は内部告発したものの
あえなく返り討ちにされ、日本を追われた男。
日本に残した息子の為に帰国するため、
組織の指示に言いなりになろうとしていた。
ここへ我らがニヒルな外交官、
黒田康作も邦人保護の名目で派遣されてくる。
最初は反目しあう二人だが、
結花を通して事件の核心に迫るうち、
いつしか なんとなく信頼しあうというお決まりのパターンになってくる。
やがて三人はスペインのアンダルシア地方でクライマックスシーンを迎えることになる。

結花はビクトル銀行の社員、銀行の不正行為に絡んでいるようだが、
ただ単に末端の一社員なのかそれ以上の存在なのか
そして善玉なのか悪玉なのか
最後までその実態をあかさぬまま、
進んでゆく。
そして最後に待つ事件の真相は。。。。。


監督は「容疑者Xの献身」、
黒田康作シリーズの前作「アマルフィ」に引き続き西谷弘

出演
黒田康作:織田裕二
神足誠:伊藤英明
新藤結花:黒木メイサ
安達香苗:戸田恵梨香

125分、2011年制作
東宝制作配給


可もなく不可もなくって言うよりは
可もあり不可もありっていう感じだ。
ツッコミどころもいっぱいあるが、
邦画にだって世界に通用する作品を ここまでは作れると感じさせてくれる。
だが、更にもう一つ突き抜け、
「007」シリーズのように世界に通用するために、何が必要か?
そんなことを考えさせられた映画だった。
人間ドラマにするのか、社会正義を描くのか、
それらを超越した何かにするのか。。。。

さて、今回のクライマックスでの神足と黒田のバトルシーン、
絶対黒田康作は不死身なのだから、と思いつつも、
一応黒田シリーズの最終話と言う事だから。。。
でも、やっぱり、ね、って感じで妙にほっとしました。

ところで、神足刑事、結花をあんな田舎道で車から降ろすなんてありえない、
どうやって街まで帰れというのか、なんて急に現実的になってしまった。
更に、そのシーンで足を引きずりながら結花の歩くシーン、
急に昔の回想に結びつける強引さ、
誰も泣いていませんでしたよ、ちょっといただけません。
唯一、クライマックス前の結花と黒田の絡みのシーン、

織田のベッドシーンなどという 観てはならないものを観れるのか
と期待したのですが、それもやっぱりでしたね。

この映画を引き立てる役者は、戸田恵梨香演じる安達香苗だと思います。
もし第3作目があるならば、戸田を秘書役に
コミカル仕立てにした方が、メリハリがついて良くなるなどと思いました。
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by asat_abc | 2011-06-30 23:23 | 映画_新作

「ロストアイズ」、見えない、見えなくなる恐怖

流石はギレルモ・デル・トロ制作だ。
監督作品では
「パンズ・ラビリンス」、
制作作品では
「永遠のこどもたち」
を観たが、
ダークファンタジーで少し怖いイメージは
予想通りだった。
そして、今回は
最後にオチもすっきり解決してくれる、
エンターテイメント性の高い映画だった。

姉のサラの自殺に疑問を抱いた妹のフリア、
夫のイサクの止める言葉も制止し、
事件の究明に乗り出す。
姉は失明を苦にして自殺したと判断されだのだが、
妹のフリアも同じ病気を煩っていて、
ストレスが病気の進行を早める事を恐る優しい夫イサクは
事件に関わらないように説得するのだが、
最愛の双子の姉のサラの死だけに、
フリアはそれでもやめようとしない。
フリアに引きずられるように
イサクも事件に関わってゆく事になるのだが、その挙げ句、
イサクは不慮の死を遂げる。
とき同じくして、フリアにドナー提供者が現れ、
視力回復の手術を受ける。
2週間、包帯で覆った目を開けてはならないというのに
自宅に帰ると言い張るフリア。
かなり映画の為に性格が強引になっている。
目の見えない彼女の為に毎日看護士のイバンがやってきて、
甲斐甲斐しく介護してくれる。
姉も夫もいなくなって
頼りは自分自身だけ。
その上自分の視力が失われるのではないかという不安が猛烈に襲ってくる。
そんな状況で唯一頼れる人間にイバンはなってゆく。
まさしく、臭い、臭いすぎる存在だ。
だから、彼が帰った後にフリアはいつも何か見知らぬ者の気配に悩まされる。
あと4日で包帯が取れるという日に最大のヤマバがやってくる。
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このタイミングが肝心だ。
イバンに患者が心を許した時がGOサインなのだ。

