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「ジュリエットからの手紙」、幸せな気分になれます

出演者
ソフィア:アマンダ・セイフライド
クレア:バネッサ・レッドグレーブ
クレアの尋ね人、ロレンツォ:フランコ・ネロ
ソフィアの恋人、ビクター:ガエル・ガルシア・ベルナル
クレアの孫、チャーリー:クリストファー・イーガン
監督はゲイリー・ウィニック、
残念な事に今年2月、49歳で亡くなったそうだ。
過去に「シャーロットのおくりもの」など。この作品が遺作になる。
105分、2010年制作
ショウゲート配給

観終わった後で幸せな気分になることが出来た。
周りの帰り客もニコニコしながら映画の感想を話し合っていた。
黙っている人でも顔は心持ち微笑んでいるように思えた。
そんなこころに優しい映画だ。

ソフィアと彼氏のビクターは婚前旅行にイタリアのベローナにやって来る。
ベローナはロミオとジュリエットで有名な観光地。
ソフィアの目的は美しい景色を観光すること。
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一方ビクターは、ニューヨークで開くレストランの為の食材さがしだ。
目的が違うのでなんとなくお互い合意しつつ、単独行動する事になる。
ソフィアは早速ジュリエットの家に行く。
あのロミオとジュリエットの舞台となった家だ。
恋に悩む女性達がその家の壁面に恋の悩みの手紙を貼り付けていく。
それをジュリエットの秘書という女性達が回収し、返事を書いているのだ。
物珍しさに好奇心も加わり、ジュリエットの秘書達の仲間に入れてもらったソフィア。
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彼女は偶然、壁の中に入っていた50年前の手紙を見つけ出し
返事をかかせてもらう事にする。
手紙の主はクレアというイギリス女性、
その女性にジュリエットの秘書として
真心を込め必死に手紙を書く。
すると数日後、
イギリスからクレアが孫のチャーリーと一緒にベローナにやって来た。
50年前の彼、ロレンツォを探し出す為に来たというのだ。
ソフィアは一緒に手伝わせてと願い出て、
クレアと彼女の孫のチャーリーと三人で50年前の彼を探し出す旅に出る。
最初はチャーリーとオオモメ、意見が合わない。
彼からすれば、
心に秘めていれば傷つく事は無いが、
見つからなかったり、死んでいたりすれば悲しみは深い、
おばちゃんを悲しめたくない、
結果次第ではこれからの生き方にも影響を及ぼすのだからと、
そりゃそうだ、正論だ!
c0146834_10283349.jpgだが、クレア自身が探すのを望んでいるのだ。
そんな気持ちを同性のソフィアは痛い程わかるだけに、引き下がるわけにはいかない。
早速三人の人捜しの旅は始まる。
直ぐに、ロレンツォの家を探し当てた。

結果は?

残念な事に人違いだ。


尋ね人と同姓同名が70名以上もいるらしい。

気を取り直し、的を絞って尋ね人を探す事にするが、
人違いばかり、だがイタリア人は熱い!
人違いのロレンツォさん達、
自分だったら手放さなかったとか、
人違いで良かったらいつでも待ってるとか、
女性にはマメで優しい。
まぁその優しさも、旦那を一緒に連れて行ってと
逆に奥さんに言われてしまうおじいちゃんもいる訳ですが。

ベローナ近辺の景色が美しい事、素晴らしい!
そんな旅を続けているうちに
c0146834_10301814.jpg最初は反目していたチャーリーとソフィアの関係も段々と打ち解けてきて、
ソフィアの気持ちが揺らいでくる。
ビクターの事は好きだけど、自分の事を中心に行動する彼が
彼女には不服に思える時がある。
頭の中ではお互いに干渉せず、ベストな行動をする事が良いことだと思っているのに
感情的にはいつも一緒にいたいと思っているのだ。

その感情とどう向き合うか彼女にとっても自分探しの旅だったようだ。


だが、クレアの旅の最大のピンチがやってくる。
そろそろロレンツォ捜しも終わりかけ、
その風景もなじみがあるという場所だというところで、
ロレンツォの事を聞くと墓地へ連れて行かれたのだ。
沈痛な面持ちのクレアを見かねたチャーリーは、
だから言ったんだ!などとほざきたてる。
この場面では、流石にソフィアも返す言葉が無くめげてしまいます。
それを救ったのはクレアです。
チャーリーを諭すように教えます。

クレア役のバネッサ・レッドグレーブって良い人ですよねぇ〜、
日本でいえば、八千草薫のようなイメージです。
一言一言が胸にしみ込んできます。


3人は目的を果たせず帰り道につくのですが、さらにここから最後の感動があるのです。
やっぱりこの作品も公開前なので、1ヶ月後に書き足す予定です。
※観た人ならばわかると思いますが、肝心な部分は意識的にオミットしています。

劇場で観ていたら確実にパンフレット購入作品。
もう一回観ようかな、と思っている映画ですが、
文面にするとそれが伝わらないのは残念です。


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by asat_abc | 2011-04-30 22:32 | 映画_新作

