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「神々と男たち」、事実通りの演出?

グザビエ・ボーボワ監督
ランベール・ウィルソン、マイケル・ロンズデール出演
2時間3分、2010年フランス制作
マジックアワー配給

どこかで見た顔だと思ったら
ランベール・ウィルソン、
彼は「華麗なるアリバイ」で、みんなに愛されるブレーボーイで、
そして殺される役を演じていた。
今回は誠実で志しが高い修道士だ。

マイケル・ロンズデールは「アレキサンドリア」で主人公の父親役?
をしていた体格の良い白髪の老人で、
今回も実直で、真面目な修道士役だ。。
出演者達をけっこう色んな映画で見ているけど、
意識して覚えないとまたあの人だでおわってしまう。
日本の役者さんでいえば、田口トモロヲや光石研といったところか。

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さて、この映画は1996年アルジェリアで
7人のフランス人修道士がイスラム原理主義者と見られる武装グループに
誘拐、殺害された、その事件が起こるまでの経過を描いた人間ドラマ。

修道士達はその村人達と一緒に苦労も楽しみも味わい生活をしてきた。
修道士達がこの村に来てから村の体をなしてきたのだ。
生活に困った人には手を差し伸べ、
無私の奉仕を提供する。
修道士の中には医者もいて、教会は村の唯一の病院でもある。
村人とのコミュニケーションも良く取れていて、信頼されている。
そんな関係にひびを入れたのは反政府軍の武装グループ、政府と激しく争っている。
彼らの仲間が怪我をして、教会の病院から薬を略奪しようとするが、
修道士達は村人への薬さえ満足に提供出来ていないと、拒む。
この時は、武装グループのボスが人格者で、難を逃れた。
だが9人の修道士達の真の苦悶はここから始まったといって良い。
政府からは危険だから国外退去するように言われていたからだ。
かねてより武装グループは外国人を捕らえ殺害していた、
その危険がいつ9人の身に振りかかってもおかしくない状況になってきたのだ。
教会の病院にも武装グループが手当てを受けに来て、
住民達は徐々に病院に寄りつかなくなってきている。
住民に武装グループが支持されていない事がわかるシーンだ。
9人の修道士達はこの地に留まり布教活動を続けるべきか、
母国に帰るとべきか何度も議論を戦わす。
そしてこの地に留まる事を決断する。
その決断が冒頭の結果につながるのだが。


志しに燃え、この地に留まる考えがぶれることなく結論を出した修道士がいる一方、
揺れ動く心で帰国を望むものも当初はいたのだ。
だがお互いの志しを確認するうちに、
自らの揺れる気持ちを整理し、ここに留まる事を全員が決めたのだ。
最後の晩餐、一杯のワインと音楽が彼等の心を癒していく。
そんな事があった後、反武装グループが修道士達を襲う。
とっさにベッドの下に隠れた二人以外は、誘拐され、
政府に捕らえられている武装グループとの交換が要求されたが、
交渉は纏まらず、彼らは命をたたれる。


自らの志に殉死した修道士達に、合掌。



自分の生き方を考えてみるには最適なテキスト、
でも少しばかり退屈するかも、です。
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by asat_abc | 2011-03-30 20:14 | 映画_新作

「アンチクライスト」、女は悪魔なのか?

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ラース・フォン・トリアー監督
シャルロット・ゲンズブール、ウィリアム・デフォー出演
104分、2009年制作
プロローグ、本編4章、エピローグから構成されている。


ある夫婦が愛し合っている最中、赤ん坊がベピーサークルをよじ登り、窓から転落死してしまう。
自責の念にかられた妻は心を病んでしまい、
セラピストの夫と一緒に山小屋で治療の為に過ごす事にする、そこでの出来事