いつものようにイバンが帰った後に事件は始まった。
寝ていたフリアは見知らぬ存在に気付き、
慌ててパジャマのまま家を飛び出す。
隣家の胡散臭いオヤジが飛び出してきて、
自分の家に入れてくれるのだが、
このオヤジも怪しそうだ。
電話で警察に連絡を取ってくれと言っているのに、
うだうだとして、取り合ってくれないし、
自分のカラダにベタベタと触りだした。
更にチャリンチャリンと家からなくなったの同じような鈴付きの鍵の音が聞こえてきた。
たまらずこの家からも飛び出し、無線でイバンを呼び出し、
あなたの家へ連れて行ってとせがむフリア。
さぁ、ここからクライマックスへ突入だ。


制作はギレルモ・モデル・トロ
監督はギリュム・モラレス
出演
フリアとサラ:ベレン・ルエダ
イサク:ルイス・オマール
イバン:パブロ・デルキ
117分、2010年制作
スペイン映画
ブレシデオ配給
R15+


ここからは、観ようと思っている方は、やめてください!




ギルレモ・デル・トロといえば
ダークファンタジーで
いつもなら超常現象が絡んでいるので、
無理に納得させなければならないけれど、
今回はちゃんと納得出来る作りになっていたのだが、
それだけに、物語の核となる
存在しながらもその存在を認めてもらえないという点が
逆に引っかかってしまいそう。

それと、健常者の目に注射針を打ち込んで失明させるような
恐怖を煽るような、そんなシーンは
怖すぎるので止めて欲しいのですが。

ストーリー的に少し強引なところはあるけれど
イバンはなりすました犯人の正体は近所の盲目の女の息子だったというところや
その女は目が見えていたというあたりは、
なるほど、意外性があり面白く観ることが出来ました。
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by asat_abc | 2011-06-27 13:05 | 映画_新作

「白いリボン」、ミヒャエル・ハネケ監督作品

老人となった教師が回想する形で始まるこの映画、
複雑に入り組んでいる上一度落ち掛けただけに、
正しく理解、解釈できているか心配ですが。。

第一次世界大戦前、
物語の舞台となったその村はドイツの田舎町、
大地主の男爵家が村の雇用の半分を担っていた。
村を支配指導する立場の男爵、男爵の家令(秘書)、村のドクター達を中心に据えながら進む。
一見上っ面は社会秩序が守られているように見える村なのだが、内情は違う。
それが明らかになる事件が起き始める。

第一の犠牲者はドクターだ。
針金がドクターの家付近、脚の高さぐらいに仕掛けられ、
馬が倒れ、彼は落馬し大怪我を負う。

続いて男爵家で働いていた小作人の女が不慮の死をとげる。
それを恨んだ小作人の子供は男爵家を逆恨みし、花壇の花をズダズダにする。
この事件だけは、唯一犯人を明らかにしている。
次に、男爵家の子供が誘拐され、
木に括られボコボコにされる。
男爵は協会に集まった村人に
事件の犯人は名乗り出るよう促すが、誰も名乗り出ようとしない。

息子家が花壇の花をズダズダにした小作人は
息子のせいで男爵家で働く事が出来なくなる
その為幼い子供達の生計を維持出来なくなり
首を吊って自殺する。
権力への反逆が少しでも表沙汰になると、
この村では生活していけなくなる。

確かに上っ面は権力を持つものが支配しているが、
そこで生活している人々が
その構図に納得しているわけではないし、
納得してはならないとでも言うかのごとく
権力者達の不正行為が暴かれてゆく。
ドクターの背徳行為
これはかなりひどい、
隣の女との不倫ならまだしも、実の娘への行為は許されるものではない。
男爵の横暴と傲慢さ
これは知らず知らずの内に息子へも遺伝しているのだろうか。

家令の偏った倫理観、
父親としては至極もっとなものに見えたが
賢い娘には不条理なものなのだろうか。
少女の反発は強まっていき、父からの制裁も強まっていく。

一見すると、
支配者層と支配されるもの達の陰鬱な戦い、

あるいは、大人達と子供達の戦い
特に背徳的な大人達への子供達の怒りにも見えたが、
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事件は更に続く、
残酷な現実を反映するかのように陰湿な事件が起きる。
ドクターと不倫していた女の息子は
知恵遅れなのだが、その子が何者かに痛めつけられる。
ひしひしと戦争がこの村にもおおい被ろうとしていた。


「ピアニスト」や「ファニーゲーム」のミヒャエル・ハネケ監督
出演
クリスティアン・フリーデル、レオニー・ベネシュ、ウルリッヒ・トゥクール
144分、2009年制作
ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア映画
ツイン配給


コクがあって、
良く錬られていて
途中少し眠くなるけど
寝てしまうと次の展開にはついていけなくなって
でもずっと観ているとだんだん核心に迫る事が出来る。
かといってシロクロ画像のせいで誰が誰か判別出来なくなるほど複雑に入り組んでいて
最後にそうだったのかとわかったような
そんな気分になる映画でした。

