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「星の旅人たち」至福の時を味わえます

この映画は2回観ました。
前回観た時は自分のテイストにドンピシャ嵌って、
最後はこのロードムービーに
終わりが来ない事を祈りながら
映画に身を委ねちゃったぐらい
心地良い気持ちになれました。
この感覚が正しいものだったのか、
もう一度観たいと思ったのです。
同じ作品を試写会で二度観た事が有るけれど、
有料で二回観たのは初めてです。

冒頭に主人公トム(マーチン・シーン)が
サンティアゴへの巡礼をする悲しい訳が
たたみかけられてきます。
遠い道のり、東京から福岡ぐらいを歩く道のりでしょうか、
その巡礼の旅に愛嬌のあるオランダ人ヨストや、
いけ好かないスリムな中年女サラ、
それに巡礼の事がやたら詳しいアイルランド人で自称作家のジャックが
加わってきます。
三人はトムの息子と同じぐらいの年齢です。
最初はただ行き先が同じだからぐらいの軽い関係が、
トムの身の上話を知ってから興味と好奇心と同情が絡まり合い、
そして幾つかの事件を通してお互いの事を理解し合うようになり、
固い絆で結びついた仲間となっていきます。

トムは行く先々でドジやもめ事の連続。
初っ端からリュックを橋の上から川へ落っことしちゃって、
川へ飛び込む有り様。
その次は、パブで巡礼仲間との再会を喜んでいたら、
トムのリュックが小学校高学年ぐらいの子に
置き引きされてしまいます。
その子を4人は必死に追いかけるも、
少年が逃げ込んで行ったのはジプシーの居住地。
トムは息子の遺灰が入っる箱だけでも返してくれと哀願しますが、
願いは届くはずもなく。
虚しい気持ちで寂しくパブへ戻ります。
すると、しばらくしてパブにイズマエルという男が
置き引きをはたらいた息子を連れて謝りに来ます。
お詫びとして、彼らを身内のパーティーへ招待してくれたのです。
身内のパーティーとはいえ
ゆうに百名以上が参加する壮観なものです。
彼らの結束の強さに感心させられる一コマです。
こんな出来事を通して4人の息もあってきます。
こんなシーンもあります。
巡礼の途中だというのにトムのおごりということでホテルに一泊します。
その夜、トムが一人手待ち無沙そうにしていると
サラが厚かましく部屋へやって来ます。
すると次にヨストが遠慮しいしい訪ねてきて、
最後にジャックが陽気に入って来ます。
旧知の仲間のように4人揃ってゆったりと飲み会です。
このシーンが一番好きな場面で、心和むシーンです。

巡礼の目的地はサンティアゴ、
でも4人の名残惜しい気持ちが、最終到着地を伸ばします。
トムがイズマエルに教えられた海辺まで行くことに。
トムは息子と同年代の友と行動を共にする事により
息子の行動や気持ちが理解出来たのでしょう。
遺灰を海に捲き息子の冥福を静かに祈る傍らには。。。
by asat_abc | 2012-09-01 10:16 | 映画_新作
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