「川の底からこんにちは」ネタバレ傑作解説


石井裕也監督
満島ひかり主演
1時間52分、2010年公開
ユーロスペース配給


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けだるくなんでも「しょうがない、どうせ私は中の下だから」と自分のことを卑下するスローな展開から
開き直って自分を勇気付け中の下だから頑張るしかないと迫力満点のカウンター攻撃でズバッと切り返えす、
幸せな気分にさせてくれる涙と笑いの112分、たっぷりと堪能させてもらった。
「剥き出しにっぽん」の石井裕也監督の感性と主演女優の満島ひかりの力がシンクロした、
2010年を代表する映画だ。
今年初めてのパンフレット購入作品。

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主人公佐和子は自分のことを中の下と自認する派遣社員。
東京に出てきて五年になる。何となくうだうだ毎日を過ごし、
何となく健一という彼氏もいて「しようがない」と割り切る日々を送っている。
そんな彼女の元に田舎の叔父から電話が入る、お父さんが倒れ入院した、帰ってこいと。

佐和子には家に帰りづらい訳があり、忙しいとかいって避けていた。
実は高校卒業後、駆け落ちして東京へ出てきたのだ。
今の恋人でバツイチで子持ちの健一はそんなことはお構いなしに
佐和子の父が田舎でしじみ工場を経営しているということに甘い幻想を抱き、
エコライフを一緒にやっていこうなどと勝手なことをいって強引に田舎帰りを進め、子供連れでついてくる。
田舎へ帰った佐和子を待ち構えていたのは工場で働く怖いオバサン達、
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佐和子が駆け落ちに破れた女で有ることは当然知っており白眼視している。
ついでに彼女が5歳の時に母を亡くしその後父の再婚話に反対していた事まで良く知っている。

工場には、彼女の高校の同級生友美まで働いていた。
佐和子は友美の彼氏を奪い取って駆け落ちしたのだ。
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今度は友美の反撃を受け健一は浮気して一緒に田舎を出る。


佐和子は昔の日課だった肥溜めまきを毎日荒れ果てた畑へしながら、何かを感じ始める。
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父へのわだかまり、工場のオバサン達との関係、健一に対する自分自身の感情などなど、
どうせ「中の下」ならば、頑張るしかない、彼女のどこかで何かが吹っ切れ、自分の今までの人生への反撃にでる。

会社の社歌を変える。
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お父さんからてらいもなく借金する、当然会社を立てなおす為だ。
その開き直った颯爽とした姿に工場のオバサン達は佐和子を応援する。
メチャクチャ傾むいていた工場の傾きはなくなる。

最後、父の遺骨を遺言通りにしじみが育つ池にまこうとするとき健一が戻ってくる。
父の遺骨を健一にぶつけながら今まで「しようがない」で済ませていたのはままならぬ人生に対するあきらめナノだ
と気付いた佐和子は溢れる感情を剥き出しにしながらも健一を許す。

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長くなりすぎたので、雑感はこの次に。
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by asat_abc | 2011-02-02 07:42 | 映画_新作
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