自分なりの考えを文章に纏めてみると
観ていたときには気付かなかったことがたくさん見えて来ましたが、
制作者側の意図や目論見はもっともっとあるのでしょうね。
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by asat_abc | 2011-06-25 16:01 | 映画_新作

「アリス・クリードの失踪」 体をはった ジェマ・アータートン

主な登場人物は誘拐犯の男2人と人質にされた女1人だけ、
人質役を演じるのは ジェマ・アータートン

彼女、『 007 慰めの報酬 』でボンドガール、でも目立ったのはオルガ・キュリレンコの方。
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『 タイタンの戦い 』で注目されるようになり、
『 プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 』 のタミーナ王女役で主演級になったが、
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これは、その前の作品のようだ。

この『 アリス・クリードの失踪 』が契機となったのだろう
だから、いまの知名度からは考えられないほどのカラダを張った演技で、
度胸の良さを見せつけてくれる。
ジェマ・アータートンの体当たり演技を見るだけでも価値ある注目作品だ。
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冒頭、2人の男が何やら思いつめた顔で動き回っている。
車を盗み、怪しい備品を買い揃え、
アパートの一室を防音完備の監禁場所兼アジトに整える。
次のシーン
アリス・クリードの悲鳴を合図に物語が動き出す
二人はアリスを白昼堂々と路地で誘拐、
用意しておいたアパートのベッドに監禁し、
衣服を全て剥ぎ取り、事前に用意しておいたジャージ上下に
着替えさせ、両手両足を縛り付ける。
時間がくると迅速に、一定量の水分補給させ、
トイレに行きたいと言われれば、尿瓶を持ってきて「これにしろ」と言う。
ちがう、大の方だ、と答えると、今度はバケツを持ってきて「これにしろ」と。
一切の妥協は無し、アブノーマルな、実にアブノーマルなシーンの連続だ!
だが、そのシーンによって我々は非日常の世界へ一挙に連れて行かれる。
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事件の概略、
刑務所で知り合ったダニーとヴィック。
誘拐のプランを綿密に練り、
ダニーが新聞で見つけ出した富豪の娘アリス・クリードをターゲットに。
アリスをアパートの一室に監禁し、怯える彼女の写真と動画を父親に送り、
200万ポンドもの大金を要求する。
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アリスに接する際は常に覆面姿、
隙を与えないために排せつも目の前でさせるという徹底ぶり、
脱出の隙はまったくないかに思われた。

だが、ダニーはヴィックにも明かしていなかった“事情”があった
どこかにその心の緩みがあったのだろう、ヴィックが外出した隙に
ダニーがアリスに近づいた際、反撃を許してしまい、
ダニーはマスクを剥ぎ取り、名乗ってしまう。

彼女は衝撃と怒りを感じるも、
ひとまずは彼に従いながら脱出することを必死に考える。
そこへ戻ってきたヴィックは2人の様子に不信を抱く。
だが、彼とダニーの間にも思わぬ“関係”が隠されていたのだ。

実に、実に非日常の世界の連続だが、その衝撃が心地良くなってくる。
次は何を仕掛けてくるか。



原題 THE DISAPPEARANCE OF ALICE CREED
製作年 2009年
製作国 イギリス
配給 ロングライド
上映時間 101分
監督 J・ブレイクソン
出演者
アリス・クリード:ジェマ・アータートン
ヴィック: エディ・マーサン
ダニー: マーティン・コムストン

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もみ合いの際に壁に撃ち込まれた弾丸と床に転がる薬きょう、
ダニー、ヴィック、アリス、
3人の駆け引き、神経戦がヒートアップしてくる。


アパートのシーンからヴィックがダニーへ仕掛ける
身代金を獲得するはずの森でのシーン

アリスを移送した倉庫での最終決着シーン。

画策、駆け引きと裏切り、迷いと絶望と希望…
三人の、刻々と変化しつづけるポジションとシチュエーションに
一喜一憂する事になるが、
貴方は誰に感情移入しているだろうか?
アリス
ダニー
ヴィック

ちなみに私はチープな事に、ダニーを応援していた。
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by asat_abc | 2011-06-24 05:27 | 映画_新作

「ミスター・ノーバディ」、一番幸せな選択は?