「エンジェル・ウォーズ」 ゲーム感覚で映像を楽しむ

去年から3D映画が本格化してきた。
初めて見た「ファイナル・デッド・サーキット」では、
破片が顔に当りそうな感じで思わず顔をのけぞらしてしまった。
映画の内容と言うより、その画像に新しい感覚を受けた。
第2弾は 「トロン」
ストーリーも面白く、浮き出してくると言うイメージよりも、
奥行きを感じさせる映像だった。

実はこの「エンジェル・ウォーズ」、3Dではないが
この作品こそ是非3Dでやって欲しかった。
「300 スリーハンドレッド」や「ウォッチメン」のザック・スナイダー監督の
映像は素晴らしかった。
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だからこそ、その映像を3Dで見られたらどんな感じだったろう、と思った。

ストーリーも一工夫してあり、観客をゲームに参加する事を勧めてくれる。

我々はエミリー・ブラウニングc0146834_1172388.jpg 演じる ベビードール を操ってゲームに参加する事になる。

彼女、最近アメリカで注目の若手女優のようだが、当初 この役は アマンダ・セイフライドがオファーされていたようだ。
と、いうことは ベビードール は見た目 よわっちい くせいに、バッタばったと敵を倒していくという 意外性を考えて創られたようだ。


彼女の出演作は「ゲスト」、韓国映画「箪笥」をリメイクした作品らしい。日本ではDVDのが発売のみ。


小柄で、ミニモニ系キャラのベビードールが 無実の罪で精神病院に収容され、5日後にはロボトミー手術される事になっている。
手術の前に脱出する為 4人の仲間と 脱出の為の4つのアイテムを手に入れようと敵のチーボスと戦い、最後には。。。






彼女を助ける魅力的な仲間は


アビー・コーニッシュc0146834_10414140.jpg
スイートピー役、ロケットの姉

「プロバンスの贈り物」で亡くなった叔父をたずねてくる可憐な女性を演じていた


「エリザベスゴールデンエイジ」は、 うぅ~、残念、記憶にない


「ブライト・スター いちばん美しい恋の詩」ではジョン・キーツの恋人、ファニー・ブローンを可憐に演じていた。特にそのときの彼女は刺繍の腕前が素晴らしかったが、今回はそれを機関銃に持ち替える。







ジェナ・マローンc0146834_1133257.jpg
ロケット役、スイートピーの妹



彼女の役は当初 エヴァン・レイチェル・ウッドにオファーが出されていたようだ。


ジェナちゃん、「プライドと偏見」に出ていたらしい。
「イントゥ・ザ・ワイルド」では主人公の妹役だったと思う、きっと。











本作では、直ぐにベビードールと打ち解け支援者になる。顔の印象とは違い、心温かい熱血女性だ。



c0146834_12232.jpgバネッサ・ハジェンズ、ブロンディー役

「ハイスクール・ミュージカル」シリーズで既に有名。























ジェイミー・チャンc0146834_12131087.jpgはアンバー役だ。

















彼女、ドラゴンボールではチチ役



以上のような魅力的な五人の女性が刺激的なコスチュームで暴れまくるのだが、意外なほどセクシーさ感じず、爽快感の方が強い。
結末の意外感は座興として、映像を楽しめばよいと思う。


気分が滅入っている時には最適だが、詳細にこだわってしまうタイプはダメかも。。
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by asat_abc | 2011-04-30 16:49 | 映画の事

「岳」、小栗旬と長澤まさみのコンビです

監督:片山修
出演者
島崎三歩:小栗旬
椎名久美:長澤まさみ
山荘食堂のおばちゃん:市毛良江
山岳隊隊長:佐々木蔵之介
山岳隊隊員:石田卓也
125分、2011年制作
東宝映画

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山岳人間ドラマは直ぐ幕を開ける。
不注意な行動で雪山を登っていた青年が滑り落ち
クレパスの中で体をくの字にして落下を防いでいる。
温度は氷点下25度、もっても数十分、山岳救助隊に救援電話が入るが、
到着までに一時間はかかってしまう。
そこで既に山にいるボランティアの島崎三歩に電話を入れる事にし、
それから現場に駆けつける。
椎名久美は勤務先になる山岳救助隊に丁度やってきていて一緒に駆けつける。
連絡を受けた三歩はダッシュで現場に向かい瀕死の遭難者をおぶって救い出す。
遅れて山岳救助隊が到着、そんな三歩のかっこ良いシーンから始まる。
そして久美は三歩に興味を抱く。

渋谷を歩いていてこの映画「岳」のでっかい看板を見つけたのは2月の事だ。
公開は5月7日から、小栗旬と長澤まさみのコンビだったら
そんなに宣伝しなくてもそれなりに入るんでは?なんて思っていたし、
今日の試写会もめちゃ混みだ、なんて思っていたら、予想に反して空席が目立った。
確かに長澤まさみは旬が過ぎたって感じはするが、小栗旬は今がまさに旬?

