長い散歩

奥田英二監督
緒方拳、松田翔太、高岡早紀出演
役者の奥田英二が監督をしたということで話題にはなったが、
商業ベースには乗らないだろうなと感じさせる、
でも、じっくり観客に問いかけてくる本物指向の作品だった。

お話しは、
緒方拳扮する元校長先生が自宅を出て、
安アパートへ引越してくるところから始まる。
となりには五才ぐらいの子供とその母親、そして母親の愛人が住んでいる。
子供は不思議な子で、妙にひねくれている。
理由は徐々にわかってくる。
少し前までは妻、夫、子の三人で幸せに暮らしていたが、
離婚により家庭は崩壊、母親の子供に対する虐待が始まり、
子供はすっかりいじけてしまっていた。
その上妻の愛人が子供にいたずらしようとするに及んで、
元校長は妻の愛人を叩きのめし、子供を連れ旅に出る。
その旅で彼は自分の人生について振り返る。
自分の子供が中学生の頃にぐれて万引きした時、
母親の躾のせいだと自分が家庭を省みない態度を正当化し、
未だに子供とは和解出来ずにいた。
そんなことを考えながら、
一点の雲のない青空を求め旅を続けていると、
男は誘拐犯の容疑で警察に追われるようになる。

そんな旅に一人の青年が入ってくる。
彼は帰国子女なのだが、
日本に馴染めず孤独な翳を隠しながら自分探しをしていた。
そんな三人の旅が続くのだが。


見応えのある、好きなテイストの映画だった。
緒方拳扮する元校長は一昔前までは日本の典型的な父親だった。
(今ではすっかりシーラカンス状態だが。)
それと、高岡早紀扮する身を持ち崩した母親役は絶品だった。
彼女の地ではと思わせるほどの出来だった。

自分にとって何が一番大切かということを
じっくり考えるにはとても良い作品だと思いました。


評価は
★★★★

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by asat_abc | 2008-06-23 19:21 | 映画_新作
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