ニモの人生を振り返る映画が始まる。
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今までバタフライ効果やタイムトラベルで
ある人の人生が変化してゆくというものはあった。
だが、ひとりの人間が生きていく上でくだしてゆく選択によって
人生が分岐し変化してゆく様を見る、
それも10通り以上のシナリオを見せてくれるものは記憶にない。
一度観ただけでは複雑すぎて、味わう余裕がなかったので、
正しい評価が出来ない。もう一度観てみたいと思うし、
この手の作品は二度目に突然印象が変わることがある。


舞台は2092年。
もう人間は不死を手に入れ、ニモが唯一死ぬ人間だ。
世界中がニモが息を引き取る姿を注視している中、
一人の新聞記者がニモに、彼のたどってきた人生を聞き出す。
その質問に対してニモはゆっくり自分の人生を語り始めるのだが、
彼の語る話は理解不能な話なのだ。
9才のニモの脳裏には三人の少女の姿があった。
赤い服のアンナ、青い服のエリース、黄色い服のジーンだ。
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ニモは母親が(自分が想いを寄せる)アンナの父と密会する姿を見て、
ショックを受ける。
母親の浮気のせいか、夫婦は離婚。
電車のプラットフォームで母親と一緒にこの町を出て行くか、
父親とこの町にとどまるか選択を迫られる。
ニモがどちらの選択をしたのか、
明かしてはくれない。
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母と一緒に行った街で、ニモの前に再びアンナが現れ、
数々の選択肢が提示される。
アンナとの仲が良くなる選択、
アンナに嫌われてしまう選択、
たった一つの言動でアンナの態度が見事に変わってしまう。
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一方、父親と一緒に町に残ったニモが想いを寄せたのは、
エリースだ。
彼女には大好きな男がいたが、相手はさほどではない。
その隙間に入り込み、ニモが取った選択が幾つも示される。
結果、エリースと結婚し二人の子供をもうけるが、
エリースは精神を病み気味で家庭は幸せとはいえない。
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ニモのもう一つの家庭、エリースを諦めジーンとの結婚を選んでいた。
だが彼女との生活は裕福であるものの
つまらないものだった。
ニモにはジーンに対する愛情がなく、
ジーンもいつの間にかニモからの愛情を期待できないことを悟り、
人生を後悔している。

この映画を見れば
ひとりの人生には多くの可能性と
一つひとつの言動にそれなりの重みが有ることが良くわかるのだ。

出演者
主人公ニモ:ジャレッド・レト
15才のニモ:トビー・レグボ
アンナ:ダイアン・クルーガー
15才のアンナ:ジュノー・テンプル
エリース:サラ・ポーリー
ジーン:リン・ダン・ファン

監督は、ジャコ・ヴァン・ドルマン、寡作な監督で長編はこれが三作目

137分、2009年制作
フランス、ドイツ、カナダ、ベルギー制作映画
アステア配給
アスミック・エース提供
ドルマル監督は91年に「トト・ザ・ヒーロー」を発表して以来
長編は三作目だ。
非常に寡作な監督だけに次はいつ発表するやら。
それだけに
これだけ複雑な題材を
とても緻密に、そして出来るだけ分かり易く演出している。

この映画で
観客側は色彩でも判断する事になる。
赤は情熱的で、アンナとの激しい愛の交流を意味する。
青は愛情深い色だが、エリースとの不安定な生活を意味する。
黄色は裕福で慎ましやかな色、だが平凡すぎてつまらない生活を意味する。
ダイアン・クルーガー
サラ・ポーリー
リン・ダン・ファン
この三人がジャレッド・レトと
この色の物語を紡いでくれるが、
それよりも、
15才のニモを演じるトビー・レグボと
アンナを演じるジュノー・テンプルの瑞々しさが際立っていた。

監督はいう。
僕の映画では自由という問題が大きなテーマのひとつになっている。
「ミスター・ノーバディ」によって道徳や倫理ではない、
哲学的なおとぎ話を作りたかったのだ。人生には楽しいこととそうでないこともある。
もし楽しいなら、それをやってみるべきだ。もしそうでないなら、やらなければいい。

私が、ニモに選んで欲しかった人生は、これだ。
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どちらにしても一度観ただけでは評価は出来ない。
残念ながら一度観の段階で、傑作だ!
なんて言うつもりはさらさらない。


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そのくせ、パンフレット買ってしまいましたが。
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by asat_abc | 2011-06-20 12:49 | 映画_新作

「赤ずきん」、大人になった赤ずきん

赤ずきんちゃんといえば
c0146834_14112856.jpg森の中の一軒家に住むおばあちゃんの家へ
ひとりでお見舞いに行くときに
狼の誘惑に負けて寄り道したばっかりに
先回りした狼におばあちゃんは
食べられてしまいます。
おばあちゃんになりすました狼は
赤ずきんの訪問を待ち受け
彼女も食べようと狙っています。
おばあちゃんのお耳、大きくなったみたい?
それはあなたの声が良く聞こえる為よ
おばあちゃんの目、大きくなったみたい
それはあなたが良く見えるためよ
おばあちゃんの口、大きくなったみたい?
それはあなたを食べるためよ、
そして狼の毒牙にかかってしまいます。
おしまい、おしまい。
ペローの童話はここで終わってしまいます。
一般的に知られているグリム童話は子供向けに作り直され、
ハッピーエンドになったものの
元を辿ると中世ヨーロッパの集落での人狼伝説がベースにある怖い言い伝え。