今回の役柄がどうだったかなどと言うことはあとに譲る事にして、
小栗旬による、小栗旬の、小栗旬の為の映画
である事は確かだ。
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話は長澤まさみ演じる椎名久美の視点から語られる。
彼女が一人前になる上で三歩はとても重要で
山岳救助に関するイロハを教わる。
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雪山での歩き方とか、もしも転んで滑り落ちる羽目になったときの対処方法とか。
そんな三歩に必死についていこうとする反面どうしても理解できない部分を感じる久美。
いくつかのエピソードを絡めながらふたりの理解は深まってゆく。
久美が切り立った斜面で登山の練習をしていると、突然何かが落下してくる。
その場に行ってみると若い男が倒れている。
背負って助けようとするが背負った若者が急に重く感じる。
絶命したのだ。
隊長に死体をその場から落とせと言われるが、できない。
その場に駆け付けた三歩はその死体を傷つかないようにくるんだとはいえ、
物でも扱うように、死体を放り投げる。
久美には死体に慣れ過ぎた異常な行動に思え、我慢出来ず反発してしまう。
その上、安否確認に来た(死者の)両親にお前のせいでこうなったんだ、
土下座しろと言われ、
土下座までする三歩の行動は到底理解できない。
確かにこのシーンは私もどうかなぁ、と思ってしまった。


次のシーン、
援助を求められ駆け付けてみれば、まるで散歩にでも来たかのような軽装だ。
なのに三歩ときたら、まっている間心細かったはずだなどといって
軽はずみな行動を取った相手を簡単に許してしまう。
それが我慢できず、一人腹を立てて下山する久美。
ところが下山中に足を滑らせ自分が遭難してしまう。
真っ暗になって心細さが実感としてわかったような気分になった。
何とかライトを見つけ出し、三歩に教えてもらった遭難信号を送る。
おかげで何とか救助されたが、おもいっきり自己嫌悪。
職場へ行けずぼ〜っ部屋で過ごす久美の元へ隊長がやってきて、
三歩の事を教えてくれる。
彼には無二の親友がいて、彼といつも一緒に山を登っていた。
その親友が断崖絶壁から落下、即死した。
三歩は親友を二日間背負い詰めで山里に辿り着く。
山に入ったら何が起きるかわからない。
だから出来る限りお腹いっぱいにしておくんだ、
という三歩の言葉の意味がわかったのだ。


c0146834_22331744.jpgそして、最後のクライマックスがやってくる。
穏やかな天気が一転猛吹雪になった。
二人の親子連れ、三人のパーティー、7人のパーティー、3グループが消息をたった。
いち早く山の連絡場所に辿り着いた三歩の連絡のおかげで
親子連れ以外は無事に救助されるが、久美が向かった親子だけは消息不明、
彼らを助けにいくのは久美一人。
彼女は助け出すことが出来るのか。


流石にまだ公開前なので、この続きは、1ヶ月後に付け足します。


漫画が原作にあり、主人公のイメージを損なわないようにするため、
小栗旬の持つ格好良さが今一だった、というのが私の見たてです。
三歩はかなり単純化された設定で、自転車に例えると二段変速の男です。
幼稚で純粋で人を疑うことを知らない前向きの人間
もう一つは真面目で誠実で
どちらにしても優等生です。
でも小栗旬の魅力は、表面的には冷たいクセに
心は温かいニヒルな役です。
もっと自分の魅力に合った役を演じて欲しいものです。

暇だったら観ればぁ〜
それが偽らざる感想です。
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by asat_abc | 2011-04-26 20:57 | 映画_新作

「リリィ シュシュのすべて」 、蒼井優がゲストで登場!

ケーブルテレビ局で「日本映画専門チャンネル」というチャンネルがある。
その局の名物番組「日曜邦画劇場」が500回を迎えたと言う事で、
最初で最後の公開収録を行なった。
プログラムは
・この番組の支配人である軽部真一のトーク
・「リリィシュシュのすべて」の試写会
・岩井俊二監督と軽部支配人とのトークショー

最初に司会者の相川梨絵さんが登場
フジTVの司会者との事ですが、記憶にありません(ごめんなさい!)
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そして直ぐに軽部真一の登場です、と思ったら
男おばさんコンビの笠井アナも飛び入り乱入です。
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二人で映画談義を賑やかに語ります。今までの歴代の映画は何?なんと軽部さん、邦画劇場の司会だと言うのに、ベスト10に邦画が入っていませんでした。それから、観客に対する質問コーナーを実施。いままでの映画解説に関する質問で、大杉漣サンがゲストの時、軽部支配人がした事は何か?とか 「秘密」での広末涼子の最後の無言での演技シーンは何秒だったか?などなど、 正解者には、軽部支配人の使ったネクタイが渡されていました。


次はお目当ての「リリィシュシュのすべて」の試写
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この作品には、市原隼人、忍成修吾、勝地涼、蒼井優、伊藤歩などなど、
当時まだ名もなき若手俳優たちが参加。
特に蒼井優、市原隼人はこれがデビュー作。
壮絶な中学生を演じていました。
この作品の話は別の機会に譲るとして

試写会終了後は
軽部支配人と監督の岩井俊二のトークショーと思いきや
蒼井優がスペシャルゲストとして登場しました。
実は生の蒼井優を見るのは今回で二度目です。
そのときも感じたけど、兎に角顔が小さい!
そして今回は、賢そうな印象を受けました。
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優ちゃんの言葉で印象的だったのは、
それまで何度も何度もオーディションを受けていたけど、連戦連敗で
自信がボロボロになっていたとき、初めて岩井監督に見出された、という事。
( 案外世間の人は見る目がなかったわけですよね。)
それが、この映画が評価されると今度はオファーがたくさんくるようになったそうです。