難解な作品で世間の評価も賛否が真っ二つに分かれているようだ、
登場人物はほとんど二人、
セリフもかなり少ない。
ショッキングなシーンは目にこびり付き、
チラシのエロさに気をとられていると最後のグロさに失神しちゃいそうになる作品だ。
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心を病んだ妻をセラピストである夫は自分の手で直してあげようと、
彼女の内面にある恐怖を浮き彫りにした結果、
選んだ治療場所は彼らが所有する山小屋。
そこで彼女の内面を覗き込んだ結果わかったことは、
彼女の精神は元から病んでおり、
今回の件で表面化しただけだったのだ。

トリアー監督には女性嫌いの評判もあり、
この映画は女性蔑視だという声もある。
この主人公の女性がただ単にそんな役回りだったのか、監督の偏見からそうしたのか、それは良くわからない。
そんなことよりは、まず監督の意図を理解してみたい。

山小屋に彼女は良く着ていた。
ひとりで来ることもあれば、子供と一緒に来ることもあった。
彼女はそこで悪魔を研究していたのだが、
同時に彼女の精神は徐々に蝕まれていた。
あろうことか子供にまで陰湿なイジメを行っていた。
夫の診療が的確であればあるほど、彼女の悪意は研ぎ澄まされ、
とうとう狂気が爆発する。
彼女の偏った悪意は夫の脚に向かう。
彼を不意打ちし、失神させ、
その隙に彼の脚に車軸をつけてしまう。
これが見ている方にもジンジンと伝わってくるほど痛いのだ。

夫はこのままでは、殺される危機を感じて逃げるのだが、
簡単には逃がしてくれない。
その悪魔に心を捧げてしまった妻を打ち倒し、彼は山を降りていくのだ。

本当に怖いのは、
いつの世も


人間だ!

悪魔じゃない!
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by asat_abc | 2011-03-28 22:29 | 映画_新作

「クロッシング」、絡み合う三人の運命


最近同じ題名で北朝鮮からの脱北を描いた映画があるが、
それとは違いますので、悪しからず。

アントワン・フークア監督
リチャード・ギア、イーサン・ホーク、
ドン・チードル、ウェズリー・スナイプス、ウィル・パットン出演
132分、2009年制作
アメリカ映画
プレシデオ配給

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リチャード・ギア演じるベテラン警官のエディ、
イーサン・ホーク演じる麻薬捜査課刑事サル、
ドン・チードル演じる覆面捜査官タンゴ、
そして、ウェズリー・スナイプス演じる
ドラッグディーラーのキャズが繰り広げる犯罪群像劇。

エディ(リチャード)は独身、
自分なりの価値観で警察官という職に就いている、
端から見れば職務遂行を疎かにしている
お気楽な警察官だ。
いつもの凛々しいリチャードとは別人、
定年間近のしみったれたオッサンを演じている。

サル(イーサン)は熱血タイプの麻薬捜査官だが、
家庭の悩みを背負っている。
今住んでいる住居では妻の健康に良くない。
妻の為に環境の良い家に引っ越したいと思っている。
イーサンは心優しい、
でも家族の為に不正に手を染めようとする男を演じている。

タンゴ(ドン)は潜入捜査官、
マフィアのボスのキャズを重罪で検挙するために内偵しているが、
キャズの魅力に惹かれ、その役割を放棄しようと思い始めている。


この三人三様、心がさまよっている。
そんな三人がキャズ一味が麻薬を作っているアパートに
別々の事件で導かれてしまう。
そして、二人には悲惨な結果が待ち受けている。
そんなドラマだ。


今年に入ってからマザコンに起因する悩み事を描いた作品が
多かったので、
ようやく人生を生き抜いていく上で生ずる骨太の作品を観たような気がする、
といっても悩んでいるときはだいたい女々しいものだが。
女々しいと書く事は失礼かもしれない、
悩んでいるときはだいたい男の方がもっともっと情けなくなるから。