さて、今回の赤ずきんのお話しは。

赤ずきんは父親、母親、姉の4人家族。
人里から離れた森にはおばあさんがひとりで暮らしている。
幼なじみの恋人がいるが、
幸せになるためには経済力のある男が良いのよと
母親からは違う男を押し付けられている。
そんなときに、姉が狼の餌食になった。
村人は騒然、狼退治の為にソロモン神父に来てもらう。
彼は魔物退治の第一人者だ。
エクソシスト退治さながら、狼狩りが始まり、
人狼が姿を現す。
誰が人狼なのか
疑心暗鬼のミステリアスなサスペンスドラマが開幕する。
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人狼は次々と村人達を殺していくが
赤ずきんに対しては優しく
この村を一緒に出て町へいこう、そうすればもう誰も殺さないと誘う。
人狼が話す言葉?、うなり声が赤ずきんにはわかるのだ。
その為、彼女は魔女として捕らえ、監禁される。
恋人のピーターも、許嫁のヘンリーも
そしておばあちゃんも
赤ずきんには怪しく思えてくる。
さて、人狼は誰なのか?


出演者
主人公赤ずきん、バレリー:アマンダ・セイフライド
ソロモン神父:ゲイリー・オールドマン
ピーター:シャイロ・フェルナンデス
ヘンリー:マックス・アイアンズ
監督は、「トワイライト」のキャサリン・ハードウィック

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110分、2011年制作
アメリカ映画
ワーナー・ブラザーズ制作配給

「トワイライト」にとても良く似た設定だ。
だが、恋愛色よりサスペンスを前面にした作りは
男性向きで好感が持てた。
人狼は一体誰なのか
なぜ赤ずきんにだけ人狼の言葉が聞き取れるのか?、
なぜ赤ずきんの姉は殺されてしまったのか?
謎が謎を呼ぶが、わかればそれは一本の真実に繋がって行く。
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なんと、人狼は赤ずきんの父親だ。
気の弱そうな性格ゆえあまり目立たなかった父で
娘の結婚の際も、母親が主導権を握る。
そんな彼が人狼となって、長女を呼び出し
村を抜け出し、町へ出る事を確認しようとするのだが、
彼女には言葉が通じない。
それで、彼女が自分の子でない事を知り、殺してしまう。

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ピーター役のシャイロ・フェルナンデスよりは
ヘンリー役のマックス・アイアンズの方が好感が持てたのだが、
この辺は好みが別れるところなのだろう。
「マン・マミーア」のころは幼さが目立ったアマンダは
大人っぽい役を演じたが、狩猟民族からすれば幼く見える顔立ちだ。
主演が続くが、
「エンジェル・ウォーズ」のベビードール役を見てみたかった。
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by asat_abc | 2011-06-18 16:08 | 映画_新作

「愛する人」、ツボに嵌った珠玉の逸品

「キッズオールライト」に引き続き
アネット・ベニングの出演作品「愛する人」の紹介です。

アネット・ベニング演じる母は14歳で子を身ごもり、
赤ん坊は産まれると同時に
里子に出されてしまう。
元々神経質な気性ゆえ、その事が自分自身への負い目になってしまう。
母親すら心を通わすことが出来なくなり、
周りから孤立する女性となってしまった。
今は移民の家政婦の女性に母の面倒を任せ、
介護施設で働いているが、母からも家政婦からも煙たがられている。
実の母親ですら、家政婦のシングルマザーの女との方が話をし易く信頼していたのだ。

ナオミ・ワッツ演じる里子に出された娘は、
養子先の不幸もあって、結局自分の力だけで生き抜くすべを身に付け、
逞しいキャリアウーマンになっていた。
職業は弁護士、バリバリのやり手だ。
人から詮索されるのを嫌うが、本能を否定する訳でもなく、
隣の部屋に住む旦那を誘ったりする。
仕事の上司も誘う、
それはプライベートなひとときを演出するためであり、
あくまでも自分の能動的な行動としてだ。
ちゃんと避妊の対処はしていたが、不幸にも妊娠してしまう。
その時、エリザベスは母性に目覚め、母を思い始める。

ルーシーは子供を産めない女。
旦那と相談して養子を取ろうとする。
この作品に彼女の存在が何故必要なのか、最初わからなかった。
敢えていうと、カレンのように里子に出さなければならないような立場の女性と
エリザベスのように里子に出された子供の立場を取り持つ
そんな役割と思っていたら、
そんな風に持ってきましたか、と納得させられてしまう展開が用意されている。
まぁ彼女の部分はかなり出来過ぎクンのストーリーだったのですが。

出演者
主人公エリザベス:ナオミ・ワッツ
母カレン:アネット・ベニング
ルーシー:ケリー・ワシントン
バコ:ジミースミッツ
監督は、ロドリゴ・ガルシア
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126分、2009年制作
アメリカ・スペイン映画
ファントム・フィルム配給