岩井監督から見た彼女は、不思議ちゃんだったようで
彼女の携帯電話をそのまま、映画で使ったと言ってました。
ベットに寝そべりながら市原クンに電話しているシーンがあるのですが
ストラップだらけで電話が見えないのです。
その電話君、もっと肝心なところでも活躍しています。
今でも電話はあんな感じ?と聞かれ、
あの当時は誰かからストラップをもらったとき
これは使って、これは使わないというのは失礼に当ると思い
全てつけていたけれど、今は1個もつけていないといっていました。

この映画で監督は蒼井優という役者を評価し
原作のイメージと彼女とは違っていたので脚本の大きな変更を余儀なくされた。
これまで大きな内容の変更をしたのは、後にも先にも彼女が初めてでした」
といっていました。
現在編集中の最新作 『バンパイア(原題)/Vampire』 にも
彼女を起用しているといってました。
カナダで取った作品で、日本人は彼女だけだとも言ってました。
彼女せっかく英語を特訓し、見事な発音で望んだら、カナダのスタッフに
たどたどしい英語にするようにと注文がついたと言ってました。

優ちゃんにとって「リリィシュシュのすべて」という映画は
「いい思い出であり、誇りですね。
わたしの仕事はここからから始まったと思うと心強いです」
と誇らしそうな表情になっていました。

今回は、収録の時のお話でした。
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by asat_abc | 2011-04-25 06:14 | 映画_ゲスト

「ザ・ファイター」、役作りにこだわるベール

監督:デビッド・O・ラッセル
出演者
主人公ミッキー・ウォード:マーク・ウォールバーグ
兄ディッキー・エクランド:クリスチャン・ベール
母親アリス:メリッサ・レオ
恋人シャリーン:エイミー・アダムス
107分、2011年制作
アメリカ映画
ギャガ配給
PG12


ディッキーはかつてシユガー・レイと戦いダウンを奪ったボクサー、
兄の背中を追って弟ミッキーもボクサーになった。
彼等家族をまとめあげるのは母親アリス。
息子2人に娘7人、それと何人目かの旦那1人、合計11人のゴットマザーだ。
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ディッキーはいまや過去の栄光にすがる麻薬ドランカーに成り下がっており、
頼りはミッキーだというのに、まだディッキーとの過去の栄光をアリスも忘れきれず、
一緒になってミッキーの将来を台無しにしている。
そんなときミッキーに彼女が出来、それを転機に家族から離れ
ボクサーとして再起を図ると連戦連勝、
ビックチャンスが訪れるが、勝利に燃えるミッキーの気持ちは揺れ動く。
それはトレーナーとして兄の力が必要だからだ。

ご存知今年のアカデミー賞で助演男優賞と助演女優賞を取った作品だ。
兄ディッキー役でクリスチャン・ベールが、母親アリス役でメリッサ・レオが受賞した。
役作りの為ベールはきっと10キロ以上減量したのだろう。本物のボクサーさながらの体型だ。
歯も抜いて取り組んだらしい。
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物語は、ミッキーがシャリーンと知り合うあたりからはじまる。
ある試合のとんでもないマッチメークでミッキーは、母や兄に対する不信感が募りはじめていた。
対戦相手はロートルからマッチョマンの若手に直前に代わって、
その若手の方のウェイトが10キロも重いときてるのだから、完全に噛ませ犬状態だ。
それでも意志軟弱な彼はごねるだけで強くは切り出せず、
家族の呪縛から離れることが出来ずにいた。
そんなときにシャリーンと付き合い始め
彼女の影響を受け始める。
彼女のせいで言うことを聞かなくなったミッキーを危惧し母アリスは猛烈にシャリーンを非難する。
7人の女姉妹の中にはミッキーを弁護するものもいるが、
強烈なアリスに適うものなどおらず、
結局弟ミッキーをたぶらかす悪い女シャリーンをやっつけについて行ってしまう。
そこでミッキーをめぐっての女同士の取っ組み合い髪の引っ張り合い、
キャットファイトにまで発展する。
ここまでくると流石に気の弱いミッキーでも一大決心し、
家族から離れシャリーンと一緒にボクシングを再開する事にする。
彼の為に捨て身となって家族と離れるという選択をさせたシャリーンは凄い!
エイミー・アダムスが演じているのだが、当然彼女も助演女優賞にノミネートとされている。
この役では母親アリスに負けず劣らずの気の強さを発揮し、
その頑張りはミッキーの為だとビンビンと伝わるのだ。
もともと運に恵まれていなかったというより、
母親と兄のせいで噛ませ犬のような試合ばかりさせられていただけだから
普通のマッチメークさえしてもらえれば、連戦連勝、たちまち世界ランカー入りだ。
だがこの経緯でミッキーは自軍のセコンドの策のなさにも気付いていた。
大きな問題を抱えているとはいえ、デッキーの戦術眼はするどく的確なのだ。
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題名からファイトシーン中心のサクセスストーリーとばかり思っていたら、
母や兄から自立し、最後には家族全員で成功を勝ち取るという家族ドラマだった。