最後の決着の付け方。
サルは札束をギャングから奪い取ってホットした瞬間、
敵方の銃に倒れる。
タンゴは、ギャズを撃ち殺した相手に敵討ちしたと思った瞬間、
サルを助けに来た刑事に撃たれてしまう、何故?
タンゴが強く見えたせいで彼の方がギャングに見えたのかも知れない、
撃った刑事は、タンゴが刑事だと知ると、
焦って、サル、サルと呼びながらどこかへ走り去ってしまう。
犬死に、タンゴ。

しみったれた役をやっても流石リチャードだ。
ただ一人誘拐され軟禁されていた女達を救い出し、
正義の味方となって、この映画を締めっくくる。

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by asat_abc | 2011-03-26 18:59 | 映画_新作

ネタバレバレ 「トゥルーグリット」 ジェフとマットが脇を固める

コーエン兄弟監督
ジェフ・ブリッジズ、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリン、ヘイリー・スタインフェルド出演
1時間50分、2010年制作
アメリカ映画
パラマウントピクチャーズ制作配給
「勇気ある追跡」ジョン・ウェイン主演作品のリメイク
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コーエン兄弟監督作品、彼等の作品は
「オーブラザー」
「ノーカントリー」
を観ているが、いつもはある、おふざけシーンが無い正統派作品。
お話はアメリカの西部開拓時代、
父親を使用人のチェイニー(ジョシュ)に殺されてしまった少女マティ(ヘイリー)は
その敵討ちの為に老保安官のコグバーン(ジェフ)を雇って父親の敵を取ろうとする。
チェイニーは過去にもテキサスで犯罪歴が有り、
彼にかけられた賞金を求めテキサス・レンジャーのラビーフ(マット)も行動を共にする。

二人は幼いマティを置いて追跡に出掛けようとしたのだが、
勝ち気なマティは彼等の後をついてくる。
二人は既に川向こう、渡る船はもう無いという場面、
馬に跨り川を渡りきる。
その行為を猛烈にラビーフは叱る。
どうせマティは追跡の最中、お荷物になるのは目に見えている。
マティのお尻をペンペンし、言い聞かせて返そうとする。
その姿を哀れに思ったこともあるが、
彼女の凄まじい父親思いの気持ちに打たれコグバーンは
マティを一緒に連れて行く事にする。
マットが13歳の少女を持ち上げて本当にお尻ペンペンするのだが、
ヘイリーがやせっぽちで色気をまったく感じさせず、
やたら気が強く目障りな女の子なのでお尻ペンペンされるのを見ていて小気味よかった。

コグバーンとラビーフの関係は微妙で途中二人はヘイリーの行動をめぐって仲違いし、
別々にチェイニーを追うことになる。
コグバーンとマティの二人が一夜の宿にしようとたどり着いたバンガローを無宿者達が既に占拠していた。
その二人を捕らえチェイニーが身を寄せているネッド一味がこの場に来ることを知った二人は、
待ち伏せするが、一味の直ぐ後からラビーフまで来てしまう。
それでもネッド一味を捕らえる為に、銃撃戦を始める。
だがラビーフがいるせいでネッド一味の者を殺していまうか、
逃がしてしまうかで手掛かりは此処でジ・エンド。
巻き添えを食ったラビーフは負傷してしまう。
此処でコグバーンとラビーフは撤退を決断し、ラビーフはテキサスへの帰路に就く。
おさまらないマティは一人川辺をさまよっていると、
なんとチェイニーが向こう岸に居るではないか、
マティは銃を取りチェイニーを生け捕りにしようとするが逆に生け捕りにされてしまう。
コグバーンとネッドとの交渉により
コグバーンが撤退する事でマティを返してもらう約束が成立し、
更に途中危機を感じて引き返してきたラビーフと作戦を立て、彼はチェイニーを確保、
コグバーンはネッドらと1対3で勝負に臨む。
遠距離からのラビーフの援護射撃の助けもあって、
コグバーンは勝利するが、チェイニーの最後の反撃があり、
マティはチェイニーを撃つ。
ここで少女マティの敵討ちは一応終了だが、

