2013年 03月 20日 ( 1 )

ネタバレ「クラウドアトラス」、壮大な世界観

今年の33本目

トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・スタージェス、ヒュー・グラント
ウォシャスキー姉弟&トム・ティクヴァ共同監督
映画の予告編で何度か観たら、その壮大な世界観に惹かれ絶対観たいと思った作品です。19世紀から24世紀までの6つの話しが絡まりあってスケール感たっぷりでした。ただ、六つの話しがパラレルに流れるので、最初は何が何やら筋を追うだけでいっぱいいっぱい、目まぐるしさに馴れたのは二時間も過ぎた辺りから、ちなみにこの映画、三時間を少し切るぐらい長い映画、一回では理解しきれなかったので既に二回観ちゃいました。六つの話しがパラレルに流れるこの映画では六つのクライマックスが一度に雪崩れ込むのですから凄い迫力です。
ひとつ目のお話しは19世紀前半、アフリカからアメリカへ帰る途上の船での出来事、奴隷取引をしようとしている主人公の若者を信じ、船長に船の人夫に勧めてくれるように頼み込む黒人密航者。最初は鬱陶しく思っていた若者だが、財産を狙い毒を飲まそうとする医者から助けてもらった事から、主人公は最後に奴隷解放運動に身を投じる事を決意する。
二話目は1930年代、男色の音楽家志望の主人公の話し。自分が思い描く「クラウドアトラス」を作曲しようとしている時、才能の枯渇した有名老作曲家にその曲を奪われそうになり、拒否したはずみで殺害してしまう。曲を完全させた後、彼は自らの尊敬をかけ、死を選ぶという話しです。彼が愛読していた本は1話目の主人公が書いた海洋冒険日記でした。
第三話は1970年代の話しでハル・ベリーが(わかりやすく特殊メイクなしで)登場します。第2話の主人公の愛人だった男性が老科学者として重要な事実をハルに託そうとする直前に殺害されてしまい、ハル演じる編集者が人殺しまでして隠そうする真実に迫り、石油ロビイストの陰謀を暴くという話しです。
第4話目は時代はちょうど現代、いい加減で夢を無くした老編集者はある事件をきっかけに凶悪な者達に強請られてしまい、兄を頼って身を隠すように勧められた場所は二度と娑婆には出て来れない養護施設だったのです。そこから如何に脱出したかというコメディです。
第5話は未来の韓国、ネオソウルでの出来事です。クローンのソンミ達は年季奉公が終わり自由の身になるのを願い長い間働き続けます。ところが年季奉公があけ自由の身になれるというのは真っ赤な嘘で、殺され食料とされていたのです。その事がわかった彼女は自分の意志で為政者達と戦うという話しです。
最後の6話目は人間文明が崩壊後の話しです。トム・ハンクスが主人公で登場します。最後のエンドロールでわかった事ですが、彼やハルは総ての話に登場していたのです。ちなみに第1話目は主人公を殺し財産を狙う医者役、第2話目は宿屋の強欲な主人役、第3話目はハルを助けようとする原子力研究所の職員、第4話目は作家で、裏の顔は凶悪な者達のボスという役。第5話目はソンミが好んで観た映画に登場する役者さんでした。

まさしく壮大な歴史絵巻であり、まるで手塚治虫の「火の鳥」を観ているかのようなの感覚になりました。一話一話が単独ではなく、過去の行いが次の時代に引き継がれて行く輪廻転生の思想が色濃く現れていたからです。実写版にしたらきっとこんな感じだったのではと思いました。

今年のナンバーワンですから評価は
A95点です。
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by asat_abc | 2013-03-20 09:35 | 映画_新作