ペースにあるのはミッキー・ウォード。
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彼の戦った試合はアメリカのボクシング雑誌で三年連続ベスト試合に選ばれている。
世界タイトルがかかっていない試合で、それも三年連続で選ばれる程だから、
どつきあい が好きな選手なのがよくわかる。
だが、私生活はまるで別人で
(エンドロールの際本人が出てくるとそれが一目でわかるのですが)、
その主人公ミッキーには優柔不断な感じがするマーク・ウォルバーグが演じていた。
アクの強い兄と母親にクリスチャンとメリッサを配したのだが、
賞の方もアクの強い2人に持って行かれて、
映画ともどもマークは可哀想である。

せめて、主演男優賞にノミネートでもされれば良かったのだが。


さあ、映画のラストをかざるのはやはり試合のシーンだ。
戦術眼を持つデッキーをトレーナーに引き連れ、
WBU世界タイトルのためにイギリスへ行き、激戦の末、
見事無敗の王者を叩きのめすというハッピーエンドで終わるのですが、
残念なことにこのタイトルを管理しているのは、イギリスのローカル団体なので、
一般には世界チャンプとは認められていないようです。
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by asat_abc | 2011-04-21 12:51 | 映画_新作

「婚前特急」、スナック菓子の趣です

吉田弘二監督
出演
主人公チエ:吉高由里子
親友トシエ:杏
恋人3西尾:加瀬亮
恋人5田無:浜野謙太
恋人1美容院オーナー:榎木孝明
107分、2011年制作
映画
ショーゲート配給

ここのところ硬派な洋画が続いていたので、
急にかる〜い邦画が観たくなって、以前より注目していた吉高由里子主演の「婚前特急」を衝動的に観に行っちゃいました。
劇場はガラガラと思いきや、凄い混雑。
もう前列側三列までしか残っていないとのアナウンス。
結局手に入れたチケットは2列目の真ん中側の席でした。
席につき、周りを観察すると、当たり前のごとくカップルが多い。
その次に多いのは、ギャル同士。
男一人で来ているのは。。。。。
いたいた、でも暗そう〜、きっとこっちもそう思われているんだろ〜な、なんて勝手に納得。


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さて、本題の映画の方へ。
チエには5人の恋人がいる。
何かをするにはパートナーが必要だから、
その5人を使い分けすると自分のやりたい事がカンタン気ままに楽しく出来るという一見合理的な考えからだ。
美容院を数店舗経営している中年オーナーは最新流行の視察と称し海外旅行に連れて行ってくれるが、最近奥さんの締めつけが厳しく自由が利かなくなってきている。
バイクショップを経営している若いボンボンはエネルギッシュで気分を発散させてくれるが、飽きっぽくって趣味がコロコロ変わりそのたびにつき合わされる。
食品会社の営業部長は聞き上手てOLのチエに適切なアドバイスをくれるが、飲むと説教臭くなる。
年下の大学生は可愛くって自分のペースで進めれるが、時折自分の年が気にかかる。
最後にハマケン演じる田無、ラクで気を使う必要がないが、たまにチエのCDなどを勝手に持って行く。

チエの高ビーで自己チューで勝手気ままな考えを
姉のようにいつも受けいれてくれていたトシコが突然結婚する事に。
その結婚式で次の花嫁になるというブーケを受け取ったチエの心の中で何かが動き始め、恋人の査定が始まる。
チエは自分自身に必要な人を決めるために、一人づつ絞っていくことにし、まず田無と別れることにする。


主人公チエ、その親友トシコと名前もベタだが、ストーリーもベタである。
程よいスピードのストレートを何のテラいもなく投げ込んでくる。
こちらとしても単純明快直感的に笑えて楽しめるものを期待していたので丁度良い加減だ。
胸を締め付けられるような感動的なシーンはないが、
それなりに楽しのだあとにチエ、良かったねとエールを送れる心地よさは残るハズだ。



ストーリーの核心に迫って行く。
美人をはなにかけ高ビーで自己チューで高慢ちきなチエが恋人一人一人を切り捨てていき、最後にその選択を振り返って、
本当の相手を見つけるのだろうとおもったら、
最初の田無のところで思いっきり躓いてしまう。
田無にチエが別れ話を切り出すと、
俺達最初から付き合ってないから別れる必要ないよ、今まで通り体の関係だけ続けようと言い返される始末。
自分に都合よく考えているのは自分だけでなく相手もなんだと思い知らされる。
挙げ句に、田無の好きな子ミカちゃんの仲介役までやらされる始末だ。
田無の好きなミカちゃんがヤリマンだとの噂を聞きつけ(本当はチエの方だろうと思ったが)教えてやれば、
彼女の精神は汚れていないなどと、訳のわからない事を言い出す始末。
ズバッと嫌われるようにクサイ誘い方を教えてやれば、
逆に上手くいってしまい、彼女のアパートでホームパーティーをやることになる。
気持ちがおさまらないチエは別の恋人西尾を一緒に連れて行き
一矢を報いようとするが自分だけ浮いてしまい、
みんなの前で田無にキスし、部屋を飛び出す。
なんとチエの方が田無に惚れちゃったということなのです。
田無も実はチエに惚れているので直ぐに追いかけます。
実にベタな恋愛ストーリーなのですが、田無役のハマケンが実に良い味を出しているのです。
そこからは、恋愛もの特有のバタバタした言い争い事から、
チエが田無を暴行しているとの近隣住民からの通報で警察に二人ともご厄介になるものの、
単なる痴話喧嘩と処分され釈放されます。
最後は、田無のアパートでの決戦。
実はこのシーンが何かのサイトで紹介されていて、いつ出てくるかと待ち構えていたのです。
二人が取っ組み合いの喧嘩をした拍子に、壁をつき破ってしまい隣の部屋に転がり込んでしまう、シーンです。
そこにおばあちゃんが一人ご飯を食べているのですが、
妙に雰囲気のあるおばあちゃんで、笑わせてくれるのです。

