「再会の食卓」ネタバレ解説

「トゥヤーの結婚」(ベルリン国際映画祭グランプリ)のワン・チュエンアン監督
2009年制作96分、
2010年ベルリン国際映画祭銀熊賞

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台湾と中国本土との交流もようやく進んできた1980年代後半、
第二次世界大戦で生き別れになっていた上海に住む妻ユィアーの元に
台湾に住む夫イェンションから上海へやってくるという便りが届く。
二人が生き別れになって約40年、ユィアーには既に新しい夫ションミンがいる。
イェンションとの間にもうけた長男、ションミンとの間にもうけた娘二人、三人の子供がいる。
こんな話だから登場人物の大半がじじ、ばば、ばかりである。
唯一次女の娘が彩りを与えてくれ、ジジババの相手をしてくれる。

物語は淡々しているが味があって飽きさせない、時折クスッと笑わせてくれる。
イェンションの上海訪問の目的がユィアーを台湾へ連れ帰ることが徐々に明かされていく。
子供達は猛反対、まぁ当然の事だと思う。
だが、孫娘だけはユィアーとイェンションを連れて上海観光をする先々で二人の仲の良さを
垣間見て中立的立場を取っている。
そして今の夫ションミンは受け入れる覚悟をしていた。
こんなストーリー展開だ。

一度はションミンに打ち明け受け入れてもらったのだが、彼が軽い脳梗塞で倒れてしまい、
最終的には元の鞘におさまる。
だがイェンションが台湾へ帰る別れのシーンはまるで今生の別れのように熱い抱擁が続く。
その一年後新しい北京郊外のマンションに引っ越したユィアーとションミン夫婦の元で孫娘は言う。
結婚する事に決めた、でも付き合っている彼はアメリカへ二年間留学すると。
彼女は40年もの間離れ離れになっていてもユィアーとイェンションとのあいだに強い愛情がある姿をみて
きっと自信を持ったのだろう。

人間の間柄というのは不思議なものである。
小学校、中学生、高校と12年間一緒のクラスにいてもほとんど会話がない人がいる一方で、
うまがあい知り合った日から直ぐ行動を共にする友もいる。
この物語のユィアーとイェンションとの夫婦関係はほんの数年というのに二人の絆は深い。
一方ユィアーとションミンとは40年もの夫婦関係だというのに
ユィアーは自分の人生は子供の為に自分を犠牲にしてきたと思っている。
げに恐ろしきは夫婦の愛情である。
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by asat_abc | 2011-02-04 18:31 | 映画_新作
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