彼女はチェイニーを撃ったその反動で洞穴に落ち腕を毒へびに噛まれてしまう。
コグバーンは必死でマティを担ぎ上げ馬に跨り人里へ。
その甲斐があり彼女は一命を取り留めたものの
咬まれた腕を切断されてしまう。

その彼女が命の恩人コグバーンをその後探したものの生前にあうことは出来ず、
ラビーフは見つからなかった
というジョン・ウェインの作品ではなかったという後日談が描かれていた。
この辺が、コーエン監督らしさだろうか。


この作品でマティ役のヘイリー・スタインフェルドは助演女優賞を獲得しているようであるが
彼女が主演で、ジェフとマットが助演の作品だと思う。
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by asat_abc | 2011-03-23 22:43 | 映画_新作

ネタバレバレ 「告白」 松たか子が引き受けてくれたから

中島監督
松たか子、岡田将生、木村佳乃出演
1時間46分、2010年制作
東宝制作配給
日本アカデミー賞作品賞及び監督賞受賞作品。

中島監督の作品は
「パコと魔法の絵本」
「嫌われ松子の一生」
古くは
「下妻物語」など、
数本観ているが、
今回の作品は今までの作品とかなり違う印象だ。
ファンタジーの色が今までとは違いダークだ。
それと、予想に反して松の出番は少なかった。
監督をして松たか子という女優がいなければこの作品は出来なかったと言わせしめていたので、
てっきり松たか子が
でずっばりだと思っていた。
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物語は冒頭からクライマックス。
松演じる森口悠子先生、
終業式の日に突然自分の娘愛美が殺された、
犯人はこのクラスにいるという。
犯人を少年A、Bと仮にいうとはいっているが、
その正体は直ぐにみんなにわかってしまう言い方で、
母に溺愛されている直樹と秀才の修哉であることはみんなに直ぐわかった。
先生の話は続く。
少年A、Bの飲んだ牛乳にエイズウィルスを入れておいた。そして二人が飲んだのをしっかり見届けたと。
終業式の先生の話はぞれで終わり、あっさり退職し、彼女の出番はラストの部分までない。
そして一見何事も無かったように無事終業式は終わり
しばらくして新学期を向かえる。

だが、内面は違う。
エイズウィルスを飲まされたと思い込んだ、直樹の精神は打ちのめされていた。
彼は引きこもりとなってしまっていた。
それに追い討ちをかけるように、新しく担任となった無神経で熱血な教師が善意による、直樹とその母への訪問を重ねそれが彼等を追い詰める結果となる。
この善意の訪問は森口先生のさしがねだったことが後でわかる。
やがて精神に異常をきたした二人は自ら破滅していくのだが、その際直樹は衝撃的な事実を告げる。母親役の木村佳乃の子を溺愛する余り精神が蝕まれていく役はかなり似合っている。
一方、秀才の修哉は何事もなかったかのように学校に登校する。だが、周りの目は厳しく、猛烈なイジメに合う。いままでは頭がよい事で加害者側だったのが、すっかり被害者側に廻ってしまう。だが彼は冷静に対処し、エイズ検査を受け、陰性の結果を手にするとそれをクラスメイトの美月に告げる。
彼女は唯一イジメにあっていた修哉をかばってくれていたのだが、彼女の目を通して修哉の精神を語らせるのだ。
修哉の母は彼女の結婚を契機に学者になる夢を捨て、修哉に夢を託し幼い頃からスパルタ教育を施していた。
だがだんだんそれが目に余るものとなり、両親は離婚、母はひとり家を出て学者の夢を追い始める。父はやがて再婚、修哉は母への恋慕の想いが募る。
彼は母に自分の能力を示すために発明品のコンテストに出品、見事世に認められる事になったが、更にもっともっと認められ、母が自分の元に戻ってくる事を願っていた。
この屈折した思いの為、彼の発明品の餌食になって森口愛美という幼い娘は犠牲になったのだ。