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まぁ、結局はチエという高ビーで高慢ちきで手前勝手な女の子でも恋をすれば実に平凡にアバタもエクボになってしまう、ということをわかりやすいストーリーになっているのですが、
ベタで臭い言い方をすれば、
彼女自身のこれからの人間の証明を描いているのでしょう。

ハッピーエンドは心地よいけど、最後は観ていてこちらが照れてしまうほどのベタぶりでした。
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by asat_abc | 2011-04-18 22:27 | 映画_新作

今年観た有望な子役達

今年スクリ-ンで主人公に匹敵する活躍をした子役を数人見た。

一本目は「キック・アス」の、クロエ・グレース・モレッツ
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この作品に出たときはもう少し幼さない感じでした。
もっとも日本人好みの容姿でしょうか。



二本目は「トゥルー・グリット」のヘイリー・スタインフェルド
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器量はすこし劣るかもしれないが、演技力には見るべきものがありました。
理知的な役柄が似合っているでしょうか。



3本目は「somewhere」のエル・ファニング
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お父さんにさりげなく甘える姿には色気が有ります。
順調に育てば、将来が有望です。


今年主演映画が目白押しのナタリー・ポートマンも子役からアカデミー賞女優へ
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そう言えば、もう一人将来有望な子役を見つけました。
でもすこしまだ若すぎるようです。
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彼女がどの作品に出たか直ぐわかれば、もう十分な映画通です。
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by asat_abc | 2011-04-17 23:17 | 映画の事

「somewhere」、心を澄まし感性で観ましょう

ソフィア・コッポラ監督
出演
ジョニー・マルコ:スティーブン・ドーフ、
娘クレオ:エル・ファニング
98分、2010年制作
アメリカ映画
東北新社配給

特にストーリーらしいストーリーはない。
ソフィア・コッボラ監督が感性で描いた心で観て楽しむ映画だ。

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映画スターの主人公ジョニー、
スター目当てで彼の周りを浮遊する人々、
そして一緒にいるだけでずっしりと心に染み込んでくる娘クレア。
三者の関係を「はんなま」に近い状態でドキュメンタリー風味で作品にしたような感じだ。
だから胸に響く人には至極の映画だが、
ストーリー重視の人には怪訝な感じを残す映画だろう。
はっきりいってこの映画は人を選ぶ。
作品から受けるイメージはまるっきり違うが、荻上直子監督作品に通じるところがある。
同時に映画スターとスター監督の違いはあるが、彼女の父フランシス・コッボラとの昔の思い出も含んでいるのだろう。
雰囲気だけいえば、
最近観た「ソフィアの夜明け」が似ている感じだ。

この映画で私のお気に入りは、娘クレオを演じているエル・ファニングの可愛らしさだ。
今年は彼女ぐらいの年齢の可愛らしい女の子が活躍した作品を3本観た。
キック・アスのクロエ・グレース
トゥルー・グリッドのヘイリー・スタインフェルド
この映画の、エル・ファニング
空虚な父親を引き立たせるなら彼女、エルがいちばん似合う。
彼女の、
娘と一緒だというのに部屋に女を引き入れる父親の非を責めようか責めまいかと一瞬悩んだ末に
何事も無かったように無邪気そうに許してしまう
その母性とも思える仕草にはグッときてしまう。
少女の中に女を見せたかったと思った瞬間に無邪気そうな娘に変身したのだ。
さて、感想ばかりダラダラ書き並べたが、ストーリーは奇怪なシーンから始まる。
スポーツカーがコースを1周、2周、3周。。。たしか、5周回ってようやく車から出てくる。
彼はホテル住まい。
夜は取り巻き達とパーティーだ。酔っ払って階段で転び腕を骨折、パーティーは自重、変わりに部屋に宅配ストリッバーを呼んで楽しもうとするが楽しくなく、眠ってしまう。
そんなおり、彼の前に母親が娘を預けにくる。
彼らが既に別れているのか、まだ夫婦なのか、説明はない。
預けられた娘クレオの習い事、フィギュアスケートの練習を見に行く。
クレオが三年も前から習っていたことを初めて知る。
一度は、自宅へ送り届けたが、翌日クレオが再びやってくる。
クレオとゲームで戯れる。
母親からサマーキャンプが始まるまでの期間面倒を見て、キャンプ場へ届けてくれるように任される。
引き受けさせられたジョニーはイタリアでの仕事にクレオを連れて行く。
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あてがわれたプール付きのスィートルームで楽しむ親子。
クレオを眠らせた後に女を連れ込むジョニー、翌朝三人で一緒に朝食を取る。
ロスに帰る頃にはすっかり名実ともに本当の親子だ。
ロスのホテルでの夕べ、一緒に弾き語りギターを聴く、聴きながらクレオはジョニーにもたれかかり、眠りにつく。
娘の「無私」の状態を受け止めるジョニー。
二人の関係で、ジョニーの精神バランスは微妙に崩れ始める。
ソフィアが訴えかけたいのは一体なんなのか?


