「完全なる報復」ネタバレ解説
「交渉人」のゲイリー・グレー監督
ジェラルド・バトラー、ジェイミー・フォックス出演 1時間48分、2009年アメリカ公開 原題は Law abiding citizn 初っ端から直ぐ事件は勃発、二人組の暴漢が押し掛けて来て妻と幼い娘が殺されるのを、瀕死の重傷を負ったクライド(ジェラルド)は記憶のかなたで見るしかなかった。 犯人はアッサリ捕まり、裁判が始まったものの、主犯の男と検察官のニック(ジェイミー)は司法取引し、結果、共犯者に過ぎない使いッパシリの男が死刑、主犯の男は三年の刑の判決。 それから10年が過ぎ、クライドの復讐が始まる。 まず、死刑囚となった共犯者の公開処刑を残酷なものに演出する、本来なら薬物注射で直ぐあの世へいけるはずなのに薬物注射の中味をすり替えもがき苦しむように仕組む。 次に娑婆で悠々と暮らしている主犯の男を誘き出し自分の所有する倉庫で生きたまま二十数ヶ所に切り刻んで復讐を果たす。そして、その撮影テープを送りつけ自ら逮捕されるようにする。 ここまででまだ20分程度、これからどんな展開になるのかと思っていたら、復讐までに何で10年もの歳月が必要だったのか良くわかるように仕込まれた事件が続く。 観ているときは同然わからないようになっています。 警察の留置場では同部屋の男を殺害、独房へ監禁されるようにする。 その後もクライドの仕業と思われる事件が起きるのですが独房にいるはずのクライドに何故犯行が出来るのか説明がつきません。 だがその謎をニックが解き明かします。彼は10年の間に多額の私財を蓄え復讐の為に必要なものを手に入れていたのです。例えば独房には秘密の通路が作られていて、いつでも外に出られるようになっていたのです。 それをニックはクライドの所有資産から推測します。 それさえわかれば今までの殺害方法は全て彼の所有する家屋の中での出来事ですから察しがつきます。 最後にニックはクライドに罠を仕掛けて自滅に追い込む。 あれだけ用意周到に復讐の計画をたてていたのにこんなに簡単に逆転されて良いのかと拍子抜けしてしまった。 私は最後の最後まで再逆転があると信じ込んでいたが、クライドは自滅の爆破で跡形もなくなった? この映画には司法取引に対するメッセージがある。 クライドの復讐は妻と子供を殺害した者達だけにとどまらず、「司法取引」にも向けられていた。確かにこの事件でひとりは死刑になったが、司法取引した男は三年の刑で済んでいる。 ニックという検事は犯人の有罪を勝ち取る為に進んで司法取引を行い、結果として有罪判決に追い込んでいるが、被害者側の遺族からすれば死刑にして欲しい犯人に数年の判決では納得出来ない。その思いがこの復讐劇の動機になっていたのは良くわかったが、そのテーマがちゃんと消化出来ていれば、ドラマとしても厚みのあるものになっただろう、と思った。
by asat_abc
| 2011-01-28 21:11
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