美月は森口先生と修哉とを取り持つ触媒となってこの物語を進めてゆく。
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修哉の妄想はひろがり、中学校の全校生徒が体育館に集められる催事の時に爆発物を仕掛け、自分が話すときにボタンを押して、自らも木っ端微塵に全てを終わらせ、母の自分への想いを得ようとしただが、それを察知していた森口先生はその爆発物を彼の母親の研究室に仕込んだことを告げる。

こうして修哉少年の、妄想なのか本当の事なのか夢うつつの事件は終末を告げる。

思春期という大事な時期に
これからの若者達が思い描くであろう妄想を巧みに料理した中島監督の作品がR15というのは
とても残念だ、彼等にこそ観てもらいたい映画だ。
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by asat_abc | 2011-03-20 15:00 | 映画_新作

「相棒 劇場版Ⅱ」 右京の相棒は誰?

和泉聖治監督
水谷豊、及川光博、小西真奈美、岸部一徳出演
119分、2010年制作
東映制作配給映画

相棒、
このネーミングから連想される杉下右京の相手は誰か?
本当の相棒というのは実は岸部一徳演じる官房室長なのではないか、
だからパートナーを亀山から神戸へ途中交代してもあまり影響を受けないのでは?、
そんな他愛の無いことを真面目くさって考えていると、
今回の劇場版の相棒が始まった。
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宣伝で大々的にやっていたように
警視庁幹部が全員揃っている会議室が犯人に占拠され、
物語は直ぐにヒートアップする。
犯人の狙いはこの中にいる、それは誰か?
実は犯人自身も誰なのかわからないのだ。
犯人を危機的状況に追い込んで名のらせようとする作戦だ。
これに対して警視庁は強硬突入をはかり、犯人はあっけなくやられてしまう。
揉み合った際に銃で撃たれ殺されてしまうのだ。犯人の身元を調べると、元刑事、いったい犯行理由は何?
調べていくと、公安が絡んでいることがわかってくる。
平和な日本、
警視庁の中でも公安部門はその存在意義を示す為に必死だ。
その公安部門に絡むスキャンダル、数年前にテロ事件を捏造し有望な刑事を殉職させていた。
事件を起こしたのはその刑事を慕う後輩の刑事と殉職刑事の恋人(小西真奈美)、日本でも911のような事件を企てる組織があると思わせ、その組織を壊滅するように指示した公安部門の黒幕を彼等は見つけ出し、殉職刑事の敵を取ろうとしたのだ。
この事実をネタに官房室長は警察庁から警視庁へ圧力をかけ、弛みかけている警視庁上層部の刷新を迫る。
それに右京がどのように絡んでいるか、けっこう退屈すること無く楽しんで観れました。


ところで、警察庁と警視庁の関係は
警察庁が全国を纏める国家公務員で
警視庁が東京都の地方公務員のようです。
お互いに人事交流はあるようですが、一方が他方に対する一方的な人事権は無いようです。ほんと〜?
(誰か詳しい人がいたら教えて下さいませ)

だから、官房室長はこのスキャンダラスな事件を利用して警視庁の段階的な改善を突きつけるのですが、右京はあくまでも一個の事件として、真相の全てを暴こうとするのです。
激しくぶつかり合う二人。
官房室長は「立ち位置が違えば正義は違う」と指摘します。
右京は、真実がすべて、すべてを明らかにする事こそ正義
というスタンスのような気がします。
そんな二人の正義感の問い掛けが「相棒」というドラマのテーマだと思っているのは、私だけ?
だから、見終わって衝撃を受けてしまったのです。
だって官房室長役の岸部一徳が最後に、ほとんど強引に殺されてしまうんですから。
こんな風にしちゃっていいの、これからどうするの、
これが偽らざる感想です。
でもこのドラマも
シーズン9と長期間になりそろそろ幕引きだと思っているのでしょうか?
それとも、神戸尊との本当の相棒にしていくのでしょうか?
劇場版しか観ていない私には良くわかりません。
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by asat_abc | 2011-03-18 21:42 | 映画_新作