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私が一番好きなシーンはギターを聴きながらジョニーにもたれかかって眠るシーンだ。
外人は人前で寝顔を見せるのを一番嫌がるという事を聞いたことがある。
クレオがジョニーとの共同生活を通して父親を心から自然に頼りにし始めたシーンだと直感的に感じた。


パーティーで共演女優とおぼしき女と会場を抜け出しエッチを始めようと、ジョニーの顔か胸元から下腹部、そして。。。。しばしの沈黙、女の怒った声。
ジョニーは寝てしまっていた、彼の放蕩ぶりを明らかに示すシーンだ。

一つ一つに何かのメッセージと何かの繋がりを持っていそうだ。
この手の映画は自分の心のツボにハマるかどうかだ、映画館で確かめて下さい。
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by asat_abc | 2011-04-13 07:11 | 映画_新作

「アメイジング・グレイス」、感動のイギリス史実

今年洋画では初のパンフレット購入作品

監督:マイケル・アプテッド
出演者
ウィリアムス・ウィルバーフォース:ヨアン・グリフィズ
バーバラ・スプーナー:ロモーラ・ガライ
ウィリアムス・ピット:ベネディクト・カンバーバッチ
チャールズ・フォックス卿:マイケル・ガンボン
ジョン・ニュートン:アルバート・フィニー
トマス・クラークソン:ルーファス・シーウェル
118分、2006年制作
イギリス映画、プレシディオ配給
ジョン・ニュートン作詞の「アメイジング・グレイス」の賛美歌の裏側には、
非人道的な奴隷貿易という制度を廃止させる為に
幾十年にも渡る政治活動を行い
殆どの政治家の反対にあいながらも、
信頼できる仲間と共に奴隷貿易の撤廃をなし遂げた
素晴らしい政治家がいた事を この映画を観て初めて知った。
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ウィリアムス・ウィルバーフォースが その人である。
彼はケンブリッジ大学で小ピットと呼ばれるウィリアムス・ピットと親しく交流し、
彼の支援、援助を受けこの難題に彼のほぼ全生涯をかけて取り組みその道を切り拓いた。

18世紀半終盤、ウィルバーは新進気鋭の弁舌爽やかな政治家として脚光を浴び始めた。
政治家になって直ぐの頃 彼はジョン・ニュートンの説法を聞き、奴隷貿易の事を知った。
そして、ニュートンからこの問題に関する大きな影響を受け、調べこの問題の第一人者となった。
そんなウィルバーだったが、同時に 神に帰依したいという思いも持ち始めていた。

彼のそのような状態を不安視した小ピットは
ウィルバーに奴隷貿易の実態を質そうとするトーマス・クラークソン等を紹介し、
政治の世界に引き戻そうとする。
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彼らの中には実際に奴隷だった者もいた。
胸にヤキゴテで刻まれた焼き印を目のあたりにしたウィルバーは、
あまりの悲惨な現実に
再び政治家としての活動を再開する。
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英国史上最年少 24歳で首相となった小ピットの援護を受けながら、
この問題を議会へ上奏する。


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世論や人道主義的な議員の台頭もあり
多くの支持を取り付けたが、
すんでのところで保守派の反撃を受け、
敗れてしまう。
そもそもヨーロッパ各国は植民地獲得を競っていた時代であり、
獲得した植民地から多くの収穫物を得る為には
多数の労働者が必要であった。
それをアフリカから強制的に奴隷というかたちで獲得していたのだ。
そればかりか、奴隷をアフリカから運んでくる奴隷貿易は
政治家達が経営する会社の大きな収入源になっていた。
東インド会社といえば歴史上名高いが、この会社は奴隷貿易で多大な収益を得ていた会社なのだ。

通ると思っていた法案が通らず失意のウィルバーの精神はすっかり損傷しており、
既にアヘンチンキ無しでは支えられない体になっていた。
活動を通し、奴隷達の悲惨さを知れば知るほど自分を責め、
悪夢にうなされ不眠症になった身体を直す為に、麻薬患者になってしまっていた。
ある意味そうなるまで思い詰めて頑張っていただけに
法案が通らなかった失意も大きかった。