一概にこころ温まる作品だともいえないけれど、
芸達者な出演者達だから出せた上質の作品だった。
その作品をアネット・ベニングの視点から考えてみた。

カレンは子供を産み棄てた過去を引きずり誰とも打ち解けられないものの、
実の母親とはなんとか心を通わせようと試みる。だが、交わる事が出来ないまま、母は亡くなる。
家政婦には不満いっぱい。
一緒に連れて来ている子供が家にあるものを勝手に触るのが我慢ならない。
子供なんだからそんな目くじらたてなくてもって気持ちはカレンだってわかってる、だが自分の気持ちを押さえられない。
そんな時、彼女の職場に新しい男の同僚バコが入ってきて、彼女に接近してくる。
何度かデートするものの、上手くいかない。
カレンの方が難癖つけてぶち壊してしまう。
そして後悔する。
それでもバコは彼女から離れていかなず、温かい眼差しをむけてくる。

徐々にカレンの気持ちが打ち解け始め、
カレンの振る舞いが変わっていく。
家政婦の娘への険しさが和らぎ、
懐かれるようになると笑みがこぼれるようになる。
家政婦との関係も見ていて微笑ましいものとなってゆく。
その変化の表現力が素晴らしいのだ。

やがて男と一緒に住むようになると、
満たされていなかった思いを実現させようと思うようになり、
里子にだした子供にコンタクトをとろうとする。
修道院のようなところが養子縁組みを取り持っていて
彼女がバコに付き添われそこへやってくると
手紙を預かってくれるという。
親と子を取り持つファーストコンタクトは手紙なのだと。
決心し手紙を託すのだか、
なかなかエリザベスとコンタクトが取れず、
後悔しかけていたカレンに届いた連絡は残酷だった。
エリザベスは亡くなり、子が残され、今はルーシーのところへ養子にだされている事がわかる。
悲しいストーリーだが、救いはカレンにとっての孫が、愛情溢れる里親に育てられていることだ。
アネットじゃなければここまで感動させられなかったと思う。
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by asat_abc | 2011-06-16 14:11 | 映画_新作

「キッズ・オールライト」、うちの家にはママが二人

ここ1ヶ月の間にアネット・ベニング出演作品を二本観た。
両方とも責任感が強く強引で、それゆえ家族にとっては重荷に思えてしまう
そんな役柄だったが、上手い役者さんだ。
まずは「キッズオールライト」のニック役から。ニックの役どころは
家長として家族に何か異物が接近してきた時
どう接するか、家族をどう維持していくか
という設定だ。


ニックは配偶者、18歳の娘、15の息子との4人家族、
仲は至って良いほう。
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その家族にちょっとばかり問題が起ころうとしていた。
二人の子供達が父親を探そうとしているのだ。
この家族、訳ありで女同士の夫婦だ。
パートナーはジュールス(ジュリアン・ムーア)、女性らしい女性で専業主婦、
ニックは働かせたがらない。
ニックは勤務医、緊急時には患者さんからの電話も厭わない先生だ。
長女ジョニ(ミア・ワシコウスキ)は秋から大学生となり家を出ることになっている。
長男のレイザーは多感でどちらかといえば内気な高校生だ。
実はジョニの方が積極的なくせに、
レイザーにかこつけ父親を探そうとする。
彼らの遺伝子上の父親をだ。
長女はニックが、長男はジュールスが産んだ子で、遺伝子上の父親は一緒なのだ。
父親(マーク・ラファロ)に会ってみればなかなかいい奴だ。
事業にもプチ成功している。
だが、会ったことがニックにバレる。
ニックとしては面白いはずはないが、
子供達の手前、家族全員で会ってみることにする。
だがそこから様々な波紋がうまれてはじめる。

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出演者
母1、ニック:アネット・ベニング
母2、ジュールス:ジュリアン・ムーア
遺伝子上の父親:マーク・ラファロ
長女ジョニ:ミア・ワシコウスカ
長男レイザー:ジョシュ・ハッチャーソン
監督はリサ・チョロデンコ
107分、2010年制作
アメリカ映画
ショーゲート配給

遺伝子上の父親、その男が異物となるこの対決は、かなり厄介だ。
悪い奴なら直ぐ勝負有りだが、良い奴だったりすれば、危険だ。
そもそも、彼女等はタネが欲しかっただけで、
どんな人間かなどという興味を持ったことが無いのだが、
子供達は違う。
女同士のカップルから自分が産まれてくるわけがないのだから、
余計、父親の存在を意識するのだろう。

実際会ってみれると、なかなか良さそうな奴だし。
ところが、それが問題を大きくする事になった。
ニックは家長として振る舞っているし、元々神経質な方だから、妻や子供達の桎梏にもなっていた。
そこにひょこっと現れた本物の男の父親。