「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」、ジョン・レノンの若き日

サム・テイラー=ウッド監督
クリスティン・スコット・トーマス、アーロン・ジョンソン、アンヌ=マリー・ダフ出演
98分、2009年制作
イギリス、アメリカ映画
ギャガ配給


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ジョンレノンの若き日の苦悩を綴った映画だ。
ジョンってこんなイケメンじゃなかったよな、なんて思いながら観ていたら
キックアスのアーロン・ジョンソンなんだと、見終えた後に知って驚いてしまった。
その上彼はもう結婚していて、相手はこの作品の監督、
それも23歳年上だという事も知って二度驚いてしまった。
事前に知っていたら見る角度は少し変わっていたと思う。
なんせ、この映画、一人の若い男をめぐる二人の中年女の対決の構図なのだから。

多感なハイスクールボーイのジョンは叔母、伯父の家で育てられていた。
優しく愛情を表に現す伯父と違い、叔母は彼を厳格に育てようとうるさく、
ベタベタした関係を好まない。
ある日突然叔父が倒れそのまま帰らぬ人となる。
その伯父の葬儀の時、
何となく見覚えある人が参列する。彼女は実の母であり、家から直ぐ側に住んでいたのだ。
躊躇しながらも訪ねるジョンを母は大歓迎する。
今は二人の娘と旦那さんと楽しく生活している。
実の母は叔母とは違い明け透けで開放的な性格だった。
母の教えでジョンは音楽にのめり込むようになる。
だが叔母は母と会う事に難色を示す。
叔母の目をかいくぐって親子はデートでもするかのように逢瀬を重ねるのだが、
母の旦那も家事を放棄気味の妻にイエローカードだ。
結局、叔母の監視下、
ジョンはバンドを組んでますます音楽にのめり込んでゆくとその才能は開花、
彼のバンドにポールやジョージも参加し、人気はメジャー級?になる。
そうなるとジョンを巡る母と叔母の激突の火花は頂点に達し、
ジョンの希望で叔母の元で育てられた理由が明かされる事になる。
母は奔放な女性でジョンを生んでいながら他の男と付き合い始め
ジョンの父と離婚する事になった。
その際彼等はどちらと一緒に暮らすかジョンに選択させ、
ジョンはいつもそばにいてくれる父親を選んだ。
それを叔母が強引に奪い返して手許で育てたのだ。
その事がジョンの知ることになって
逆にようやく姉妹のギクシャクしていた関係は元に戻った。
ジョンのバンドも順調そのもの、そんなとき母が交通事故で亡くなる。
それを契機にジョンは叔母の家を出て独立する。
少し時間が経過し、叔母の元を訪れるジョン。
ドイツへ行くためパスポートを作るからサインが欲しいと、ジョン。
どこにサインすれば良いのと、叔母。
両親のところと保護者のところへと、ジョン。

その瞬間、叔母のなんとも言えない顔。嬉しすぎると嬉しい顔が出来ない。だが、彼女の至高の瞬間だ。

その後ジョンは毎週末
叔母へ必ず連絡をいれたという。


ジョンにはある意味二人の母がいた、その二人とわかりあえる関係になった物語、
嫌な言い方をすれば、マザコンなジョンの、独りよがりな悩みをどのように克己したかの物語だ。
今年に観た映画、
ショパンではサンド夫人の息子が母をショパンに取られないように妨害する。
告白では、とても優秀な中学生の少年の残酷な企ては母への恋慕の一念だった。
そしてこの映画でも、母への愛憎がテーマだった。

男とはそんなに母に弱いものなのか?
なんか男であることが情けなくなってきた。
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by asat_abc | 2011-03-15 06:29 | 映画_新作

