「ドライブ」 ライアン・ゴズリング主演
渋谷のヒューマントラストは最近良く利用する映画館です。
シアターが3つ、 シアターらしい大きさの1と、 ホームシアターぐらいの3と、 その中間ぐらいの2。 「ドライブ」は一番大きい1で上映中でした。 この作品を作ったデンマーク出身の監督ニコラス・ウィンディング・レフン作品 「ヴァルハラ・ライジング」もシアター2で上映されていて、 先週、前もって観ていて予習済みです。 両作品には監督の特徴が濃厚に投影されています。 特徴その1 内側に秘めた狂暴さが突如として表出してきます。 特徴その2 狂暴さを際立たせるのは、画面から現される静けさとセリフの少なさ。 セリフは必要最小限に押さえています。 特徴その3 そして独特の「間」です。 この「間」は北欧映画の特徴なのでしょうか、 何本か観た北欧映画に共通して、この何とも云えない間が有るのです。 残念ながら私にはその良さが良く理解出来ませんでした。 だから、予習した「ヴァルハラ・ライジング」は先週観たというのに、 後半部分の記憶が殆どありません。 「ドライブ」がハリウッド作品ならば、 典型的なジェットコースタームービーになっていそうなストーリーですが、 独特の間によって ライアン・ゴズリングの熱演ぶりは青白い炎を放って映ります。 最近注目されるようになってきたこの役者さんを初めて意識したのは「ラースとその彼女」、 作品として初めて観たのは「ブルーバレンタイン」、 最近ではキルスティン・ダンストと共演した「幸せの行方」や 「スーパーチューズデイ」といった、魅せる作品が中心です。 「ドライブ」での彼の役どころは、 表の顔は映画のスタントマン、 裏の顔はそのドライブテクニックを活かして、 強盗犯を逃走させるドライバー、 そして普段の顔は自動車修理工場の整備士です。 カーアクションビンビンのアクション映画かと思いきや、さにあらず。 そのシーンは必要最小限です。 物語は 同じアパートの人妻(キャリー・マリガン)に惹かれ、 出所したばかりの彼女の夫を助けようと強盗の手助けをした事から事件に巻き込まれ、 事件の黒幕と戦っていくというものです。 人妻に対する淡い恋心と思いやりに彼の本質的な優しさを示しつつ、 普段の優しい顔の裏にある冷酷なまでの行動に 彼が育った劣悪な幼少時代が垣間見えます。 これを口数少ない演技で演じきっていました。 彼と心を通わせる人妻役にはキャリー・マリガン、 薄口な顔の割に頑張ってます。 「私を離さないで」で初めてその存在を認識し始めましたが、 女優魂が伝わってくる役者さんです。 「フェイム」では清純なイメージを完全にぶち壊し、 体を張っていました。 「ドライブ」は一見の価値がある映画でした。
by asat_abc
| 2012-04-26 23:44
| 映画_新作
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