そんな時期にウィルバーは妻になるバーバラを紹介された。
そして、知り合ってわずかな期間で結婚を決める。
ウィルバー38歳、バーバラ20歳。
ロモーラ・ガライのバーバラは 理知的で 気が強そうで 可愛らしい、彼を支える。
その後 アヘンチンキを止める事が出来た理由が良くわかる。
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バーバラは福祉活動に興味があり、ウィルバーととても考えが似ていた。
だから彼の活動を積極的に後押しする。
その後押しもありウィルバーは更に積極的に
奴隷貿易法案を議会に何度も何度も提出するが、そのためことごとく跳ね返された。

このとき既に、ウィルバーは47歳になっていた。
彼の運動の協力者の一人で弁護士のジェームズ・ステファンのアドバイスで
戦術変更にでる。
奴隷貿易を廃止する法案を提出するのではなく
奴隷貿易を行なっている国、特にフランスの支援を禁じる法案を提出したのだ。
実は奴隷貿易の7割方はイギリス船が関与していたのだ、だからこの法案は
実質的には奴隷貿易にイギリスが関与できないことになる。
この法案で利権を得ていた反対派は、なし崩しになり、
とうとう1807年に奴隷貿易法が成立した。

その後もウィルバーは博愛主義的な活動を続けるのだが、
彼がその生涯をかけ 当時誰も手がけれず
不可能と信じられていた奴隷貿易廃止の活動を行なった事により
得たものは大きい。
最愛の妻、信頼できる仲間達。
妻との間には6人の子供をもうけたようだ。
仲間とも その課題が困難であればあるほど結束できる信頼関係を得る事が出来た。
ドン・キホーテのように巨大な敵と戦ったのだが、
彼のように自分だけにしか見えない敵ではなく、
一緒に観る事の出来る友、妻、仲間と戦うことが出来、
ウィルバーの人生はとても幸せな人生だったのではないかと
私には思えてならない。
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by asat_abc | 2011-04-09 10:27 | 映画_新作

2009年東京国際映画祭グランプリ 「ソフィアの夜明け」

カメン・カレフ監督
フリスト・フリストフ、オバネス・ドゥロシャン出演
89分、2009年制作
ブルガリア映画
2010年第22回東京国際映画祭で作品賞、監督賞、男優賞の三冠を取った映画。
そのときの題名は「イースタン・プレイ」
男優賞を取ったフリストはクランクアップ直前に急逝。

この映画を観る前にブルガリアという国を知っておくと、主人公の気持ちが良く理解出来るのだと思う。
逆に素養がないと退屈で、独りよがりでなんでこの映画が賞を取ったんだろうと思うだろう。

家を出て自活している30歳代後半の兄イツォを中心に、思春期真最中の弟ゲオルギを描く事によってブルガリアの今を風刺的に語っているように思えた。

主人公である兄は元薬物使用者で今は通院して治療している。
薬物からは逃れられたが、今はアルコールにすっかり依存した生活をしている。
何かにすがっていないと自分を支えられないのだろう。
信仰も政治も人すら信じられない、そんな風になってしまった過程は描かれていない。

一方弟も若さをどこへぶつてよいかわからず、ネオナチ団に入り、ごろつき行為をし始めようとする。
ある日そのネオナチ団が隣国のトルコ人旅行者家族を襲っていた。
父親、母親、娘の三人の家族だ。父親は既にボコボコにされており、その加害者のひとりは弟だ。
偶然そこをイツォが通りかかる。
一体何をしていると、止めにはいる主人公も彼等にボコボコにされるのだが、
偶然ぶつかった車の警報装置が鳴り始め彼らは逃げ去る。
弟との久々の再会は、痛い再会だった。
何とか救急車を呼びトルコ人家族を病院へ連れて行き、それがきっかけでウシュルとのほのぼのとした交流が芽生える。
久々に食事時の家に帰るイツォ。
父親、継母、弟三人の食卓に加わるが、異協和音が奏でられる。
そもそもこの継母には兄も弟も馴染めそうにない。兄がこの家を出たのは、
この家庭だからかもしらない。
そういう意味では家庭は国家の縮図を指している。
彼が信じるに足るものを何も与えてくれないようだ。
彼は無力感を再認識して家を出る。
弟は兄が何故家に来たかわかっているだけに、イツォのあとを追う。
二人はお互いを思いやりながら、さりげなくトルコ人の事件の事を話す。
カッコ付けるのは頭だけにしておけと諭す兄に素直に従う弟。
弟にはまだ信じる事が出来るものがあるようだ。
その後、ゲオルギは仲間にボコボコにされながらも、ネオナチ団から抜け出す。
兄のイツォにはトルコ家族の娘ウシュルから電話がかかって来て、会うことになる。
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彼女の凛として未来を信じる明るい笑顔に一縷の望みを託そうとした時、
彼女の帰国の日が早められてしまい、
再び澱んだ現実に引き戻されてしまう。
やるせないイツォは病院で診察を受けるが、そこから跳ね返ってくるものは何もない。
明け方に街をさ迷っているとひとりの老人に出会う。
彼に誘われて部屋について行くと、安らかなまどろみを得ること出来た。老人は彼の未来の姿なのか?

求めるものが見つかるのか、いや何を求めようとしているか、
イツォの彷徨は続く。
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by asat_abc | 2011-04-05 23:49 | 映画_新作