「キックアス」確かにヒットガールは可愛カッコいぃ

マシュー・ボーン監督
アーロン・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ、ニコラス・ケイジ出演
117分、2010年制作
アメリカ・イギリス合作映画
カルチャア・パブリッシャーズ配給、R15+


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一見の価値有りとの評判だったので観てみたが、
好みが出る作品だと思う。
吹っ切れるまで時間が掛かって、心から楽しめたのはラストシーンぐらいだ。
ひょっとすると主人公と同化してしまい、痛みをずっと感じていたかもしれない。

兎に角観ていて
主人公デイブに同化すればするほど、正視出来なくなる、だって痛いんだもぉん。

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スーパーヒーローが好きなくせにみんなスーパーヒーローにはなろうとしないのは何故、それなら自分がスーパーヒーローになっちゃえ、と考えたデイブは通販でユニフォームを手に入れ、キック・アスになっちゃいました。そうなると今度は実際に正義の行動まで取りたくなっちゃい、悪事をはたらく奴らを止めようとするのだが、彼に何か特別な技が有る訳じゃない。
そんな彼だから正義のスーパーヒーローになろうとしても逆にナイフで刺された上に、クルマにもひかれ瀕死の状況に追い込まれちゃう。でも彼の活動はやがてYouTubeで取り上げられ一躍有名になっちゃうのだ。
有名になったキックアスの元に同じ稼業のビッグ・ダディとヒット・ガールが現れる。
この二人キックアスを助けてくれているように見えるけど
実はしっかり彼を巻き添えにしちゃってます。




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本当のところヒット・ガールも復讐に燃えるビッグ・ダディの
巻き添え食っている女の子。
だって11歳の女の子が、誕生日のプレゼント何欲しいと聞かれ

「子犬」と答えたらビッグ・ダディに戸惑った顔されて、
「ウソ、ウソ、バタフライナイフ」って言わされるんだから。
こんな風にヒットガールの本心をちらっと見せ、
幼い少女なんだと思わせたあとで
いかつい男達をバッタバッタと殺していくシーンを見せつけられたら
観る側のギャップは大きい、
勢い可愛カッコいぃ、となっちゃう。
兎に角キックアスと違って強い、本当に強い。
そりゃ、
ビッグ・ダディに復讐のためにちっちゃいうちから鍛えられたんだから。

ビッグとヒットの二人の活躍で?
バッサバッさと復讐相手の仲間達を殺戮し、それが恰もキックアスの手柄に思わせちゃうんだから、
今度は敵のボスがキックアスをつけ狙う。
敵の親玉にはキックアスと同じ歳の息子がいて、
そいつが新たなスーパーヒーロー、レッド・ミストに変身して
キックアスに近付いてくる。
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レッド・ミスト自体はそんな悪い奴じゃない。
お父さんに認められたいと強く願っているファザコン男なだけだ。
だが、親父はとんでもなく悪い奴だから息子だってしっかり利用する。
その為、どじなキックアスの巻き添えを食って、ビッグ・ダディはやられてしまう。
怒ったヒット・ガールは一人で敵の牙城へ乗り込む。
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その後を追ってキックアスもヒット・ガールの後を追って最後に魅せてくれる。
最後の最後に絶対あり得ないほどカッコ良く登場し
カッコ良くヒット・ガールを助けてあげる。
このあたりの彼の活躍ぶりは胸のすく思いだった。




キックアスを観る前に予想していたのは
ヒーロー願望の強いダメ少年のコメディ映画だった。
そのイメージからはかなり遠かった。
コメディぽいがコメディではない。

ヒット・ガールはカッコ良くスタイリッシュに人殺しをしてゆく。
たかが11歳の女の子が母の復讐という呪文に洗脳されている。
ただのB級映画で無いことだけはわかったが手放しでそれ以上の評価も今は下せない。
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by asat_abc | 2011-03-11 00:56 | 映画_新作

