「アイスバーグ」と「ルンバ」道化師達が作る映画
ドミニクとフィオナという夫婦の道化師が中心となって作っているベルギーの映画。
印象はチャップリン風の映画、極力言葉は使わず、ギャグの積み重ねでストーリーを進めていく。 独特の癖があり、はまっちゃう人がいるかもしれない。 最初に観たのは「アイスバーグ」のほう。 ファーストフード店で勤めるフィオナは誤って冷凍室に閉じ込められてしまう。 それがトラウマになると思いきや、逆にアイスバーグに行きたいと思うようになる。 家族にかなりマンネリを感じていた事もありあっさり家族を捨ててしまう。 夫のドミニクは納得できず、彼女のあとを追う。 決断は女の方が決めたら堅いのは世界共通のようでフィオナは夢に一直線だ。 フィオナは自分をアイスバーグに連れて行ってくれる船長を見つける。 船長もフィオナに興味を持ち、一緒にアイスバーグへ行くことに、それを追うドム、 合流した三人は何とか目的地に辿り着くものの船は沈没する。 そこに映画冒頭に登場していた女が現れ三人を助けるというオチが用意されている。 こんな風に書くとどこが面白いのかと思ってしまうだろうが、 短いギャグで繋いでいく様は、最近の映画にはない味がある。 と言いながら、二度ほど落ちそうになってしまったが。 次に観たのが「ルンバ」、 悲劇的なテーマを再生というテーマへ変えてとても明るいものにしているが、 ほんとにそんな単純で良いのと心配してしまうほど、転落人生を笑いにしている。 ドムとフィオナは田舎の教師、ドムは体育、フィオナは語学、 二人は生徒からも愛されるオシドリ夫婦。 2人にはルンバという趣味があり、腕前は地域の大会に出場すれば優勝するほどだ。 ある日のこと、大会で優勝した帰り道、 自殺しようとする男を避けようとして運転していた車は大破、 ドムは記憶喪失、フィオナは片足を失う。 学校に復帰しても2人ともやることなすことドジばかりで、とうとう学校からも解雇されてしまう。 挙げ句はドジの上塗り、家まで焼失、更にドムは家を忘れ、海の家にたどり着く。 フィオナは待てど暮らせど帰らぬドムを自力で探し始めるが、見つける事が出来ない。 でも二人の磁石は強い、ドムの働く海の家で二人は再会、めでたし、めでたし。 そんなフィナーレです。 突然の事故で片足を失ったフィオナのリアクションは何もなし、 大切な家を火事で失ってもドムとフィオナのリアクションは何もなし。 その部分もしっかり笑いに変換しています。 現実主義者の人にとってはかなり抵抗ある部分かもしれません。 かなりブラックが入った描写です。 制作者はきっとそんな枝葉はこだわっていないはずです。 そんなおおらかな観点から、彼らの笑いを見ることをお勧めします。
by asat_abc
| 2011-01-24 20:09
| 映画_新作
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