彼の存在は子供達に受け入れられ、
頻繁に会うようになり、家族に影響を及ぼし始める。
それはバイクはダメというような、
家族のルールに支障が出始め、
次には家族のルール決定者のニックの存在を脅かす事になって行く。
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そればかりか、ジュールスさえ彼に惹かれ、
情事を始める有り様。
そりゃ女同士では男女間のそれとは違ったものになっちゃうだろうし、
限界も有るだろうが、
でも、。。。。。
この辺になると、ついニックの肩を持ちたくなってきちゃってました。

一方父親の方といえば、
今まで独身生活を謳歌してきたというのに
すっかり父親ごころが芽生えたようで、
無意識のうちにジュールスと子供達をいっぺんに手に入れようと想うようになってしまいます。


情事発覚以来ニックはジュールスを寝室から追い出し、夫婦、家族崩壊の危機です、まぁ当然でしょう。
そうこうするうち、ジョニが家を出て大学の寮に入る日がやってきます。
家族四人でジョニの大学の寮へ荷物を運ぶのです。

雨降って地固まるなんて雰囲気じゃ無いけど、
この家族、再生していくんだろうな、と感じさせてくれるエンディングでした。
家族とは何かということを、
アネット・ベニングという役者さんが考えさせてくれるひとときを
造ってくれました。
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by asat_abc | 2011-06-11 20:03 | 映画_新作

「あぜ道のダンディ」、頑張っているおじさんへの応援歌

宮田淳一(光石研)、50歳。c0146834_2045193.jpg
配送会社に勤めるしがないおじさん。
取り柄はこれといって無い、
金がないから。
妻(西田尚美)に先立たれ、
残された息子(森岡龍)と
娘(吉永淳)との会話もない、
話題が合わないから。
話し相手は中学生からの友達、
真田(田口トモロヲ)だけ。
二人で居酒屋でくだを巻く。
たいがい宮田が興奮してどなりだし、
それを真田が止めるが、
帰宅時間は早め、
子供達の事が気になるから。
二人の子供達はお父さんに挨拶するでもなく
直ぐ部屋に籠もってしまう、
それが淳一にとってはとても寂しい。
長男の俊也は一浪、娘は高3
だから二人の受験が重なる、
二人とも無事東京の大学に合格、
家を出ることになる。
そんな時期、淳一は胃に異変を感じ
病院で検査を受ける、
するとボリープがあるという。
てっきりガンだと早合点し、
死ぬ前にやっておきたかった事をする。
息子と対戦型のゲームをしたい。
折角ゲーム機買って、息子にやろうと言うが断られる、
持ってる携帯ゲーム機の機種が違うから。
しょうがなく、真田と一緒に遊ぶ。
娘の素行も調査する。
援交している友達と遊んでいる娘、
父と真田は気が気でないうえ、娘の桃子を見失う。
必死で探すがとうとう見つからず、
桃子の部屋を覗いてみると、すやすや眠っている、
ほっと安堵の淳一。

突っ張りオヤジのダメダメ具合が
イヤになるぐらい暴かれていくが、それでも突っ張る淳一。
それがダンディというものだ。
出演者
主人公、宮田淳一:光石研
友人、真田:田口トモロヲ
宮田の息子、俊也:森岡龍
宮田の娘、桃子:吉永淳宮田の亡くなった妻:西田尚美

監督は「川の底からこんにちは」の石井裕也。

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この監督、相変わらず使う俳優が渋い。
上手い役者さんか、味のある役者さんしか使わない。
110分、2011年公開予定
ビターズ・エンド配給



世のオヤジ達が元気出るように
もっともっと核心に迫ってゆく。


宮田を見かねた真田が息子の俊也を呼び出し、
お父さんの事を考えてやってくれと説教すると
突然俊也は激昂、長男として父親を如何に思いやっているか、
いきり立ちながら、ぶっきらぼうに語り出す、その姿は父にそっくり。
そして、思いは熱い、ぐ〜1

兄弟二人とも東京での住居を探しに行く。c0146834_20485063.jpg
桃子の態度が変だ。
安月給の父親から学費や生活費を出してもらうのは忍びない、
だって私何の目的で大学行くのか目標が決まっていないと。
悩み込む妹に、自分だってそうだ、
でもだからこそ真面目に見つけようとしているんだと、
心情を吐露して慰めてあげる、兄 俊也。
ぐ〜2


二人の住居へ荷物を届けてあげ、
いつもの居酒屋で真田と一緒に飲み始める。
俊也が真田に淳一の事を頼みますと言っていた事を伝えると、
感極まった淳一は嗚咽し始める。
男は泣かないんだろうと、
中学生の頃からお互い言いつづけてきた事を言うが、
「わかってる、男は泣かないんだ」とは言うものの、
嗚咽は止まらない。
このシーンをあと10秒続けていたら
会場は涙のパニック状態になっていたはずだ、残念なシーン。