「トロッコ」芥川の名作がよみがえる

川口浩史監督
尾野真千子、ホン・リウ出演
116分、2010年制作
日本映画、日活配給

原作はご存じ、芥川龍之介の「トロッコ」、それを風情が残っている台湾の地で作り上げたようだ。
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夕美子は台湾出身の夫が死に、
敦、トキの二人の子供達と夫の故郷である台湾東部の町に遺灰を届けに来た。
その町には夫の父親と母親、つまりおじいさんとおばあさんが住んでいる。
そこで8歳の敦少年はひと夏の経験をする。

普段から母は、長男の自分には兄である事を望み弟のように甘やかせてくれない。
台湾に来てからその傾向は更に強まり、
何よりも自分達だけ此処に取り残されるのではないかという危惧感を抱いてしまう。
不安を感じた敦少年は
おじいさんが言っていたトロッコの道の先には日本がある、という言葉を頼りに、
弟をけしかけ、トロッコを利用して日本へ帰ろうとするが、
道半ばで弟が帰ろう、帰ろうと泣き叫ぶに姿を見るに及んで引き返す。
その頃 母は二人の子供たちが何時までたっても帰ってこないのにやきもきやきもきしている、
とようやく二人か帰り着き、弟は泣きじゃくりながら母に甘えて抱きつく。
敦は弟を無事に母の元まで届けたという気持ちと自分も母に甘えたい
という気持ちがないまぜとなった思いで母を見つめる。
母もその気持ちを理解し、敦を抱きしめる。


そんな経験を通して敦少年は日本と台湾の事、
自分とおじいさんとの関係、
そして自分と弟と母のことを
父親の故郷で考え成長していく。
こんなお話しだ


おじいさん、おばあさんの夕美子親子に対する温かい思いやり、
夕美子の夫両親に対する真摯に敬う気持ち
双方がお互いを思いやる気持ちが伝わってきて
観ていて心が和んでくる。
昭和のまだ貧しい時代にはあった温もり、
豊かになった現代には消え失せつつあるもの。
そんな感慨を抱きながら観ていた。
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by asat_abc | 2011-03-09 06:46 | 映画_新作

GalileoGalileiの曲にのって「管制塔」が始まる

三木孝浩監督
山崎賢人、橋本愛出演
68分、2011年制作
ソニーミュージックエンタテインメント映画

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ツキには偏りがあるというが、私の場合観る作品の出演者に偏りがあるようだ。
ここのところジェフ・ブリッジスが続いていたが、
今日の「管制塔」では橋本愛だ。
このまえ松たか子の「告白」を観る事が出来、そこで彼女の存在を知ったばかり。
見かけは優等生だが、犯人の少年と心を通わせる可愛い小悪魔役を演じていたと思ったら、
今回は逃げ回る親のせいで学校を転々する、陰を背負った小悪魔役だ。

北海道稚内市、人口4万足らずの日本最北端にある管制塔、
Galileo Galileiがその管制塔をテーマにした曲に
三木孝浩監督が思いを募らせて手掛けた作品だ。

周りに溶け込めず孤立した少年駈(かける)のクラスに転校して来た少女瑞穂、
彼女も周りに溶け込もうとしない。だが、何故か駈にはなついてくる。
その瞬間からかけるの毎日が変わる。
瑞穂の強引な音楽の勧めにギターを覚え始める。
「君なら出来る!」とその気にさせられ、気がついたら曲まで作れるようになったというのに
彼女は甲斐性無しの親父のせいで次の町へ行ってしまった。

ひと冬のプラトニックな体験である。
こんな映画だから当然若い子ばかりと思いきやけっこう年配の人がいて勇気付けられたのだが、
次の回を待っている子達は中学生、高校生とおぼしき子達ばかりで、
何故か恥ずかしい思いで会場をあとにした。
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by asat_abc | 2011-03-08 22:58 | 映画_新作