息子役の森岡龍も上手かったが、
やはりなんといっても
二人のオヤジ、
光石研と田口トモロヲの醸し出す雰囲気は絶品である。

ただ惜しむらくは
石井監督の前作「川の底からこんにちは」ほどのパワーにかけ、
こじんまりとした作品になったことだ。
満島ひかりの20代のパワーと
光石研の疲れ果てたオヤジ世代の差が出てしまったせいだろうか。
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by asat_abc | 2011-06-08 22:47 | 映画_新作

「プリンセストヨトミ」、息子へ受け継がれてゆくもの

東京から大阪へ三人の会計監査院調査官がやってくる。
その三人とは、
堤真一演じる鬼の調査官と呼ばれている、リーダーの松平、
天性の勘を頼りに何とかやっている綾瀬はるか演じる感の鳥居、
そして日仏ハーフでクールな岡田将生演じる旭ゲンズブール。

三人の目的は大阪の税金の使い方を監査する為。
大阪ならば叩けば出てくるホコリがいっぱいありそうだけど、
隠すのも得意そう。
一所懸命ボロが出ないように必死に隠す攻防がコミカルです。
そんな調査対象先に今回はOJOという団体もありました。
相手は長宗我部という経理部長、のらりくらりとかわされますが、
何かこの会社には秘密がありそうです。
この会社を調べていくと、とんでもないことがわかってきました。
大阪は独立国家だというのです。

そこからてんやわんやの万城目(まきめ)ワールドが始まります。

出演者
鬼の松平 :堤真一
勘だけの鳥居 :綾瀬はるか
日仏ハーフ旭 :岡田将生
大阪国総理 :中井貴一
OJO経理部長:笹野高史
監督は「GTO」、「HERO」などの鈴木雅之
時間119分、2011年公開
東宝配給


大阪が全停止、その鍵を握るのは、トヨトミの末裔だった。

そんなキャッチコピーで大々的に宣伝され、5月28日から公開された
この「プリンセス トヨトミ」 は第一週目2位で健闘している。
(ちなみに一位は「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉」)

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「鴨川ホルモー」と同じ万城目学(まきめまなぶ)の原作だから
まるっとコメディファンタジーだと思っていたら、
タッチはコメディぽくしてるけど、真面目な真面目なヒューマンドラマだ。
その意外感が心地よく、私のこころのツボに嵌っちゃったよう。
観終わった後でパンフレットを買おうかどうか3分も迷っちゃいました。

辛口な評価が多いようだけど、私は好感を持てた。
それはテーマの時代性にあると思う。
そんなテーマについてや、ちょっと妄想気味の感想などを。。。


しょっぱなの
鳥居さんのスローモーションの走りはなんでしょうか!
時間が止まった空間で、彼女だけがスローモーションで走っている静寂さの中で
ゆさゆさと豪快にゆれる胸、あんなもの見せるならR18にしないと!(笑)
恋人と一緒に映画を楽しみつつ、ついでに(密かに)ファンの綾瀬はるかを
観ようと思った男性は、ちゃんと彼女の視線をクリアできていましたか?
余分な事を心配させる冒頭シーンでした。
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原作は読んでいなかったので、この話の顛末はどうなるやら、
「鴨川ホルモー」は観ていたので、
奇想天外なファンタジーになることは想定していましたが、
もっとコミカルな展開だと思っていたら、
今回の作品にはちゃんとテーマがあって、正攻法に進んでいきました。
年間予算5億円の使い道は、父親から息子へ、
息子からその男の子へと使われるならば、
学校では教えられない、大事な教育費、
変な使われ方をするよりはよっぽど価値があります。
OJOの秘密の扉から大阪国の国会議事堂への行き帰りは
とてもとても価値のある重要な儀式です。
OJOの読み方も、なるほどと、変に納得しちゃいました。

クライマックスシーンの
大阪府庁近辺での 凄い人数のエキストラ、盛り上がった事でしょうね。
あのあと、参加した人たちは、みんな夜の街にくりだして、
本当にこんな話があったら面白いのに、なんて大いに盛り上がった事でしょうね。


それと、大阪と言えば、おばちゃんパワー
阪急電車でもおばちゃんパワーを取り上げていたけど、
ここでもしっかりと取り上げていました。
大阪には
・食い倒れ人形
・通天閣
・たこ焼き
・お好み焼き
・グリコの広告塔
と、たくさん名物があるけれど
一番は、おばちゃんパワー、
見かけは凄くあつかましいけど、
この映画のように、心の中は温かくて
旦那を立てる、肝っ玉母さんなんだ、な~んてね。
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by asat_abc | 2011-06-05 23:49 | 映画_新作